SS24 夏の日のice珈琲
先日バイクの車検が終わりました。
結構な額でした・・・・。
不満を今にも爆発させそうな一ノ瀬カリナ。斜に構えていすに座り、口を尖らせブスっとしている。
テーブルを挟んで座るレナは、涼しい顔をして、わずかに微笑んでいた。
「お待たせしました・・・ice珈琲です。」
テーブルにice珈琲を置いた。
「なあ、カリナ、何、そんなおこってんだ?」
バイト終了ということでいつもの調子で話しかけた。
すると・・・カリナはキッと俺を睨みつけた。
「大したことじゃないわ・・・。ただ、私の用事を優先させてって、言っただけよ。」
落ち着いた・・・いや、なにか冷たさ入った口調でレナが告げる。
「なんで?なんであんたが優先なの?私が、あ、いえ、・・・私たちと一緒じゃだめなの?いいじゃない!」
カリナがくってかかる。自分を後回しにしろって言ってるのが気に食わないのだろう。自分が先に約束をしたのに。いや、そうじゃない。レナが、優先するのが当たり前だという前提がなにより気に食わないのだろう。そして、それを俺が受け入れるであろうことも。
「なぁ・・・こういち・・・その、なんかわかんねーけどさ・・・何とかしてくれ・・・」
テーブルの傍らで立っていた智が、困り切った様子で言った。
隣に立っている恵子もすがるような顔をしている。
はぁ~・・・・。
「なあ、カリナ・・・・・・・悪いけど、先にレナと話させてくれないか、そのぅ、彼女には・・・・、時間がないんだ・・・・。」
「・・・っく・・・」
小さくカリナは呻いた。
ごめん、カリナ。レナには時間がない。だから・・・・。
「・・・・帰る。あーし、帰る!」
そう言うと、カリナは立ち上がり、足早に店を出ていった。
「あ、まって!」
「ちょ、おいおい!」
あわてて、智と恵子があと追って店を出ていった。
「・・・マスター・・・・あの3人の代金はおれが払います・・・。」
カウンター越しに俺たちを伺っていたマスターは微笑を浮かべて頷いた。
「青春ね~」
その傍らで、奥さんは腕組みしながらそう呟き、微笑みを浮かべた。
3人を後ろ姿を見送たあと、さっきまでカリナがくだを巻いてた席に座った。
「・・・話って、なんだい?」
「・・・・・最後に言っておきたいことがあるの・・・・」
お互いに目を合わさず、テーブルに置かれたice珈琲を見つめる。
「たいしたことじゃないわ・・・お別れを・・・言いに来たの・・・きちんと・・・」
能面のように冷たい顔でレナは言った。
「そうか・・・」
覚悟していた言葉に、動揺はなかった。ただ・・・空しさと寂しさが入り混じった、どうしようもない感情が胸の中に広がるのがわかった。
そこから、お互い言葉が続かない。2人で押し黙ってしまった。テーブルの真ん中に置かれたice珈琲を見つめて。
「はい、こうくん」
不意に奥さんの声がしたかと思うと、ice珈琲がテーブルに置かれた。
「あ、オーダーしてませんが・・・」
「わたしのおごり。それとも、一つを分け合うの?そんな雰囲気じゃないでしょ?」
「・・・ありがとうございます・・・・」
「ごゆっくり・・・」
奥さんはレナの顔をちらっと見て、カウンターへと立ち去っていった。
「ほんと・・・・・」
「うん?」
「一つを分け合えられたら・・・・・いいのにね・・・・」
レナはそう言って、氷がかなり小さくなってしまったice珈琲を手にし、ストローを口にした。
「だいぶ薄くなっちゃった・・・・」
飲み込んだレナはそういって寂しく笑った。
グダグダですね・・・・。でも、そう書こうと思ってます。




