2-14
中間試験の結果が張り出される。
セシリアは8位。
やったわ!
思わずこぶしを握り締める。
私は安定の3位だが、
私の順位より、セシリアの順位が上がった方が嬉しい。
「メアリーさんも、ずいぶん順位を上げたのね」
メアリーさんは6位。
「前回、14位でしたので、自分でも驚きです」
「ダンスも上手くなったしね」
メアリーさんは、ダンスのステップは完璧だが、
音と合わせるのが苦手なようだった。
なので、ここは音ゲーSSSのリズム感で、
メアリーさんに指導したのだ。
「キャサリン様のおかげです」
その称賛を素直に受け取る。
さて、王子ルートは最大の山場を無事超えた。
後は最後の攻略対象。
大商人の子息のエドワード・ジョーンズ。
ここでは、卒業パーティに着るドレスの、
布選びでセンスが問われる。
これがまた、ゲームでは運ゲーで、
布のパターンの出方はランダム。
なんどかリセットして思い通りの布を出した、
思い出のシーンである。
「うーん、駄目ね」
「これも駄目ですか」
短い茶色の髪に、少し神経質そうな眼鏡のエドワード、
従業員が次々に布を持って来てくれて、
商店の応接間は布だらけになっている。
指定した色は白。
5着あるAランクドレスのうち、
3着は白、一番確率が高いと狙ったのだ。
「この辺りはどうでしょう?」
セシリアが気を使って言ってくれる。
確かにその布はゲームでもBランク、
いい所をいっている。
しかしその上にAランクがあって、
私としてはできるならAランクを狙いたい。
「もう少し、具体的に希望はありますか?」
「そうね、色あいはこの感じで、
素材自体としてはもっとひらひらした感じ。
とはいっても透けるのはもちろん駄目。
模様が入っている方がいいけれど、
幸運のモチーフである事が条件ね」
具体的とは聞いたものの、
あまりもの高い希望に、エドワードも困っているようだった。
そうして迷っていると。
「あの~・・・」
と従業員の1人が声をかけてくれる。
「古着屋の方に、他国のウエディングドレスがあって、
それが希望に近いかと・・・
あの、中古でよければですが・・・・すみません」
どこか自信なさげにいってくれるのに、
はっとなる。
そうだ!
この国では、服は基本布屋(商店)で買って、
仕立て屋で仕立ててもらう。
しかし、着なくなった服は、
古着屋に売る事も多く、そこには思わず凄い
出会いがあったりするのだ。
「一度見て見ます!」
「では案内しますよ」
エドワードが馬車の手配をしてくれる。
古着屋に到着。
大量の服が並べられた古着屋は、
独特の雰囲気がある。
価格や用途によって細かくスペースが分断され、
私が案内されたのは、奥まったドレススペース。
「どうやらこれのようですね」
そして、見たドレスに目が奪われる。
これよ!
ゲームにも描かれていた、
5着しかないAランクのドレスの1つ!
「セシリア!これにしなさい!」
「え?私ですか?」
私は大きく頷く。
そしてセシリアはドレスの値段を見て。
「これなら新しくつくったのの、
5分の1の値段です!これにします!」
と値段で決めていた。
まあ、いいけどね。
ウエディングドレスを買って、
パーティのドレス用にに仕立て直してもらって、
体のサイズに合うように調整してもらえるよう手配した。
これで全攻略対象イベントコンプリート!!!
結局私のドレスの布は、
今あるののリメイクでいいわ~と軽く答えたのだけど、
セシリアに反対されてしまった。
必ず、今の流行最先端の物を着て欲しいらしい。
また商店に戻って布を見る。
今後はブルーの色の布が用意されていた。
「今年の流行は青です、
それにデザインも最先端にしますよ」
エドワードものりのりである。
むしろ使命感すら感じられる。
私はサポート令嬢だから、そこまでこだわる必要
ないのだけどね・・・
そう思っていると、
エドワードが奥から更に布を持ってきた。
「この布は王妃様もご購入された物です」
「王妃様と被っては、失礼に当たるのでは?」
「既婚者と未婚者ではドレスのデザインが全く違います、
問題ありません!」
結局、商人の迫力に押され、
じゃ、これで、と適当に決めたのだった。
もちろんデザインも完全にエドワードにお任せ。
商人や仕立て屋の方が流行に詳しいだろうし、
私に合う物を作ってくれそうだ。
「任された以上、最善を尽くします!」
エドワードに力強く宣言され、店を後にしたのだった。




