酒場にて。
酒場にて
パリス・バーサ・コレット…赤い髪の王女。神の血を引くため怪力で、直線戦闘の中心。豪快な性格。168cm、BWH91-61-88、
フェイ・ノエル・ジェークス…青い髪の魔法使い。ロングヘア。やや皮肉屋だが、パリスのことを案じている。159cm、BWH80-55-82
チャーラ・アイネズ・セラント…グリーンの髪と瞳を持つ絶世の美女。大地の神を信奉する神官。奥ゆかしく口数は少ない。155cm、BWH73-54-77。
アシュリング・シャンタル・ウィンストン…黒い髪と瞳を持つ戦士。パリスほどではないはが怪力でビキニアーマーをまとい斧をふるう。寡黙で実直な性格。172cm、BWH102-66-92
ゲルダ・モーエン…ブラウンの髪と瞳を持つシーフ。罠明けやトラップの設置、アイテムの管理などを担当する。おふざけ気味で明るい性格。身長160、BWH79-56-83、
薄暗い酒場の灯りは、夜気とともに重く沈み込み、木の机に落ちる影を歪ませていた。
明日の決戦――「神」を名乗る存在との最終決戦を控え、店内のざわめきがいつもより遠くに聞こえるのは、五人の胸の奥で同じ鼓動が鳴っているからだ。
パリス・バーサ・コレットは、赤髪を揺らしながら巨杯のエールをあおり、机に叩きつけるように置いた。
「……これで最後の晩てわけだ! 飲まなきゃやってられないだろ?」
豪快に笑うが、その笑いはどこか張りついている。
168cmの鍛え抜かれた体躯、その怪力を誇る腕は、今は不思議と力が入っていない。
フェイ・ノエル・ジェークスは青い髪を小さく揺らし、ため息を漏らす。
「……はいはい、飲めば気持ちが軽くなるって思い込むのは、あなたの悪い癖よ」
口調こそ皮肉混じりだが、視線はパリスのわずかな震えを見逃していない。
細い指でグラスをなぞりながら、呟く。
「……怖いのは、私も同じなんだから」
チャーラ・アイネズ・セラントは、静かに両手を組んで祈るようにして座っていた。
翡翠色の髪と瞳が、卓上の蝋燭に照らされてほのかに揺らめく。
「人の身で……神に刃向かう。常ならざることです。ですが……」
言葉を選ぶように、そっと続けた。
「あなた方と共に歩んだ道は、私の信じる大地の神が示したもの……そう思えてなりません」
アシュリング・シャンタル・ウィンストンは黒髪を背に流し、背もたれに寄らず背筋を伸ばして座る。
「……勝つさ」
172cmの逞しい身体を鎧うビキニアーマーは、今日だけは妙に重く見えた。
力強い声だけが、揺れを許さぬように場を支える。
「お前たちがいる限り、私の斧は折れない」
その言葉に、一瞬だけ空気が温くなったところへ――
軽やかな笑い声が飛び込んできた。
「ちょっと、そんな深刻な顔ばっかりしてどうするのよ?」
ゲルダ・モーエンが茶色の髪を揺らし、片手でつまみを持ちながら席へ滑り込む。
「明日死ぬかもしれないからって、今から沈んでたらもったいないじゃない。ね?」
冗談めかしてはいるが、その瞳の奥だけは笑っていなかった。
パリスが腕を組んで首を鳴らす。
「ったく、ゲルダは相変わらずだな……でも、助かるよ。そういうの」
ゲルダは肩をすくめて笑った。
「はいはい、私はいつも通り。
罠もアイテムも、準備は全部終わってる。
明日、神様相手に何が効くのかは知らないけど……
“効かせてみせる”のがシーフの仕事でしょ?」
フェイが少しだけ微笑んだ。
「あなたの妙な自信、嫌いじゃないわ」
チャーラが静かに頷く。
「……あなたの陽気さは、私たちの光でもあります。どうか……明日も、そのままで」
ゲルダは照れたように鼻をこする。
「うわ、チャーラにそんな真面目に褒められると逆に怖いんだけど」
場にわずかな笑いが生まれ――その笑いがまた、沈黙にうずもれていく。
フェイがグラスを持ちあげ、静かな声で言った。
「……ねえ、パリス」
「ん?」
「あなたがこの戦いを選んだのは、“神の血を引くから”じゃないでしょ?」
一瞬、パリスの赤い瞳が揺れた。
「……そんなの、決まってるだろ。私がやんなきゃ……誰がやるんだよ」
フェイは首を横に振る。
「違うわ。あなたは皆を救うために戦う。血筋じゃなくて、あなた自身の意志で」
そして、そっと笑った。
「だから怖いのよ。……あなたを失うのが」
パリスは、返す言葉を探すように口を閉ざした。
ゲルダはその気配を察して、あえて軽い声で割って入った。
「ねえねえ、シリアスすぎ。
ほらアシュリングも何か言ってよ。隊長らしいこと」
アシュリングは少しだけ目を閉じ――
そして、短く言った。
「……皆、生きて帰る。それだけだ」
それだけの言葉なのに、机に置かれた五人の手が、自然と寄り合うように近づいた。
チャーラがそっとその上に手を重ね、祈るように言った。
「大地が……私たちを明日へ導きますように。
どうか……皆で、朝日を見られますように」
酒場の喧騒が、小さく遠のいていく。
五人だけの静けさが、そこにあった。
パリスが深く息を吸い込み――
「……行こう。明日、神を倒して……全部終わらせる」
フェイが頷き、アシュリングが立ちあがる。
ゲルダは満面の笑みを作り、チャーラは胸に手をあてる。
五人の視線が、ひとつに揃う。
それは恐怖でも絶望でもない。
明日に挑む者たちの、強く静かな覚悟の光だった。
神は死ぬ?




