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第三話 ハルミヤ鋼を求めて

「うぅむ。お嬢様の要求に応えられる素材となると、ハルミヤ鋼という金属しか適しておりませんな」


 工房街の中で一番大きなガード工房。

 そこの長であるガードさんは悩んだ末にそうおっしゃいました。


 わたくしの注文。それは屋敷の高さほど(約十メートル)の人体骨格。


 最初は驚いた様子でしたが、わたくしが作りたいゴーレムの話をすると、ガードさんは戸惑いながらも興味をそそられたようです。


「ハルミヤ鋼は希少でしてね。どういうわけか、ドラゴンが住まう地でないと採れません」

「どこに行けばいいのでしょう?」

「この国だと北部がドラゴンの生息地になりますな。ディーザ侯爵領が最大の産地で……お嬢様、ハルミヤ鋼の採掘は命懸けと聞いておりますぜ」


『レイテアちゃんよ、どうする?』

(もちろん行きますわ!)

『君のお父さんはまず認めないぞ』

(お母さまに相談します)

『ああー公爵家も奥さんの方が強いんだな』


 こうしてお母さまに相談した結果、転移術式を組み込んだスカーフを渡されました。


「危ないと思ったらこれを使ってここへ戻りなさい」

「わかりました」


『レイテアちゃんは言い出したら引かないってお母さんはよくわかってるんだよなぁ』


 侍女のカシアと護衛の騎士三名と一緒に北部、ディーザ侯爵領へと向かうことになりました。


 二日後。

 侯爵領に着いたわたくしを迎えたのは当主であるディーザ侯爵さまです。


「これはこれは。ルスタフ公爵家の姫君。ようこそおいでくださいました」

「急な訪問の失礼をお許しください。レイテア・ミーオ・ルスタフです」

「当主のディーザです」


『ほへー。プロレスラーか力士みたいな侯爵様だ』


 立派な体格の侯爵。腕が私の太ももと変わらないほど。先の帝国との戦争でドラゴンの協力を取り付け、大活躍したのは私でも知っていることです。


『ドラゴンとともに生きる』のがディーザ侯爵家です。家紋にも二頭のドラゴンという意匠で、王家も軽んじることはありません。


 要件を伝えたところ、


「私としてもレイテア様に協力するのはやぶさかではございません。ドラゴンに受け入れられた場合、自由にハルミヤ鋼の採掘ができます」

「では……」

「そうです。ドラゴンに拒否されたら山に近寄ることすら不可能になります。全ては山に住まうドラゴン次第。この点をどうかご理解ください」

  

不安になります。


「あの、わたくしは具体的に何をすればよろしいのでしょうか」

「あの山の麓に行ってください。そこに小屋がありますので、一泊してくださればドラゴンが判断します」


 ディーザ侯爵は窓から見える高い山を指してそうおっしゃいました。

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