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プロローグ
奉れ、捧げろ
誰に?
精霊へ、世界へ、神へ――
何を?
歌を……
気が付くと、少年は神聖とも言える白亜の中、少女の前に立っていた。
金髪碧眼の、濁った目を持つと自負できる僕でも美少女と言えるその姿形は……。
「へー、とうとう僕の病み具合も、イって行き着くところまで来たかな?」
そんなデカい独り言に、『?』といった表情を美少女が浮かべるのも仕方がないだろう。初対面の少年……岩崎 奏太郎がこんなことを喚き出せば、疑問だって浮かぶというものだ。
ただ、それを頭の中では分かっていても、彼はこう言わざる負えない。
「妄想が具現化して現れるなんて、そう考えるしかないって思わないか?」
などと言う、形振り構わない問いかけは結果として、
「……はあ、最低」
こんな風に、どうしようもなく最悪な出会いを作ってしまった。