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Rad des Fatalität~希望の風~  作者: 甘藍 玉菜
【夢幻空疎の楽園聖都市】中篇
16/42

2/3



長かった(体感時間)補習授業も、今日でやっと終わりを告げる。

あの理科の先生、もごもご口ごもるように喋るから聞き取れないんだよなー。


帰り支度をしながら、俺はそんなことを考えていた。



補習授業はニ時間、そのあとにテストが一時間。

やっとこさ解放された俺は、コキリと首を鳴らした。いやまあ赤点とった俺が悪いです。

皆もちゃんと勉強しようね!特に英語とか。

え?日本にいるから日本語以外の言葉は必要ない?まあそれは俺も同感。



補習期間中ってのは、なんかこう・・・夏休み中なのに夏休みじゃないって感覚がする。学校から解放されてないっていうのか?そんな感じだ。


だがそれももう終わりだ。俺は今年こそはサマーなプールや富士山のほうの遊園地やお台場の夏の期間限定のフジなアソコに行ってやる。


うん、今年こそは。

(そう言い続けて2年。ちなみに作者は5年。時の流れは残酷なものだ)






教室を見回せば、補習に参加していたのは、俺を含めて20人あまり。

うん、理科って・・・特に化学とかって時に数学や英語よりわからないよね。元素記号とか。


ちなみに、その中でクラスメートは俺を含めてたったの二人ぽっちだけという悲しい現実。あれ?俺確か文科系コースのクラスだったよね?関係ない?あらそう。



とりあえず、ぐだぐだとしながら俺は教室を出た。だって補習授業受けたのクーラーのよく・・・よぉくきいた理科室だったんだもの。

ああ、出るのがかなり名残惜しい。


どうやら、似たような考えの奴はそれなりにいるらしく、半数以上がまだクラスメート同士で固まって、教室でくっちゃべっていた。

どうやら、俺のように直ぐに教室を出ようとした奴はいないみたいだ。


しょうがないじゃんか。だって俺は理科室のあの独特な臭い嫌いなんだから・・・ちなみに似たような理由で病院も嫌いだ。

臭い酔いしやすいんだよ。




それに今日は昼から、夏のアニメ特別番組がある。

録画はしてあるが、作品のファンとしてはリアルタイムでも見るべきだ。なので後ろ髪を引かれながらも、とっとと俺は理科室退散する。




教室から出る直前教室内を再び振り返ると、残ったただ一人のクラスメートは、一人離れたところで窓枠に座りながら外の景色をただひたすらに見ていた。





彼女は・・・あの時、何を見ていたのだろうか・・・










補習授業を受けていた第二理科室は、階段に近いところにある。

廊下の窓から校庭を覗けば、まあご苦労なことで運動部員たちが汗だくになりながら二列に並んで走っていた。



着ているユニフォーム的に野球部かな、うちの高校は毎年甲子園には程遠い実力なのがちょっと悲しい。

たとえ優勝できなかったとしても県の大会で上位に入ることが出来れば、それだけでも校内はお祝いムードだ。



理科室とはうって変わって、昇降口は外に一番近い為に校庭に出ていなくってもジリジリとした暑さが襲い掛かってくる。


俺は、とにかくこの暑さから逃れるために、そして特番アニメを見るために、靴を履き替えて昇降口を出ようとした時だった。





正直な話、俺はここの記憶が曖昧だ。ぶっちゃけ、一体何があったのか全然思い出せない。




ひょっとしたら、この思い出せない記憶の間に何かがあったのかもしれない。





とにかくわかりやすく言うと。


俺は昇降口で靴を靴箱から取りだして、上履きから履き替えようとしたとき。


突如として目の前に現れた真っ白なまばゆい光に包み込まれて・・・・・・・・


























そして気が付いたら・・・・見知らぬこの場所にいたんだ。







補習授業。

それは地獄の時間なり。

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