3-2
いきなり5人ぐらいの男性に囲まれる。
顔を布で隠している辺り、
真っ当な人間でない事は察しられた。
「何者!?」
メアリーは素早く、戦闘態勢を取る。
諜報機関の人間だと聞いていたが、
伯爵令嬢ではありえない戦闘能力をみせ、
男達に立ち向かっていく。
しかし、相手は5人。
しかも素人ではなく、何だかの訓練を受けた人間のようだった。
「うぐっ・・」
「メアリー」
メアリーが1人の男に捕まる。
「この子が大事なら、あの馬車に乗るんだ」
「分かったわ」
私は大人しく後ろで縄をかけられ、
馬車へと連れていかれる。
「キャサリン様!」
「私は大丈夫よ」
「ははは、さすが王子が惚れる女だ、
泣くでもなく、叫ぶでもなく気に入った」
その言葉を無視してすすむ。
私が馬車に乗ると、馬車はどこかへと動き出した。
王子ルート、最後の最難関、
誘拐イベント。
私の中にゲーム知識が甦る。
王子ルートの場合のみ、ゲームの最後3月に、
誘拐イベントが起きる。
これは、隣国の王の隠し子であるセシリアの存在を知った、
隣国の王妃が、セシリアを
殺害しようとして起こるものだ。
しかし、今聞いたメアリーの情報だと、
セシリアはもう王位継承権を放棄し、
隣国の王妃が動く事はなくなっている。
その代わり、私が誘拐されていると考えていいのだろうか?
正直、ここまでくると、
ゲームがどこまで影響してるか分からなくなってきている。
今は10月だし、誘拐されたのもセシリアではなく私。
ゲームではセシリアのパロメータ―がある程度あると、
無事乗り越えられるイベントだが、
ゲームから外れていると、私も無事では済まないかもしれない。
それにしても・・・
誘拐犯、私が王子が惚れた女って言ってたわね。
私が知らないだけで、
けっこう王子が私の事が好きな事、知られてたりする?
うーん。
そんな事を考えていると、
森の中の粗末な屋敷へと連れてこられた。
そして、その屋敷を見て、ますます混乱する。
この屋敷・・・ゲームのままよね。
やっぱり、ゲームの影響?




