SS27 今日もこうして弁当が食べれる
夏休みも終わりですね。
いいなあ・・・学生さんは夏休みがあって。
退屈な始業式が始まる。まだ8月。全校生徒が集まる体育館内は高い気温と湿度で、蒸し風呂のようだ。それでも校長はここぞとばかりに長話を始める。嫌われたいんだろうなぁ・・・・。
夏休み明けの初日、学校は午前で終了。しかし、一応部活がある。ゴソゴソと帰り支度をしていると、
「お、いたいた。こういちぃ!」
教室のドア越しに智がよんできた。
「ああ、ちょっと・・・待っててくれぇー」
Café Happy&Sadでカリナとレナがもめて以来、智ともカリナとも恵子とも会っていない。バイトがない日も、部活には顔を出さなかった。いや・・・出せなかった。
鞄を持って廊下に行く。智はいつものような・・・・いや、ちょっとぎこちない笑顔で迎えてくれた。2人で並んで廊下を歩く。智の顔をちらっと伺うと、ちょっとこわばった笑みを浮かべている。そうだよな・・・・そりゃ聞きたいよな、いろいろ・・・・。
いつものベンチ。2人でいつものように座る。鞄から弁当を取り出そうとしたときだった。
「イッチ先輩・・・・」
知らぬ間に後ろをとられていた・・・・。驚き振り返る。
「あ、カリナ・・・・・・」
「いっしょに食べていいですかぁ?」
控えめにぎこちなく笑顔を作るカリナ。
ちらりと智の顔を見るが、黙って弁当を食べ始めていた。うん。話せってことね・・・・。
「ああ、いいよ」
3人がけのベンチをつめて、俺の隣を空ける。
ピンク色のかわいらしい巾着袋を手にカリナは座った。
「先日は・・・申し訳ありませんでした・・・。仕事中なのに・・・・・。ごめんなさい。」
膝の上の巾着を両手ぐっと挟むようにもち、カリナは地面を見つめていた。
「いいさ・・。俺こそ、ごめん・・・。遊びにいけなくて・・・・」
「はい・・・。残念でした・・・・」
「ほんと、ごめん。」
俺も弁当を膝の上で持ったまま地面を見つめる。
「・・・あの・・・・・・」
「うん?」
「そしたら・・・・・よ、4人で遊びに行きませんか?あ、いえ、私と2人でも・・・・いいです。その、遊びにいけなかったから・・・・・どうですか?」
「・・・・・・ごめん・・・・それは・・・・できないよ・・・・・・ごめん」
「そう・・・ですか・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ~っあ!」
ため息をつくと、カリナはスッと立ち上がった。
「気が変わりました!やっぱり友だちと食べます。じゃ、先輩、また、部活で!」
カリナは小走りに校舎の方へ走り去っていた。
「わりーな、智。お前が・・・カリナを呼んだんだろ?」
弁当の包みを開けながら、智にそう告げた。
「いいさ・・・いつまでも白黒はっきりしないのは・・・俺がいやだから・・・・カリナ・・・だいじょうぶかな?」
「あいつには支えになる奴が、たくさんいるさ。お前も含めてな」
「・・・・・・・あの子は・・・・・そうじゃないってことか?」
「・・・・・・ああ・・・・そうだよ・・・・」
「そうか・・・・じゃ、しかたねーなぁーーーー」
弁当の蓋を開ける。唐揚げに卵焼き、ウインナーとよくあるラインナップだ。唐揚げを一つ口に放り込む。
「・・・・なんか・・・味しねーや・・・・」
「鼻つまってんだろ・・・おまえ」
言われて気がついた・・・目から涙がこぼれていることを。
「早く食っちまおうぜ・・・・な?」
俺たち2人は弁当をがつがつと食べた。
中古バイク高すぎ。
主人公の乗り換え、なんにするか考え中。




