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すーはー すーはー


落ち着け心臓!


ゲーム前だと思って完全に油断してた!


まさか攻略対象と会うなんて!


しかも速読とか前世スキルだし、

作物の本読んでるとか、怪しまれていない?

トドメは第三次産業とかいっちゃったよ~


まずい!まずい!まずい!


本当に気を付けないと。




それにしても・・・


王子かっこ良かったな~


ゲームキャラで、しかもトップの攻略対象だし、

芸能人ばりのかっこよさ!

しかも声は声優さんの声そのまま!


ここもツボポイントですよ~


外見だけでなく、学業優秀で剣も幼い頃からの鍛錬で、

相当な腕という設定だし、


少し抜けた感じがあるのも、親しみがあってグッド!


これは、ヒロインが来たら、

絶対王子ルート行ってもらいたいね!


任せて!お姉さん(前世年齢)がばっちり

王子の心を掴めるようナビしちゃうよ!


それはともかく、ここはきちんと拝んでおかないと。

と、合掌のポーズを取る。


この世界では神に祈る時は、

指を組み合わせ、膝を折って祈るので、

サラには


「何のポーズですか?」


と言われてしまったが、


「ふふふ・・・いいのよ」


としばらく祈り続けたのだった。





転生して2週間が過ぎた頃、

気になる事が出来だした。


この体、つまりキャサリン。


魔法がいまいちなのよね~


元々お助けキャラで、知識を与える役目なので、

魔法が使える事は重要視されてないが、

元日本人として、魔法には憧れがある。


ちなみにキャサリンの魔法は、

物を動かせるというもの。


多分、ほとんどの人は察していらっしゃると思おうけど、

ヒロインは回復。


こうゆう魔法の違いにも、立場の違いが出てるよね。


それは、ま、置いといて。


今まで、家庭教師に十分だと言われていたし、

両親もメイドも何も言われなかったので、

そんなもんだと思ってたけど、

転生してから、現状にかなり不満がでてきた。


だって魔法だよ?


ばんばん使いたいじゃん!


知識はあるので、例えるなら、

楽譜は完璧に読めるのに、

練習不足でピアノが上手く弾けないみたいな状態。


頭の知識に体が追い付いていないのだ。


才能がないなら諦めるけど、

まだまだできる余地あると思うんだよね。





私はお風呂場へ行き、

水魔法の使い手に、浴槽に3分の1程水を入れてもらう。


物を動かせるのは固い物が普通。


すでにキャサリンは、

あまりにも重いのも意外なら大抵の物が動かせる。

なので、次に考えたのが、水を動かす事。


水など形が定まらない物は、かなり難易度が高い。


水が張られたのを確認して、徐々に水を浮かせていく。


その際、すでに水が漏れ、

全ての水を上げる事はできなかった。


上げた水を浴槽に戻し、また水を上げる。


単純なこの作業を延々と繰り返す。


本を集中して読めるので分かるよう、

キャサリンは集中力がある、

普通なら飽きたり、苦痛に感じる作業も、

少し大変だなぐらいで行えた。


水の上げ下げを1時間、それを3回繰り返す。


何度も繰り返すうちに、

確実に漏れる水が減っていく。


ピアノを弾く時、頭で考えるというより、

楽譜を見ると手が動くという感覚になる。


その感覚に近づくまで、繰り返す。


「お嬢様、大丈夫ですか?」


3回目の水の上げ下げをしてる時、

サラが心配そうに声をかえてきてくれた。


「大丈夫よ、確実に上手くなっているでしょう?」


口の広角が上がり、

ハイになっている自分に気づく。





そう!何を隠そう、

私は音ゲーでSSSまで極めた女!!!




つまり、やり込み要素を見つけたら、

どっぷりハマってしまうタイプなのだ。


ちなみにゲーセンでは私が音ゲーをプレイしたら、

後ろにギャラリーができる程だった。


極めていく、この快感。




はっきり言って、家庭教師の言うように、

単なるお助け令嬢がここまでする必要はないのだろう、


しかし、私はしたい!


魔法を極めたい!


取りつかれたように、魔法の特訓に明け暮れた。






魔法の特訓を始めて2か月、

上げ下げだけで苦労していた魔法は、

水を10に分けて、自由に動かせるまでになっていた。


「お嬢様・・・凄すぎます」


サラに尊敬の視線を向けられる。


ふふふ・・・ここに極めたり。





ちなみに入学試験は、裁縫、昼食マナー、魔法。

元々裁縫、マナーはヒロインに教えられる程だし、

唯一劣っていた魔法も極め済み。


簡単すぎない?ぐらいの余裕で、

入学試験を終えたのだった。

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