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【プロローグ】
夢を見た
夢を見たのだ
それは夢だった
荒涼たる大地の片隅を、一人の男がただひたすらに歩く。
終わりの見えない荒れた地を踏みしめながら、ただひたすらに歩くのだ。
なぜ歩いているのかわからない。
己がどこに向かっているのかわからない。
そもそもその先に、何が待っているのかさえも定まらぬままに、歩き続けている。
砂に埋もれるようにして、周囲に転がる諦めた者達の亡骸を視界に収めながらも、それでも男はひたすらに歩き続けるのだ。
その先にあるモノを・・・光を目指して。