表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
95/307

亡霊騎士戦vsキヨロス。

71回目の時間。

「毒で死ぬのキツい!」

カムカの身体を張った解説で始まるのも板についてきた気がする。


「え?あれ?どうなったの?」

フィルさんは周りをキョロキョロと見回している。

「フィルさん、亡霊騎士がこっちに来たから僕はフィルさんが心配で跳んできたんだ」


「…あ!そうよ、私ずっと攻撃を防いでいたの。身体強化のお陰で最初は防げていたのだけど、段々とキツくなってきて最後に膝をついたの、そしたら亡霊騎士はトドメを刺さずに走っていってしまって、私も追いかけたかったんだけどそのまま気絶してしまったの」


そうか、フィルさんは無事だったのか…それならここまで跳ばなくても良かったのか…


「制御球、あの段階で奪えば良かったのに」

マリーが突然そう言う。


「キヨロス、お前…制御球を見たのか?」

「うん、村長が持っていたんだけど、もうおしまいだって言って床に叩きつけて壊していたよ」


「壊す直前に戻って壊される前に剣で村長を切っちゃえば良かったのに」

先程からマリーがいやに饒舌に話して来るが確かにそうだ。


僕はショックで膝から崩れ落ちる。


「お…おいおい、そう気にすんなよ、また行こうぜ、な?」

カムカが優しい言葉をかけてくれる。


「あーあ、勿体無い」

マリーは何だかとても辛らつだ


「ちょっと、マリーちゃん…。でもキョロくんがそんなミスをするなんて珍しいね。何があったの?」


「フィルさんが亡霊騎士にやられたと思ったら戻んなくちゃって思って…」


「え?そんな事で?」

フィルがそう言いながら赤くなる。


「カムカの時は冷静だったのにね」

マリーのツッコミが色々と痛い。


「…うん!まあ良いじゃねえか!また行こうぜ!!」

カムカが僕を励ましてくれたがよく見ると涙目だった。


カムカごめん。


後でカムカがこっそりやってきて「そりゃあ男よりは女だ、お前は間違ってないぞ!」と言いながらガッツポーズをしてくれた。


カムカは頼りになる兄さん風だ。



今回は僕が残る事にした。

カムカとフィルさんには反対されたが、最悪死んだら戻るからお試しくらいに思ってと言ったら怒られた。

だが、色んなパターンを試す事は大事だと思う。


門の破壊や毒の処理は2人にしか出来ないしうまくいけば最良の結果になると思った。


「マリー、全てを知っているのは君だからよろしくね」

「頑張る。アンタも気をつけてね」


やはりマリーは性格が変わった気がする。


「カムカ、毒にはくれぐれも気をつけて」

「もう毒で死ぬのは嫌だからな!キヨロスこそ気をつけてくれよな」

カムカは優しくも力強い笑顔で「頑張ろうな」と言ってくれる。

兄とはこう言うものかも知れないな。


「フィルさん、毒の処理をお願いするね。でも本当村長の家も危ないから気をつけてね」

「ありがとうキョロくん。私のお願い聞いてくれる?」


「なに?」

あまり良い予感はしないが一応聞く。


「1人で跳ばないでね。跳ぶ時は私も…。

…私達もちゃんと跳ばしてね」


フィルさんは僕が「試し」と言ってしまった事が気になるのかも知れない。


「うん。大丈夫だよ」

「約束してね」


そう言うとフィルさんとカムカはマリーを抱きかかえて走り始めた。


僕の目線の先には亡霊騎士がいる。

「僕を見ろ!」

そう言うと俯いていた亡霊騎士が僕の方を見る。


目が合った。

これが亡霊騎士と目が合うと言う事か、底知れぬプレッシャーが僕を襲う。

ムラサキさんと一緒のフィルさんはまだしも、よくカムカは1人で耐えたなと思った。


しばらく見つめ合いが続く。

このまま見つめ合っていれば暴走状態にならない気すらしてきた。


今、フィルさん達はどこら辺だろう?

もう帰って来る頃ではないだろうか?

僕はどれだけ待ったのだろう?

もしかしたらまだ殆ど時間が過ぎていないのかも知れない。


そんな事を思っている時に額の制御球の緑色が暗く黒ずんできた。


そうか日照不足で睨み合いだけではダメになるのか…


段々と暗くなり……赤くなった。


「グゥオオォォォオっ」

また鎖から解き放たれた獣のように震えながら吠える亡霊騎士。


さあ、少しでも長く生き延びてやる。


僕は剣を構えて亡霊騎士の動きに注意する。


「【アーティファクト】」

くぐもった、とても人のものとは思えない震える声でそう言うと、亡霊騎士の右腕に赤い光の剣が現れた。


これがガミガミ爺さん達の話していた擬似「勇者の腕輪」だろう。


亡霊騎士はその剣で僕に斬りかかって来る。

光なので受け止められなかったら僕は真っ二つになるかも知れない恐怖があったが、「兵士の剣」でそれを受け止める。


ガキっと言う音がして僕はかなりの重さに身じろぎしてしまったが剣は無事に受け止められた。


そのまま次の攻撃へと続く。

僕はそれを何とか捌きながら反撃を試みる。


「【アーティファクト】!」

「火の指輪」を使い顔面ファイヤーを試す。


しかし「悪夢の兜」の能力なのかビクともせずに顔を燃やしたまま亡霊騎士が迫って来る。

火は効かないか…もしくは効き目が弱いか…よくわからない。


続いては剣だ。

僕は剣で斬りかかる。

当たりはするものの刃が通る感覚がない。


毒竜より硬い?

いや、そもそも次元の違う感じがする。

これはもしかすると何かアーティファクトの力が作用しているのかも知れない。


それで殴って機能停止なのか…

殴るってカムカなら通用したのかな?


とりあえず切れなくても諦めずに剣を打ち込み続ける。


中身が人間ではないので亡霊騎士は一定の動きをしてくるが、こちらはそうは行かない。


息をつくタイミングが欲しい。

僕は一旦距離を取り、息を整える。


亡霊騎士は左腕をこちらに構える

しまった、アーティファクト砲がくる。

カムカもこうして息を整えた所をズドンとやられたのだろう。


「【アーティファクト】」


「トキタマ!」

「はい!」


僕は諦めて跳ぶことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ