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無事剣術大会を終え、通常の授業。
いろんな教科があるが、
やはり魔法は試験のウエイトが高い。
セシリアは魔力は多い、
逆に多すぎて、上手くコントロールしきれてないみたいなのだ。
ここはお助け令嬢の出番ね!
元々知識はたっぷりだし。
そうして、放課後、
魔法理論について、私がセシリアに教える日々た続いた。
魔法理論はいわば、言葉でいえば文法。
文法を知らなくても、言葉は話せる。
魔法理論を知らなくても、魔法は使えるが、
やはり、仕組みを理解していると、
魔法を組み立てやすい。
「少しよろしいかしら」
自習室で、いつも通りセシリアと勉強をしていると、
ウエイブのかかった青い髪の令嬢と、
ショートボブの黄色い髪の令嬢が話しかけてきた。
「ええ、何かしら?」
「私、カレン・フォスター、
こちらがメアリー・カーライルと申します」
青い髪がカレンさん、黄色い髪がメアリーさんという訳ね。
「魔法理論は授業にもなく、
興味はあるものの、すこし理解が難しいのです、
キャサリン嬢は、知識に優れた方、
ぜひ一緒に教えて頂きたいのですが」
あれ?こんなキャラゲームにいたっけ?
ゲームはあくまで攻略対象との恋愛が中心で、
女性キャラはほとんど出なかった。
さて、どうするべきか。
「セシリア、いかがかしら?」
「私はかまいません」
私は少し考える。
今後、セシリアが王妃となった時、
支えてくれる友人がいると大きいわね。
私には、この学園には通ってないけど、
シャーロット・アラバスターという友人がいる。
小説や演劇について語れる大事な友人だ、
うん、そうね、そうゆう存在って大事よね。
「分かったわ、一緒に勉強しましょう」
私は2人を迎え入れて、勉強を続ける。
それから数週間。
「メアリーさん、凄い上達ね」
火魔法を使うメアリーさんは、
火力こそないものの、高温の炎を出す事ができる、
その調整が格段に上手くなっているのだ。
「キャサリンさんの指導があってこそですわ、
私も正直ここまでできるとは思っていませんでした」
自分の能力に驚いているメアリーさんを、
微笑ましく見る。
「メアリーさんの努力があってこそよ」
その時、メアリーさんが、
私の前に膝まずいた。
「私、メアリー・カーライルは、
キャサリン・セーラム様に忠誠を誓います」
いきなりの事にえええ~となる。
同じ伯爵家なのに、さんづけから、様に変更になっている。
「やめてください、メアリーさん、
あくまで私達は友人ですわ」
「ええ、友人である事には変わりません、
しかし、キャサリン様を生涯の主と決めた事を、
知って頂きたかったのです」
「そ・・・そう」
むしろその忠誠はセシリアに向けて欲しかったのだけど。
そのセシリアは・・・
むむむ・・・と、険しい顔をして、
手をかざすセシリアを見る。
どうやら、セシリアには理論は向いてないらしく、
魔力を無駄に使ってしまう所は、
いまいち改善されていない。
ううう・・・お助け令嬢なのに申し訳ない・・・・・
いきなりパロメータ―が上がるゲームではなく、
徐々にパロメータ―が上がるゲームなので、
ゲーム補正がかかっているのかもしれないがこれは誤算だ。
とはいえ、セシリアに、
私がゲームが始まる前、お風呂の水の上げ下げをしたような、
きつい訓練を課す訳にはいかない。
誰もが音ゲーでSSSを極める訳ではないのだ。
むしろ、一部の変わった人のする事だろう。
それを自覚しているだけにむむむ・・・となる。
ぎりぎり王子を落とせるだけのパロメータ―はある、
今はこれで満足すべきなのかしら?
そんな簡単なゲームじゃないのねと、
溜息をついたのだった。