SS32 ヘタレ小僧の恋愛劇
ああ・・・ロングツーリングしてー。
たまにはとまりがけで・・・。
13番テーブルは少し大きめのテーブルを挟んでベンチシートが向かい合わせになっている。
俺はさっさと向かって右のベンチシートの奥に座る。カズはが俺の隣。真向いには、当たり前だが夕子。かずえはその隣。2対2の合コンのみたいだが、そんな楽しい雰囲気じゃない。
無言で座っていると・・・・。
「あ、こういち、バイク乗ってるんだ・・・・」
かずえが口火をきった。
「ああ・・・その・・・親の方針?って感じで・・・」
「は?お前が乗りたいんじゃないのかよ?」
「いや、ま、好きは好きだよ・・・でも、ま、どっちかっていうと・・・親爺の趣味の口実?いや言い訳?って感じだな。」
「なんかよく、わかんない・・・」
怪訝な顔のかずえ。
「あの・・・・」
と、ここまで無言だった夕子が口を開いた。
「その・・・・ごめんなさい・・・こういち」
突然の謝罪に、俺は首をかしげた。
「あ、その・・・校内じゃだまってるって、約束だったのに・・・レナさんのこと・・・・」
「え、ああ・・・いいよ・・・かえってよかったよ。」
そういや、そんな約束もしてたな。まあ、俺がくどくど話すより、よかっただろう。
「こういち、おれたちが、しつこく聞いたせいだ、夕子は悪くねーよ。」
「ああ、わかってる。気にしちゃいないよ」
再び無言・・・・。
4人共うつ向いたまま、話さない。
かずえはチラチラ俺を見る。
そうだよな・・・・・俺が呼び出したんだし・・・・。
よし、じゃぁ「ゆ、ゆうこ、あ、あの・・・・」
「ホットお待たせしました」
奥さんに出鼻をくじかれてしまった・・・・。
カップとソーサーをテーブルに奥さん。
じっと手元を見ていた。
「どうぞ、ごゆっくり」
姿勢よく立ってお辞儀する奥さん。だが、頭を上げる前に上目遣いに俺をにらんできた。そう睨んできたのだ。
そして振り返り立ち去る前に左手のお盆で隠した、右手の人差し指を左右に揺らした。
チッチッチ、と言うように。
どうやら、俺はいい男を演じられていないらしい。
このままはまずいと言うことか・・・・。
どこがまずい?俺は運ばれてきたホット珈琲をの真っ黒い水面を見つめる。
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わからん。
CBにまたがり、この店に着くまでは確かに俺は夕子とけりをつけようと決心していた。
だが、いざとなったら・・・。
よく考えたら、カリナにもはっきり言ってはいない。
遊びの誘いを断ったに過ぎない。はたから見れば・・・。
「ねえ・・・・こういち・・・はなしってなにかな?そろそろ・・・・」
そうだよね・・・・。
カズとかずえが俺の顔を、伺うように見ている。
「・・・カズ、かずえ・・・」
「なに?」
「なんだ?」
「俺と夕子の2人にしてくれないか・・・」
俺の申し出に、顔をあわせる二人。
しばし間があって、互いに頷きあう。
そうして、2人は無言で立ち上がった。
「じゃ、すんだら、教えてね。こういち」
かずの二乗は少し離れたテーブルへ、飲み物とともに去っていった。
「それじゃ・・・いいかな?夕子」
「うん、なあに?」
幕がようやくあがる。ヘタレな俺の恋愛劇が。
ええ、意図して引っ張てるわけじゃないです。
ええ、ただ、どうするか考えてるだけです。
うん。ヘタレなんで。




