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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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確保。

マリーは居なかった。

多分、マリーであったカケラは沢山あった。

マリーと別れた少し後方に真っ赤な水たまりが出来ていて、そこにカケラは沢山あったが、顔や髪などは無かった。


今までの僕なら跳ぶ事を優先したが、今回はマリーとの約束があるので僕は村に戻る事にした。


わかり切っていた事だがやるせない。

それは僕だけではない。

カムカもフィルさんも同じで皆無言になっている。

どうしてあんな幼い子がこんな目に遭う必要があるのだろうか?


途中、6人の中年男女に会った。

村長の協力者と言う連中で、遠くの相手と話ができると言う擬似アーティファクトで村長に連絡を取ったが返事がないので心配になって今から村長の家に向かう所だと言う。


実際には「お前達は!!」と言って襲いかかってきたので軽く返り討ちにしてから話を聞いた。

カムカは相当頭にきていて、そもそもマリーが誘拐された事も、告げ口した事も協力者の密告が原因だからと言って、男女関係なく等しく両脚を殴り折った。


「そのまま生きて村に戻ってこられたら、俺はお前たちにこれ以上何かをすることはない。

だがまだ亡霊騎士は居るんだ。お前らは殺されても文句は言えない」


中年男女は口々に「酷い」「助けてくれ」「痛い」「心が痛まないのか?」と言っていたがカムカは優しいくらいだと思った。


「幼い女の子を村長に売ったお前らに慈愛なんかはない。

さあ村に行こう」


僕達は再び村を目指す。

帰り道に亡霊騎士は出なかった。

恐らく、今晩は探して彷徨う必要が無いのだろう。


四の村に戻ってきた。

僕は無言でブローチと制御球をガミガミ爺さんとペックに見せる。


「マリーは…?」

「言わなくてもわかりますよね」


「2人とも、説明してください」

僕がそう言うと、ガミガミ爺さんとペック爺さんは顔を見合わせて黙ってしまった。

「……」


「黙っていてはわかりません。

マリーは…あの子はあなた達を怒らないでと言っていましたよ」


「!!?」

「…あの子は…本当にいい子だ…」

ペックがそう言いながら目頭を抑える。


ペック爺さんが泣き止むのを待つ。


「小僧…、俺たちがした事で怒られる事も覚悟している。

だが、今はもう一つ頼まれてくれないか?」


想像通りならマリーの言う次の次に行くための話だろう。


「もう一つ?

僕の予想だと、まだあと4つありますよ」


「そうかも知れねえ、だがとりあえずこの一つがうまくいかないと何も始まらねえ」

ガミガミ爺さんの申し訳なさそうな言い方に僕は仕方ない気持ちにはなっていた。


「時間が惜しいので、早速準備をしてください」

「小僧、お前どこまでわかって居るんだ?」

ガミガミ爺さんが驚いた顔で僕を見る。


「漠然とですよ。ただ、出来たら僕の想像は外れていて欲しいと思っています」

僕はどんな顔をしているのだろう。

僕の顔を見たガミガミ爺さんは小さくため息をついて「すまねぇな」と謝った。


「ペック、呼ぶぜ?」

「あ…ああ、よろしく頼むよ」


ガミガミ爺さんは制御球を握りしめて「四の村の入り口に来い」とつぶやいた。


「さあ、小僧…村の入り口に行ってくれ」


僕は言われた通り村の入り口に向かう。



村の入り口には亡霊騎士が居た。

相変わらず佇んでいる。

先ほどと違うのは両腕が真っ赤に染まっていると言う事だ。

その手を見て、カムカとフィルさんは言葉を失っている。


もうすぐ日の入りだ、そうなれば暴走状態になる。

「ペック爺さん、倒した後はどうするんですか?」

「家に運ぶ為の鎖を用意してあるよ」


そう言うと、ガミガミ爺さんとペック爺さんは鎖を持ち出していた。


「俺も手伝うぜキヨロス!」

カムカが出てきた。


「一応任せるけど、カムカは手を出さない方がいいと思う。

アーティファクト砲は火のアーティファクトで跳ね返せるからそれだけは覚えておいて」


「お…おい、なんだよそれ?」

「とりあえず鎖で縛りあげる方をお願いするよ」


そう言うと僕は剣を抜いて亡霊騎士に向き合う。


「お待たせ、約束を果たしに…助けに来たよ」


亡霊騎士の攻撃は相変わらず素早いが、もう僕には当たらない。

僕は攻撃を見切ると慎重に剣を振り抜く。

切断することは無いと思うが万一が無いように、だが少しでも油断をすると攻撃を食らってしまうので手は抜けない。


戦闘中に4回程アーティファクト砲を撃ってきたが全てを跳ね返して直撃させた。


4回のアーティファクト砲による雷の攻撃と剣による数回の攻撃で亡霊騎士は吹っ飛んだ。

皆が驚きの声を上げる。


それだけ僕は跳び続けてしまったと言う事だ。

今は戦っていても高揚感なんてものは無かった。

悲しい気持ちしかない。

早く決着をつけよう。


亡霊騎士はまた肉弾戦をやめて5回目になるアーティファクト砲の発射体制になった。

僕も息を整えつつ剣に火を纏わせる。


今回もアーティファクト砲を打ち返して亡霊騎士にぶつける。

亡霊騎士は膝をついて身動きが取れなくなった。

僕はすかさずそこにトドメの一撃を食らわせる。


剣は綺麗に頭部を直撃した。

亡霊騎士は低いうなり声とともに仰向けに倒れる。

額の制御球は赤から黒に変わっていた。


「今だ、小童、鎖で縛れ」

カムカが鎖で亡霊騎士の上半身を縛り上げて荷物のように担ぐ。


「すぐに僕の家に連れて行ってくれ!!」

ペック爺さんの声に合わせて皆で走ってしまったので家にはすぐに着いた。

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