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SS35 サテンドールたち

先日、某市までツーリングしました。

ガタタンうまかったです。さて、どこでしょう?

 開きなおったカリナと夕子。2人と俺は、毎日昼食を共にした。周囲の冷めた目線をものともせず、俺たちは中庭で3人並んで座る。

 昼食後クラスに帰ると、ひそひそと話す女子達。男子の好奇の目。

「おつかれさん。今日はどうだった?」

カズは毎日、そう言うだけで、それ以上は何も言わない。



「こういち、今日もいるぞ」

もうすぐ部活が終ろうとしている時間、智に知らされる。

「うん・・・わかった・・・・」

これは、夕子が道場の裏で待っているお知らせだ。

3人で食べてるようになって、ずっとこの調子だ。

弓道部の女子がこちらをチラチラ見ながら、話している。

「ゆうこせんぱーい・・・・」

カリナの声が裏から聞こえる。何事かを、話している。思わず聞き耳を立てたくなるが・・・。

やめとこう。聞けば、俺の精神が崩壊しかねない。

「こういち・・・・・・カリナと昼食べるようにしたのは悪かった・・・・でもな、これは・・・だめだろう?おまえ・・・」

智は心配してくれているのだろう。そりゃそうだ・・・・。毎日、部外者、しかも女子が迎えに来てるんだ。

「加古川くん、ちょっといい?」

部活終わりに女子部の部長荒沢先輩に呼ばれた。

道場の隅に促される。

「加古川くん・・・その・・・・いや・・いいんだけど・・・・毎日道場で待ち合わせは・・・ちょっと・・・」

「待ち合わせ・・・してません・・・」

鳩が豆鉄砲食らったような顔を荒沢先輩はした。

「じゃあ・・・なんで毎日来るの?」

「わかりません・・・」

「はぁ~・・・・いずれにせよ、別な場所で待ち合わせてもらえる?練習にならないの。わかるでしょ?」

夕子が来るようになって、女子部のはその話題で持ちきりになった。それだけではなく、1年生は当然カリナに、2年生は夕子に肩入れするようになった。いや,表だって対立するようなことはないが、言葉の端々や暗にそうわかる言動が時折見られるのだ。そのため、少々ギスギスした空気が流れるときが・・・・・。ちなみに男子部は全く中立、というか我関せずというスタンスを貫いている。

「わかりました・・・・・・でも・・・・・聞き入れてもらえるかどうか・・・・。」

「はい?加古川くんの問題でしょう?あなたが決めればいいでしょ?」

「いや、それが・・・・」

「部長、加古川先輩には無理です。部長が、話した方がいいともいます。」

気が付くと、恵子が傍らに立っていた。

「え、けいちゃん、でも、それは・・・・」

「いいんです・・・・加古川先輩には、そんなことすら・・・・・できないんです!」

道場に恵子の声が響く。

みな一斉に俺たちを注視した。

「あ、ご、ごめんなさい・・・・・・でも・・・加古川先輩には期待できません。そうですよね?先輩・・・・。」

その言葉を捨て台詞にして、恵子は立ち去って行った。

その先には・・・・・・智が待っていた。

「加古川くん・・・・・早く何とかしてくれるかな・・・じゃないと、あなたを嫌いになりそうよ・・・。」

「すいません・・・・。」

うなだれて、道場の床板を見つめる。

「いっちせんぱーい」

「こういちくーん」

道場の出入り口から二人の呼ぶ声。

二人の眩しい笑顔と対照的に周囲の視線は冷たい。

道場から駐輪場までは結構離れているため、3人で歩く。俺の後ろに陣取る二人は今時の女子高生らしい会話を楽しんでいる。そんなに楽しいなら、二人で帰ってくれないかな。

「ウ、グッ!」

襟首を後ろから引っ張られた。

「ゲッ、ごほ、ごほ・・・何すんだよ・・・」と振り返る。

引っ張ったのは夕子だった。笑顔で俺の方を見ていたが、目は笑っている気がしなかった。

「え、だって・・・全然、話に入ってこないし・・・なんか、「どうにかして一人で帰れないかなぁ・・・」とか思ってそうで。」

あたり。

「あ、そーなんですね。悪い男だなぁ、イッチ先輩は。ダレのせいでこうなってるかわかってないみたいですね。」

腕組みしてしたり顔のカリナ。

「いや、でも、カリナその一応、お前とは・・・」

「遊ぶの断っただけですよね?一緒に帰ったり、お昼食べたりするのは、断られていませんよね?」

どや顔でカリナは言った。

「それはしょうがないわねぇ~。まったく困った男ねぇ。私たちが面倒見てあげないと・・・・」

くすっと笑う夕子。

「夕子・・・応援してくれるんじゃ・・・・」

「もちろん、応援はしているわ。あ~じゃあ、今から、あのショッピングモールへ行きましょうか、3人で・・・」

「っく・・・・」

それは絶対だめだ。絶対に・・・・。

「わかった・・・帰るよ。じゃあ、行こうか・・・」

二人はかなり意地悪そうな笑顔で頷いた。

下校中、3人で取り留めのない話をする。先生の話、カズやかずえの話、部活の話。なんだかんだ、3人で話すのは楽しくもある。

 だが、笑い声を上げながらも、無の片隅に引っかかるものがある。こうしてる間にも彼女は・・・。

3人の分かれ道が迫る。すると、

「ねえ、今日は、あの公園に寄り道しない?ね?じゃあ、コンビニでなんか買おう!」

とどちらかが切り出すのだ。

そうして、公園の東屋やベンチで買い食いしながらだべる。いや引き留められる。そう、18時を回るまで。

 そう、レナがショッピングモールからいなくなる時間まで。


「・・・・なあ、いつまで、これを続けるんだい・・・・もう、いいんじゃないか?」

今日も連れ込まれた公園の東屋で、対面する二人に思い切って切り出した。

「・・・・・・じゃあ、こういちさ・・・・・あんたの・・・本気を見せてよ・・・納得させてよ・・・」

「そーですよ。イッチ先輩・・・じゃないと・・・・ずっと・・・・」

本気?俺はまだレナに対して、いや、カリナにも、夕子にも本気で向き合ってないってのか?

いつの間にか日が隠れ、公園は紫色に染まり始めた。

黙り込む俺を2人は寂しそうな顔で見ていた。

月明りに照らされだしたカリナと夕子の顔は、恐ろしいほど美しかった。

道の駅はちょい高めで、食事はどーだろう・・・・。

で、この話の主人公は最高にゲスです。そう、無自覚に。

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