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長政?はつらいよっ!! 静かなる逆襲!!  作者: 山田ひさまさ
~ 浅井はやっぱりハードだねっ!! ~
23/23

『正信の離反!』

なぜか、皆様の人気が高い正信。


ようやく登場です!

 本多正信は、三河の一向一揆から離脱し、大和の松永久秀に仕えていた。

とても優秀な人材であった。

彼は久秀の信用を勝ち得て、次第に重用されていった。


しかし、久秀の息子の久通とはそりが合わず、現在は家中で孤立しがちであった。


「所詮は余所者か……」そう自嘲せざるをえなかった。


 正信の真価を見抜ける者は、大和には久秀以外にいなかったのである。

いや、うすうす価値が判っていたからこそ、将来のライバルとして敬遠されたのであろうか?

どちらにしても新当主になった久通には、諫言や意見が通らないであろうと感じるこの頃であった。




 自分の居場所を見つけられない正信は、久秀の帰りを待ちわびていた。

主君久秀からは、三好三人衆の動きを警戒するようにことづかっている。


三好方が、将軍足利義輝公と松永久秀の接近を警戒しているのは明白である。

三好長慶亡き後、松永久秀は義継を支えつつも三好三人衆らとは距離を取り、将軍家と浅井家に接近しているのだった。


 なにか思うことがお有りなのか、浅井賢政に入れ込む久秀である。

その様は、かつて信長に入れ込んだ斎藤道三を想いおこさせる物がある。


「いや、道三は結局、夢半ばで倒れたではないか…、不吉な…」

首を振り、物思いから現実へと頭を切り換える。


「今頃は、将軍御所にて歌合わせでも楽しんでおられるのであろう?」

つとめて気持ちを入れ替えようとしたものの、どこか胸の片隅がモヤモヤとする正信であった。



― 夕方 ―


 放っておいた忍びから、三好の動きが伝わってきた。

どうやら兵を動かしているらしい、正信は追加情報をじりじりと待つしかなかった。


《情報が不正確では、久通に言上することすら、今の彼にはままならなかったのである。》



― 夜 ―


 三好の行動が、だんだんと明らかとなってくる。

かなりの兵を『京の町』へ送り込むようだ。

狙いがここ大和ではないのが幸いであるが、念のために久秀宛に早馬を走らせておいた。


「なにかイヤな予感がする」

胸騒ぎを覚え、眠れぬ夜を過ごすのであった。



― 朝 ―


久秀からの書状が届いた。


『状況を見守り、念のために城の守りを固めるように』との内容であった。


早速、久通にも伝えるのだが、なぜか彼の反応は鈍かった。



― 昼過ぎ ―


 三好の手勢は、清水詣でをするらしい、洛外に陣取るようだとの報告が入る。

そして、間を置かずして将軍の二条御所が襲撃される旨の急報が届いた。


信貴山城は、にわかに騒然とした。


さらに驚くべき情報は、『久秀が御所に籠城している』と云うことであった。


もたらされた書状には、久通に対して『松永家当主として行動するよう』求めたもの。


その他

『内藤家と連絡を密にすること』

『三好義継公を支えること』

『興福寺についての仕置き』


と、遺言とも取れるものであった。



次々と続報が届けられるが、将軍および久秀の安否は絶望的であった。



「殿……」


本多正信は、主を失い呆然としてしまった。

彼に与えられた使命は、『興福寺にいる将軍足利義輝の弟の身柄の確保』であった。


 もちろん、正信には久秀のいわんとすることが判ってはいたが、仕える主なくして彼の『非常の才』は

活かされそうになかった。


(三好方はすでに堺公方を押さえているであろう、将軍の弟とを担いだとしてどうなる物でもあるまい。)

「先が読めてしまうというのも考え物だな……」

ひとり自嘲するのであった。


 正信は、戦火から逃がれずに籠城に加わった久秀に幻滅していた。


  新当主.久通の態度は冷たく、正信に与えられた兵も心許なかった……。

迷いを持ったまま、故人の遺志を守る為に事務的に興福寺一乗院の覚慶を守るのであった。



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



 新たな将軍になれる覚慶達に、利用価値を見出した者が他にもいた。


野に生き残った将軍の配下の奉公衆・奉行衆である。

仰ぐべき主を御護りしようと、それぞれが打算を胸に隠し忠義面して画策をはじめていた。



 昨日まで将軍の側近として力を振るっていた奉公衆・奉行衆の多くが殺戮にあったのだ……。

それまで幕府の中枢部にいた人々は、三好の息のかかった者を除いて一掃されたと言っていい。


すなわち、労せずしてライバルが減ったということである。


三好になびくのか、状況を静観するのか。

それとも、自分たちで新たな将軍を立てるのか、選択肢を提示された形だ。


「将軍になる前に危機を救ったとあれば、うまくすれば栄達は思いのままである」

野に燻っていた者達が、密かに蠢き始めていた。




《 義輝と覚慶の弟、相国寺塔頭鹿苑院の周暠は、小姓の働きもあって危ういところを救われたらしい。

どうやら野心を持つ奉行衆の手によって、毛利を頼って西へと落ち延びたようだ。 》




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 興福寺 ―



 三好の魔の手が迫っている以上、うかうかとはしていられない。早急に対策が必要である。

しかし、正信は何処にも伝手を持っておらず、途方に暮れていた。


なんとか、幕臣、奉公衆に繋ぎをとろうと思うものの、三好を警戒せねばならずなかなかうまく行かないのである。

その心中は、穏やかではなかった。


「いっそ三河へ…、いや駄目だ三河は今、地獄のような惨状だ。 とても無理だ」

悩みは尽きなかった。


懊悩する日々が続いていた。


 そんな折、天の配剤とも云うべき人物が正信の元へと訪ねて来た。

土岐家の流れを汲む、名族の末の人物だという。



 将軍の奉公衆には、美濃の者が大勢いる。

3代将軍 足利義満公の治世下に起こった 『土岐康行の乱』 以降、多くの美濃侍が『将軍の奉公衆』となったという背景があるのだ。


「私は諸国を巡り多くの知遇を得ております、たとえば越前の朝倉家とか……」




 普段であれば甘い話に乗ることなど、ありえない正信である。が、


「覚慶どのを将軍にいただくことができれば、私もお家の再興が叶います」


その言葉が、正信の心の琴線に触れたのである。


「お家の再興か……」

眠りについていた、正信の野心に火を付けたのであった。

その言葉に、すがるより他の手立てはなかった。



 数日後、本多正信は頼れる味方を得て、大和から姿を消した。


松永家の者達は、正信がいなくなった事をあまり気に留めなかった。


「所詮、奴は亡き父上の飼い犬であった……」

報告を受けた久通が、そうつぶやいた。


周りの者達も、「さもあらん」と、思っていた。



《そして、覚慶もいずこかへ消えてしまっていることが、後日判明するのであった。》



残念ながら、本多正信の出奔は、『久秀の無事の知らせ』と入れ違いになってしまったのである。




頑張っているのは、浅井家だけではありません!

その他の勢力が暗躍しております。


もちろん、作者だって……。


― 悪い点 ー

>本田正信ではなく、

 本多正信じゃないですかね


ひさまさ:

【おおっ、何となく感じていた違和感はこれだったのか?


 『修正してやる~w』 ありがとうございます、直しておきます。


それとも本多一族から離脱して改姓したとかいう、ウソ設定を入れましょうか?

もちろん、子孫はバイクに載せます!(愛馬に跨がると強くなるホンダ正信)】


……と、読者の方々と地道に校正作業を続け、妄想を膨らませながら、いろいろな苦難を乗り越え頑張っております。


みなさま お暇なら、ぜひ感想をお読み下さい!

以外に、面白いですよ~。


                     ひさまさでした

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