ラフィオスの森
わかった。わかってしまったのだ。
リネアの言いたいこと。リネアの伝えたかった事。
リネアはいつだって言ってくれてたのだ。ヒントを与え気づくよう促していたのに。
あの時ユヅキは訳もわからず答えたのだ。
──『まぁ急に考えを変えろなんて無理だもんねぇ』
今まで常識だったものを否定するのは難しい。ユヅキは何も考えずそう答えた。
その時のリネアは少し悲しそうに笑って『そうなんだよ』と答えた。
違う。違う。
伝えたかったのは思想の部分ではない。パズルの部分だ。
リネアはピースの凹凸を、人の長所と短所だと言った。
人間はいつだって、誰だって出来る事とできない事が存在する。一人で一枚の絵を完成させる事はできない。完璧なんてない。魔獣以下の人間ならば尚更だ。
リネアも人間。ユヅキも人間。欠点を補い合い、存続し合う存在。の、筈だった。
なのにいつしかユヅキの中でリネアは完璧だった。
武術も出来て、頭の回転も速く、誰からも愛される。そんな“完璧”の少女だった。それを、押し付けていた。
リネアだって人間なのだ。それなのにまるでリネアは人間ではないだとでも言うように、ユヅキは見ていた。
遠回しに言っていたのだ。『自分は完璧じゃない』と。
──あぁ、クソ…っ!
足早に大通りを駆け抜ける。人を掻き分け、収まらない気持ちを吐き出すように。
いつだってリネアは対等がいいと言っていたのに。それが望みだとわかっていたのに。
対等にしなかったのは自分で、一人の少女の願いすら叶えられない愚かなのも自分だ。
椎名とも重ねていた挙句、対等にすらしてやらなかった愚かさに強い憎しみを感じた。自分に対する憎しみを、強く心に刻んだ。
自然と溢れ出す涙に嫌気がさす。乱暴に拭った涙を認知するのは誰もいない。誰もユヅキを見ていないのだ。当たり前だろう。
なんの価値にもならない涙。
なんの意味にもならない悲しみ。
後悔の念が織り交ぜられ、ユヅキの思考はばらばらに弾けて消えた。
そこに、
「うぁあっとぉ!ちょいちょいちょいちょいそこの人!危ないじゃんかあ!」
曲がり角から急に飛び出してきた一人の少女。少女は足早に歩くユヅキに気がつくと体を捩ってぶつかる事を避けた。
声は高すぎず、低すぎず、されど女性的な音で。歌でも歌えばソプラノからテノールまで歌えてしまいそうだった。
ゆるふわの力強い緑色の髪は肩下まで伸ばされており、前髪の左をピンで留めている。ぱっちりと引かれた瞳も髪と同じ色をしていた。身長は150㎝後半だろうか。小柄なくせに胸は大きい。
透き通るように白い肌は彫りの深い顔立ちによく似合い、ヨーロッパ辺りに居そうな少女だった。
白いカットシャツには黒の縦線が入っており、黒の半ズボンと腰に白いパーカーを結んでいた。
「おいおーい?聞いてますぅ?男か女か大人か子供かわからないそこの人ー」
目の前で手を振りどことなく挑発する言い方にユヅキの涙は自然と引き、そして訳も分からぬ苛立ちを覚えた。
「…すみません」
「わぁお!!女の子だったのね!随分と汚いボロ切れ羽織ってるから男の子だと思ったわ!」
苛立ちを押し込めてこの場を早急に立ち去ろうとするユヅキだが、その少女に笑いながら行く道を阻まれ通るに通れなかった。
声だけで女だとわかった事にほんの少し驚く。ユヅキの声は女性らしさなど一つもないアルトであった。
自己嫌悪に浸って気分が落ちていたユヅキの前にハイテンションを置く神はどうかしてると、神に怒りをぶつける始末。
ユヅキの苛立ちを理解しているのか否か、少女はユヅキを観察するように上から下までを舐め回すように見る。そして、
「…なんだろう、服装以前に雰囲気がクズの塊みたいなんだけど…なんかあった?」
「余計なお世話じゃボゲ」
あまりの評価に即座にツッコミを入れてしまう。
人見知りはどこへやら、ユヅキは初対面の相手に警戒心と嫌悪感と敵対心を大いにぶちまけていた。
所謂“生理的に無理”というやつである。
「せめてこれが誰もが振り向く超絶美少女のオンパレードだったら私も力を貸すんけど…うん!君からは美少女の香りがしないね!」
「初対面の相手に随分な言いようだなぁ、どチビが」
「はっはっは!残念無念、私のチビは大いなる加点なのだよ」
「ちびっこ属性は心身ともに清らかじゃないと意味がないんだよ」
「ふっ…この世には童顔巨乳を好む男性だってわんさかいるのさ…」
「はぁ…頼むから地平線に沈んでくれ…」
何を言っても笑顔でポジティブに返してくる少女に本格的にこいつ無理だと思うユヅキであった。
この世界に英語はない。
脳を弄り、やっと理解できるどこかの言葉しか存在せず、カタカナだって存在しない。
この世界に存在しない言葉はそのままの音で発せられ、それに似た何かに変換されることはなく、日常のように使っていた英語が伝わらないと、初めの頃はかなり苦戦を強いられた。
つまり“オレンジ色”を伝えたいのなら“橙色”と言わなければ伝わらず、稀に日本語なのに伝わらない言葉もある。車とか、警察とか。
しかし機械の国 サネスチヲという国は至って例外なのである。
その国は現在もなお半鎖国状態で、その国だけの文化や言語を編みだそうとしている。
そのため、英語“もどき”の言葉を使う事があるが、それはあくまで“もどき”であるため、全く通じない言葉もあるのは覚えておくべき事柄だ。
少女の対応に苛立ちを通り越して呆れに差し掛かった頃、「失礼」という第三者の声とともに少女は奇声を発しながら横に蹴り飛ばされた。
盛大な音を立てて小さなレストランの壁に凹みを作るほど飛ばされた少女は親指を立てて「な、ナイス強気…」という言葉を残してバタリと倒れた。
「うわぁ…」
思わず悲惨な光景に声を漏らすユヅキ。
決して少女を心配したのではなく店を心配してのことだ。
ユヅキは騒めく店前から少女を蹴り飛ばした人物に視線を動かした。
動かして、損した。
──あ、これ関わっちゃいけないやつだ。
奇抜、と一言で済むならそうしてしまいたい。
だが、良いのか悪いのか、それを着こなす人物は酷く美人であったのだ。
スラリとした両手両足と高い身長。小紫色の艶やかな髪とほんの少し吊り上がった瞳。ふっくらと静かに色づく唇は美しさを醸し出している。適度に膨らむ乳房は女性が見ても見惚れるほどだ。
色気のある大人の女性というよりキレイなお姉さんの方が近い。
そう、容姿だけはの話だ。
彼女のファッションセンスは酷く奇抜なものだった。
フリルのついたシャツと膝上までのスカートは色取り取りの配色で。首輪のようなチョーカーとカチューシャのようにつけられたリボン。指には青いマニキュアがついている。
迷子になった時の目印には持ってこいなのだが、隣で歩きたくはないとユヅキは心強く思った。
「──あの」
「へっ!あ、はい…」
先ほどとは打って変わって敬語になるユヅキ。ジロジロ見すぎただろうかと少し反省する。
しかし、女性は落ち着いた雰囲気で右手を胸に当て腰を折り曲げた。艶やかな髪がふわりと揺れる。
「我が主人の無礼をお許しください。頭が酷くアレなものでして」
奇抜なファッションに反して丁重な物言いで自分の主人に暴言を吐く女性。
あまりの丁寧さに言葉の意味を咀嚼する前に「い、いえ…こちらこそ」と頭を下げた。
「…?貴方が謝る必要はありませんが」
「あの…前見てなかったなぁ、と思いまして…」
至極無表情な女性は小さく首をかしげる。
ユヅキは前を見て居なかった訳ではないが不注意だったのを認めた。
現に自分のこと、リネアのことでいっぱいいっぱいになって居たのは事実である。
しかし女性は静かに首を横に振ると、ため息まじりに呟いた。
「いえ。主人の存在自体が有害なので」
「…主人嫌いなですか?」
「好きになるには程遠い存在ではあります」
「た、大変ですね…」
「できる事なら今すぐドブに突っ込んでやりたい思う程度には」
淡々と、当たり前のように答える女性。
さすがの言われように主人と呼ばれた少女に不憫に感じるが、主人というからには四六時中一緒なのだろう。そう考えるとストレスしかない。
ユヅキはそのまま立ち去ろうと一つ頭を下げた。が、女性はまだ話があるかとでもいうように立ちふさがる。
「…あの」
「ここで会いましたのも何かのご縁。少しだけご忠告を」
無表情でありながら声色を真剣なものへと変えた女性。
ユヅキにもそれが伝わり、立ち止まって耳を傾けた。
「ご察しと思いますが、我らはサネスチヲ出身の低層な身分でございます。各地を周りながら物資や魔法道具を売り捌くのを生業としておりますので、旅人達からの情報があれやこれやと舞い降りてきます」
どこか芝居じみた口調で話を進めていく。
その妙な話し方にユヅキはフード奥で眉をひそめた。
女性は構わず言葉を続ける。
「そこで一つ、奇妙な噂を耳にしまして。どうやら我が出身のサネスチヲから封印されし忌子が逃げ出したらしいのです」
「…それが危険だから、と言うことですか…」
「はい。見た所旅人をなさっているようでしたので。体内魔力を奪い取り体外魔力を枯らし尽くす、存在するだけで災を撒き散らす化け物だとか。既に手配書も出回っているらしいです」
「ほら」と言って女性が指を指した方向には手配書と思われる赤い紙が掲示板らしき板に貼られていた。
横に並ぶ手配書は白い紙であるのに、一枚だけ赤だというのはかなり目立つ。
それだけ警告しているということなのだろう。文字を完全に習得していないユヅキには読めぬ事だが。
体内魔力というのは他者から簡単に奪われる事はない。人間の内臓が腹を切り裂かなければ取り出す事はできないのと同じ事だ。
手順を踏めばなんら問題なく体内魔力に干渉する事はできるが、それは相手が了承しなければ無礼な行動に当たる。
感覚で言えば自分の秘密を他人が勝手に流出するのと似ている。年頃の女の子の裸を同年代の異性に見られてしまう、と言ったところか。恥じるべき事柄であり嫌悪すべき行動である。
つまりその化け物は存在するだけで嫌悪され迫害されるべき存在であるというのだ。
「対処の仕方も戦力も、何一つわかっていない状況ですが。どうか細心の注意を」
「…そうですか。早く捕まるといいですね」
「はい。そうなってくれればこの世の悪行の大半は無くなるでしょうし」
そう言う女性の言葉はユヅキにとって妄言でしかなく、訪ねるように首をかしげる。
女性は驚いたように少しだけ目を見開くが、無表情を取り戻すと淡々と答え出した。
「サネスチヲ発祥の有名な言い伝えがありまして。ラフィオスの森…ご存知ありませんか?」
知っている単語に多いに反応する。
ラフィオスとはセツが教えてくれた元の世界へ帰るため、行かなくてはならない場所だ。
詳しく知りたい想いで身を乗り出そうとする。
が、
「って言ってもラフィオスの森は伝説上の話でしょー?いつまで経っても伝説を信じてるなんて、ギシアンちゃんはまだま」
「おはようございます主人。目覚めの一発は必要ですか?」
「あは!それは何の一発かなー?お目覚めのキスなら大歓迎」
吹き飛ばされた少女がギシアンと呼ばれる女性の後ろからひょっこり顔を出す。
ハートが飛び出しそうに笑う少女と無表情のギシアンは対照的だ。
ユヅキは気がそがれたとでも言わんばかりに肩を落とす。それに気づいた少女は「ガビーン」と口で言っていた。
しかし主人と呼ばれた少女はギシアンの隣に立つと、胸を張って口を開いた。
「でもまぁ無知で無気力な君のために有名過ぎるお話を聞かせてあげよう!ギシアンが」
「では話させていただきます」
少女に構っているのも面倒なのか、特に突っ込むことなくギシアンは話を進めた。
「ラフィオスの森というのはこの世を作った災悪の魔女の物語の名前です。災厄の女とも呼ばれますが。
その女はまだ魔術というものが存在しなかった頃、魔獣が陰を使えぬただの凶暴な動物だった頃、女は多くの魔術を使いこなしました。それは今現在で言う陰の事です。女は人間ながらに陰使える魔女だったのです」
再び芝居染みた話し方で物語を紡ぐギシアンに、さすがの主人も口を閉じ、口出しすることはない。うんうん、と頷き静かに物語を聞いていた。
ユヅキもまた、ギシアンの主人と同じように物語を聞き入っていた。
ギシアンの言葉は静かに紡がれる。
「魔女は一部から迫害され、一部からは崇められていました。そこで魔女は言いました。『魔獣と人間の住む世界を変えてしまおう』と。事実魔獣に想い人を殺された者は多く、賛同する人間は数多かった。圧倒的戦力の差を見せつけられては復讐心なんて湧かなかったのです」
ユヅキは童話に当たるこの物語に共感をもってしまう。
圧倒的戦力の差。まるでセツナと自分の事を言われているようで、恨みや憎しみはあるのに復讐をしてやろうとは思えない。それは恨みや憎しみの他に恐怖を植え付けられているからだ。
あの真紅の瞳と目が合った瞬間。あの口角が邪悪に歪んだ瞬間。あの声で高笑いを奏でた瞬間。
恐怖は毒となり茨となり鎖となり、その場から動くことすらできやしない。
どんなに激情を持とうとも、どんなに執念が強くとも超えることのできない壁。
それが世の理であり、それが世界の“絶対”であった。
「逃げることを決意し、下見として五百人の人間を従え儀式を行った魔女は、しかし最後の最後で人間を裏切りました」
ギシアンは一旦言葉を区切ると、静かに声を発した。
「魔女は自身の体と五百人の命と引き換えに呪いをこの地に残したのです。魔獣には“陰”を与え、血は川となり、肉は陸となり、毛は体外魔力を発する木々となり、魔獣の有利になる世界として作り変えたのです。常世全ての災厄は全て魔女の呪いであるといいます」
常世全ての災厄は魔女の呪い。ならば今ユヅキの境遇も魔女の呪いというものなのか。
異世界に飛ばされた事も、リネアとの出会いと別れも、セツナとの無理やり結ばれた関係も。
その全てが魔女の呪いであるのなら、ユヅキはその魔女を嫌悪し罵倒し恨むだろう。
けれど、そんな馬鹿げた話を信じるほどユヅキは純粋でもなんでもない。これがルアの年頃で、年がら年中言われ続けたのなら信じてしまうかもしれないが、ユヅキにはその純粋さはもう既に欠けていた。
けれども、魔獣に襲われたという理不尽を誰かの所為にできるのなら、それは必要な物語なのだろう。
行き場のない怒りを胸に抱くのは言葉に表せないほど息苦しく悲しみに溢れている。だからそこに魔女を置くのだ。
魔女がいたから魔獣に食われた。魔女がいたから想い人は死んだ。魔女がいたからこんな悲しみがずっと続くのだ、と。
誰かの所為にし続けて、誰かに理不尽を押し付けて、その誰かを怒りの捌け口にして。
その“誰か”が“魔女”だった。
長年の言い伝えは多少の着色くらい存在してもおかしくはない。呪いの一つや二つ、増えたところで誰も気がつかないだろう。
ユヅキは少々呆れながらその話を聞いていた。
「そして、残された魔女の頭は現在のサネスチヲの地下に封印されている、という事です。長くなってしまいましたが、ご静聴感謝します」
「そうそう!そんで忌子はその頭から生まれた化身とか言われてるんだよね〜そりゃ嫌われるわな!」
丁重にお辞儀するギシアンに対して盛大に笑う少女。そんな少女の姿にギシアンは慣れている様子で無視する。
ギシアンは顔を上げると口を開いた。
「それではワタシはこれで失礼します。コレをどうにかしなければならないので」
「ちょっと待ってー?コレって今私の事見たよねー?店のことじゃなく私見たよねー?あれー??」
二流の漫才でも見ているような気分になりながらも「じゃあ…」と切り上げるユヅキ。もうこの二人から逃げたいのだ。
二人の横を通り過ぎ、再び目的のない歩行を開始した。
しかし、
「あぁ、伝え忘れておりましたが」
聞こえるか聞こえないかの声で機械的に呟くギシアン。しっかりと聞き届いた声にユヅキは面倒そうに振り向いた。
が、振り向かなければよかったと思ってももう遅い。無視すればよかったと思っても後の祭り。
ユヅキが振り向いた瞬間、ギシアンは変わらずの無表情で口を開き言葉を紡いだ──
──「その者は災厄の魔女と同じ黒髪黒目の人間の形をしているらしいです」
「っ──」
ガツンと。
重たい鈍器で殴られたような衝撃を頭にくらう。
脳が揺れ、立っているのがやっとのようだ。止まっていた鼓動がゆっくりと、しかし焦るように動き出す。
だというのに急速に頭から血の気が引き、凍える体から汗が浮かび上がる。背中の筋をなぞるようにツゥ…と通る冷や汗がユヅキの寒気を引き立てた。
黒髪黒目。
それは珍し過ぎる、否、この世界ではあり得ない色合いであり、否、魔術の適合性の最悪を表す事柄であり、否。必要なのはそこではない。今言っているのはそんなものではない。
忌子。
魔女。
災厄。
嫌われ者。
ユヅキには程遠い言葉であったはずが、まるで近くにいるかのように、酷く、重く、のしかかる。
ユヅキは忌子でもなんでもない。そのはずだ。
セツに助けられて謎の施設からは抜け出したが、魔女の化身でも体内魔力を奪い取る化け物でもなんでもない。そんな能力一つもない。
それなのに、ユヅキの容姿は、ユヅキの境遇は忌子だと証明しているかのようだ。それを知った世間はユヅキを罵詈雑言を浴びせるだろう。
黒髪黒目だからという理由で嘆き罵り嫌悪し罵倒し、最後には戒めを与える。
それが“正しい”。この世界はそれを“正しさ”とする。
抗えない正しさ。逃れられない運命。決められた末路。
その場にいる全員が敵になったようだった。
「──そう…ですか」
「はい。ですので顔を隠す服装は控えた方がよろしいかと。疑われてしまいます」
なんとか絞り出した声に淡々と言葉を返してくる。
しかし、ギシアンの提案を素直に受け入れる事はできない。そうする事はユヅキの人生の終わりを意味するからだ。
ユヅキは凍え切った手先を無視して後ろを向くと、ギシアンは「お気をつけを」という見送りの言葉を向けた。
その言葉から逃げるように、ユヅキはほとんど駆け足でその場を後にする。
──二つの双眸が、値踏みをするように見ている事に気が付かずに。
まだ見ぬ未来を叩きつけられたようだった




