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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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打ち返す。

72回目の時間。

僕は亡霊騎士の制御球が赤に変わる間際を選択した。


もっと前にするとフィルさんが邪魔をする気がした、僕は何が何でも自分の力で亡霊騎士を何とかしたいのだ。


アーティファクトの一撃ももっと効率的に同じ箇所を何度も狙ってダメージを与えて行きたいし、あのアーティファクト砲も無効化をしたい。


その為に何度跳んででも1人で戦う必要がある。


亡霊騎士が吠えて赤い剣を出す。

あの赤い剣も擬似アーティファクトだ、「兵士の剣」を見て本家が擬似に負けてて恥ずかしくないのか?と思った。


赤い剣を叩き折る為に攻撃を誘っては剣ばかりを狙ってみた。


効果はあったのかも知れないが、少しすると剣を収納して殴りつけてくるようになった。


剣を叩き折るのは悪手に近いのかも知れない。

殴る蹴るになり、リーチこそ短くなったが両腕が使える分だけ手数が増えてしまった。


次はアーティファクト砲を無効化したい。

少し距離を取りアーティファクト砲を誘う。



アーティファクト砲を撃ってから次のタイミングまでの時間を知りたい。なのでこの一撃は何としてでもかわして距離を保ち続けて次弾を撃たせる必要があった。


攻撃はかわせたが、なかなか次弾を撃ってこない。


時間がかかるアーティファクトなのか、はたまたかわしてしまう僕には無駄な攻撃として使う事を拒否しているのかも知れない。


人形がよくそこまで考える。

つくづくペック爺さんのこだわりの強さ、技術力の高さが伺える。

そもそも人形にどうやったらそこまでの事が出来るんだ?

まあ専門外の事だからいくら考えても答えなんて出ない。


僕は段々と亡霊騎士の攻撃を見切り初めている。

速度と威力は並ではないが、大概大振りだし、そもそもあまり考えられた攻撃ではない事がわかれば速度にさえ対応できれば何とかなる。


獣とあまり変わらないのかも知れない。

もしかすると将来的には攻撃方法とかを教え込んで兵隊並の動きも可能になるのかも知れないが今の亡霊騎士はまだ獣で大振りだ。

そこに打開への道があると思う。


僕は疲労が出てきたので跳ぶ事にする。次からは攻撃の狙いを定めて行く事にした。


「トキタマ」

「はーい!お父さん、もっと僕を使ってくださいね」


73回目の時間。(73回目)


僕は左腕を重点的に攻める事にした。

目的はアーティファクト砲の無効化だ。

やはりあれはかわせない事は無いが、かなり厳しいので、かわさないで済むのならかわしたくは無い。


僕は腕に併設されている筒型の部分を重点的に狙う。


30回くらい打ち込んだがビクともしない。


それならばと足元の石を3個拾って筒に入れたりしてみる。

あわよくば暴発をしないかと思ったのだ。

石はいい感じに筒の中で引っかかっている。


これで暴発でもして腕が吹き飛べば幸いだ。


僕はアーティファクト砲を誘う。


亡霊騎士は狙い通りアーティファクト砲の構えになった。

僕は顛末を見届けようと左腕に集中する。


「【アーティファクト】」


亡霊騎士の左腕が光った後、僕は目の前が真っ暗になった。



空…真っ赤な空が見える。

赤?血?

色々なモノに気付いたところで身体の痛みを感じる。

マズい…

しかしどうなったのかは知りたい。

「トキタマ、発射の直前に跳ぶ」

「はい!」



74回目の時間。

目の前に左腕を構えた亡霊騎士がいる。

腕の筒の中には石が入っている。


僕はその場から走り始める。

動き回りながらどうなったのかを見る為だ。

亡霊騎士は僕の方に腕を向けなおしている。


「【アーティファクト】」

来た!

僕は発射の瞬間を見る為に亡霊騎士の左腕を見た。


筒の中の石が攻撃に干渉して、正しい球体にならずそれが予想もできない動きを生み出して飛んでくる。

これではかわしようがない。


「【アーティファクト】」

!!?

連発できたのか?


しかも今回は中の石が更に悪い方へ干渉し光の玉が細かく拡散して飛んできた。


かわしようがない。


もし、顔があれば亡霊騎士は満足げに笑って居るだろう。


僕は剣で筒の中に入った石を取り除く事にした。


だが、亡霊騎士は僕に距離を詰めさせずに延々とアーティファクト砲を放ってくる。


これでは勝ち目がない。

まだ戦いらしい戦いはしていないのだが、これは跳ぶしかないのであろうか?


それは非常に勿体無いし悔しい。


諦めるな。

そう聞こえた気がした。


そうだ、諦めていられない。


僕は剣を構える。

考えろ、今出来ることを考えろ!


「どうせ試すなら、全部試してやる!」

僕は剣に火を纏わせる。


カムカが鉄の門を破壊したように僕にも出来るかも知れない。

僕は亡霊騎士の攻撃を交わしながらチャンスを伺う。


三発のアーティファクト砲をかわして、ようやくチャンスが訪れた。


僕の狙いは左腕だ、そこに炎の剣で一撃を食らわせる。


「喰らえ!【アーティファク…】」


「【アーティファクト】」

僕が「兵士の剣」を発動させるよりも先に亡霊騎士がアーティファクトを使った。

一瞬で後方に距離を取る亡霊騎士。

今のは身体強化のアーティファクトだろう。

そして間髪いれずにアーティファクト砲を放って来た。


僕は自身の攻撃を止められず、アーティファクト砲の光球に向かう形になってしまった。



ゴォォンと言う轟音、光球の眩しさに目が眩む。

さっきと同じなら次に見えるのは真っ赤な空だ。

僕の目が元に戻って来た。


目の前に広がるのは真っ赤な空なんかではなく、倒れた亡霊騎士だった。


何が起きた?




もしかして僕は跳ね返したのか?



剣も指輪も薄ぼんやりと光っている。

もう一度剣に火を纏わせる。


亡霊騎士はゆっくりと立ち上がると叫んだ。

初のダメージかもしれない。


そう言えば四の村で戦った時も、亡霊騎士はアーティファクト砲だけは盾を張っていた。


雷の力は防げないのかも知れない。


亡霊騎士はもう一度アーティファクト砲の体制に入る。

左腕にはもう石はなかった。



「【アーティファクト】」


亡霊騎士の左腕から光の玉が発射される。

石が無くなった事で変則的な動きは収まり、真っ直ぐこちらに跳んでくる。


「【アーティファクト】ーっ!」

僕は光の玉に向かって火を纏った「兵士の剣」をぶつける。


手応えがあまりない。

失敗したのかと思ったが、亡霊騎士のはるか上を跳ね返した光球が飛んでいく。


やれた!

跳ね返せた!!


まだ亡霊騎士に向けて完璧に打ち返す事は出来ないが、いずれ打ち返せるだろう。

亡霊騎士にこれ以上の隠し球さえなければこの勝負は勝てる。


そう確信した。


この後はパターン化した。

剣と指輪が回復するまでは普通に切り込んだり回避に専念をする。


回復をしたら距離を取って息を整えるついでにアーティファクト砲を誘い打ち返す。


何回か繰り返してわかったのは、僕だけかも知れないが打ち返すのは縦振りより横に振り抜いた方が亡霊騎士に当てやすいという事だ。


とても胸のすく思いだ。

今までの不満が洗い流されていく。

徹底的にやってやる。

楽しくなってきた。


だが、気付くタイミングが良くなかったのだろう。

身体強化のツケが回ってきて身体が重だるい。


時間切れだ。


まあいい、次で倒してやる。

「トキタマ!!」

「はーい」

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