SS23 夏の一日を快適にすごすには?
もう一つの連載は完結できました。
で、いまはこっちだけです。
バイトはもうすぐ終わるって時にかぎって、面倒ごとは起こるもんだ。突然の3人の訪問。そして、レナの来店。
「どうして、ここに・・・」
絞りだすように、声をだした。
「お別れの前に・・・きちんと話しておきたくて。レイとだけ話して終るなんて・・・・ずるいわ・・。」
俺の目を見つめて、レナはそう言った。
「でも・・・俺と会うのは・・・・」
「・・・日記に書かなきゃ、わからないわ。」
レナとレイの交換日記。入れ替わっても齟齬がないように、互いに書き残しておくことのなっている。
・・・・この口ぶりは、レイと会った森林公園でのやり取りを、レイはきちんと書き綴っていたようだ。
「・・・いい・・・のか?・・・」
レナは軽く頷いた。
「あぁ・・・浩一くん・・・席にご案内して・・・」
マスターが気まずそうに声をかけてきた。
俺ははっとして、レナを席に案内した。
3人のテーブルの横を通ると、智はあっけにとられ、恵子はものすごい気まずそうに下を向いていた。カリナは・・・俺とレナに突き刺さるような目線を向けてきた。
しかし、レナは涼しい顔を崩さず、案内された2人掛けのテーブルに座った。
「あの・・・オーダーを・・・」
おそるおそる俺は尋ねた。
「・・・ice珈琲をお願いします。」
「かしこまりました・・・」
そう言って、カウンターへ踵を返した。
また、3人のテーブルを通りかかる。
智と恵子は気まずいのか、下を向いてアイスティーを飲んでいる。
カリナはじろっと俺を一にらみすると・・・明らかに不機嫌な様子で・・・口をとがらせてストローを咥えた。
「マスター・・・ice珈琲を一つ・・・」
「はい・・・・・こういちくん」
マスターは冷蔵庫からice珈琲のはいった大きなガラス容器を取り出しながらいった。
「なんか・・・わけありなんだろ?・・・今日はもうあがっていいから、彼女と話してきたら?」
「え、っといいんですか?まだ20分くらい」
と俺が口にしたときだった・・・・。
「なんなのよ!あんたぁ!!」
カリナの声が響いた。あわてて振り返ると、いつの間にかカリナがレナの席にいた。向かいのいすに膝を組み斜に構える様は、明らかな不満をあらわしている。
恵子とを智があわててカリナの方へ駆け寄る。
「おいおい・・カリナぁ?どっした・・・・急に・・・」
「そうよ、カリナちゃん・・・落ち着いて・・・」
「ちっ!」
2人の取りなしにカリナは舌打ちで答えていた。
「はい・・・ice珈琲・・・・」
マスターがグラスをカウンター越しに差し出してきた。
「・・・・・あ、はい・・・すいません」
あわててカウンターの方へ向きなおし、グラスを受け取り、トレーにのせる。
「こういちくん・・・」
「はい・・・」
「修羅場は・・・他でやってくれるかい?」
洗い物をしながら、マスターはそう呟いた。
「すいません・・・そんなんじゃ・・・」
「違うっていうのかい?」
「え・・・」
「それは・・彼女たちに失礼だよ・・・ね?」
「・・・・・」
「そうよねぇ~・・・」
気がつくと奥さんも奥から出てきていた。
「こういちく~ん、きみ、けっこう薄情なのね・・・」
「・・・え・・・・」
「だって、こうくんことで・・・もめてんでしょ?当事者が、知らんふりは・・・ちょっとねぇ・・・・」
これだから男は・・・といういささか呆れた顔で奥さんは俺の方をちらりと見た。
「さ、だから、今日はもうあがって、修羅場を収めるなり、遊びに行くなり好きにしていいよ。バイクはなんだったら、明日でもいいよ。」
ふぅ~・・・
ため息とともにドアのガラス越しに外をちらりを眺める。16時になろうとしているのに、きらめくように町は輝いている。その光だけで・・・外の暑さが伝わってくる。
やれやれ・・。
だれか、夏の一日を快適に過ごすには、どうしたらいいか教えてくれ・・・。
真夏日の続く北海道の、快適な過ごし方を誰か教えてください・・・・。




