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今回は短めです
「さて小僧、今度はきっちりと送り届けてくれるんだろうな?」
「ええ、任せて下さい」
現在再び船。
時刻は夕方を過ぎて少し暗くなったぐらい。僕はハンターを乗せて、凪の島へと向けて船を動かしていた。
「早くせんとなぁ、今日は小僧の誕生日とやらなのだろう」
すっかり忘れていたが、そうだ・・・今日は僕の誕生日なのだった。
16歳、この国では成人として認められる年齢。
僕は魔力を込めて風を作り、船を少し早めの速度で走らせている。帰ったら母さんの豪華手料理だ。
今日母さんとちび達だけ家で昼食だったのは、夜の打ち合わせの為だったらしい。
しかもである、実はあの後村長からサメ退治の報酬&誕生日プレゼントということで、なんとセンニンナシを大量に頂いたのだ。
今日は、今まで食べられなかった分たくさん食べてやる。
「あの、そういえばこの氷の剣は・・・」
腰に差している氷で作られた剣。
俺がサメに止めを刺した、そしてこのハンターが自身の魔力を使い作り出したもの。
いまだに溶けてもおらず消滅もせずに残っているこの剣を見ると、否応なしでもこのハンターがそれなりの力を持っていることがわかる。
「カルカロクレスの退治は私に課せられた依頼ではあったが、そのうちの一匹を、たとえ偶然だとしても倒したのはお前だ。つまり私はサメを倒したことに対する報酬を、お前に渡す義務が発生する。つまりは・・・・・・・・ハァそれはくれてやる、ということだ。だが勘違いするなよ?磯臭い薄汚い小僧の触れたものなんぞ要らん、ということでもあるからな」
「あ、はい、さいですか」
前言撤回やっぱりこの人嫌いだ。
「・・・今日は誕生日なのだろう。だから手向けとして貴様に贈ってやる」
最後にそうハンターは呟くと、プイっとそっぽを向いた。
なんだこの人ツンデレか、いやクーデレか。
素直じゃない人なんだなぁ、なんかすっごく生きにくそうだ、そう考えて更にスピードアップをしようとした時だった。
巨大な爆発音が辺り一面に鳴り響いたのは。
次回、少しシリアスな展開になります。
死んだ人は甦らないし、死んだという事実は変えることは出来ません。
ここまでお読み頂き有り難うございました。
ぐだぐだと続いた第二話はこれで完結です
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