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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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亡霊騎士戦vsフィル。

69回目の時間。

「いやー、死にました」

カムカが開口一番にとんでもないことを言った。

「目の前がどんどん暗くなって、力が抜けていくんだよ。本当嫌な感覚だったよ」

僕も味わった事のある感覚だ。


「それ、死んだね」

「やっぱりそうか!」


僕とカムカは変な話で盛り上がってしまう。


「いい線行っていたんだけどな、段々と追い込まれて行ってズドンな」


ズドンは殴られたのか、アーティファクト砲を食らったのかどちらだろう。


「次は私の番ね」

フィルさんが言い出す。

「え?俺の話聞いてた?死ぬぜ?」


「それでもマリーちゃんを置いていくわけには行かないでしょ?」


「僕が残るのもいいと思うんだけど…」


「ここは防御力優先で行くべきじゃないかな?私とムラサキさんならカムカより耐えられると思うの」


確かにそう言われればそうかも知れない。


「そんなに心配そうな顔をしないで?私のこと心配してくれているの?」

「それは心配だよ!折角毒竜から助かったのにまた怪我なんてしたら嫌だよ」


「ふふ、ありがとうキョロくん。私もキョロくんを悲しませないように頑張るから!少しは頼ってね」


フィルさんは「さ、行きましょう」とみんなを励ましながら前進をする。


亡霊騎士の前までたどり着く。

「フィルさん、気をつけてね」

「ありがとうキョロくん」


僕たちはそう言うと別れた。


前回の失敗があるので僕はなるべく駆け足で山道を進む。

マリーは途中からカムカに抱きかかえられていた。


着いた…

ようやく着いた村長の家は高いレンガの壁と門に阻まれていた。


「この門の中が村長の家。門を開けて中に入らないと…」

またマリーが流暢に話す。


「すいませーん」

カムカが声をかけるが返事はない。


僕たちは当然鍵なんてものは持っていないし、呼びかけても開けてもらえなかったので門を破壊する必要がある。



とりあえず剣で斬りつけてみたがビクともしない。

毒竜の身体は切り刻めても、鉄の門は難しいのか?


「俺に任せな!【アーティファクト】!!」

カムカは「火の腕輪」の力も乗せて門を殴りつける。

僕の剣よりいい感触だが今一歩足りない感じだ。


「まだまだ!【アーティファクト】!」

今度は擬似アーティファクトの能力も合わせて使用する。


門は熱と力で変形したが、壊れる気配がない。

「筋肉を…ナメるな!!」


ドゴォォンと言う音と共に門がひしゃげ飛んだ。


「筋肉最高!!!」

カムカはガッツポーズを決める。


「さ、中に入ろうぜ」

カムカの声に合わせて僕たちは門をくぐる。

よく見るとレンガは四層構造でしかも二層、鉄板、二層と言う完全防備になっていた。

壁を破壊しての侵入は難しそうだ。


吹き飛ばされた鉄の門も近寄るとレンガでいうと三個分の厚みがある事がわかった。

これを殴り飛ばせるカムカの膂力が信じられない。

モンスターみたいな男だな…と僕は思った。

ここまで来て、カムカ抜きでは侵入も出来なかった事がわかる。



村長の家は普通の家なら6軒分の広さがある。

正面玄関をくぐると普通の家で言うひと部屋分のスペースの玄関があり、よくわからない絵とか像が飾られていた。

それを見たカムカがとりあえず壊してしまおうか?と僕に申し出たが今は時間が惜しいので我慢させた。


2つ目の部屋に入る。

2つ目の部屋は何の調度品もなく、窓も何もない部屋だ。


「何だこの部屋?」

……

「お兄ちゃん達、変な臭いがするよ」

言われてみれば卵が腐敗したような臭いが微かにする。

「こっちだ、部屋の左側かりゃしゅ……ありぇ?」


そう言うとカムカは呂律が回らなくなって倒れ始める。

もしかして毒ガスか?


山には毒ガスか出るポイントが稀にあると父さんが教えてくれたのを僕は思い出した。

それを部屋に引き入れているのか?


そんな事を思っている間にもカムカは泡吹いて痙攣し始めている。


僕もこのままでは無理だ…とりあえず跳ぼう。

トキタマに心の中で呼びかける。

「跳びまーす」と声が聞こえてきた。



70回目の時間。

村長の家に入る手前に跳んだ。

戦闘の邪魔にならないようにフィルさんは跳ばさずにカムカとマリー、後はリーンを連れて跳んだ。


「またまた死にました」

カムカの挨拶もなんだかなと思えてしまった。

「ガスで死ぬのも嫌だな。まあ死ぬのが嫌なんだよな。うん」

カムカは1人で言って1人で納得して1人で笑っている。


あの毒ガスの部屋は入る前に扉を壊そうとカムカが提案してきた。

僕もそれに賛成した。


そして扉の破壊後はすぐ次の扉を破壊して毒ガスをやり過ごす話になった。


僕はトキタマに70回目の成長があるのかを聞いた。

「お仲間の人も経験を持って跳べるようになりましたー」


…うまくいけばゴリ押しで亡霊騎士を止められると言うことか。


ただ今回は戦闘メインではないからあまり意味がない。


僕たちは先を急ぐことにした。

カムカは玄関で「よくも殺してくれたな!」と偉そうな男の像を破壊していた。


ガス部屋のドアは開ける事なくカムカが「筋肉最強!!」と言いながら破壊する。

次の部屋のドアも破壊して先に進む。

3人が廊下に出てすぐ、矢が飛んできた。

矢はカムカをかすって後ろに飛んでいく。


「よくも私の家を!」

そう言いながらボウガンを構える男が居た。

この男が村長か?

どこか見覚えのある顔をしている。


…あ、玄関の偉そうな男の像の顔だ。

この男はどれだけ自分大好きなんだ?


「村長…」

マリーも村長と呼んでいる。


「あなたが村長ですね。亡霊騎士の制御球を渡してください」


「ペックめ、餌をよこすとは何処までもふざけた真似を…」


「餌?」

「お前たちは何も知らされていないんだろう?」


ドサッと言う音ともにカムカが倒れた。

まさか毒ガスか?


「ありぇ?まら…どひゅひゃ?」

「この矢には毒ガスから取った毒が塗られているんだ!かすっただけでも死ぬぞ!」


この際、カムカは一度見捨てて制御球を奪って跳べばいい。

僕は剣を構えて村長を見据えもう一度制御球を渡すように言う。


村長が憎々しい顔をしながら懐から拳サイズの球を取り出した。

「これか?」

「そうです。それを早く返してください」


「こんなもの!!」

そう言うと村長が制御球を床に叩きつけて壊してしまった。


「何を!!?」


「これでもうおしまいだ、じきにあの騎士が餌に惹かれてここに来る。そうすれば私は殺される!!みんな死ぬんだー!!」


何を言って居るんだろう。

そう思って居ると、外から爆音が聞こえ、次の瞬間家の壁が吹き飛び、煙の中から亡霊騎士が姿を現した。

ああ…フィルさんは食い止められなかったんだ…

亡霊騎士の背後を見ると大きな穴が開いていた。

亡霊騎士はあの分厚い壁も破壊したのか…


とりあえずフィルさんが心配だ、4人が揃って居るタイミングに戻ろう。


「トキタマ」

「はーい!」

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