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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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亡霊騎士の出自。

「ガミガミ爺さん、ここには毎月何しに来ていたの?

亡霊騎士が出てて危ないのになんでくるの?」

僕は思った事を聞いた。


「そりゃあ、ペックの奴が雷の力を必要としていて、俺も「混沌の槌」に溜まった力の使い道に困っていたからよ」

「ペックお爺さんの所なら、私を連れてきても良かったじゃない?なんで2年もの間、お爺ちゃん1人で出かける必要があったの?」


それはそうだ、何故ガミガミ爺さん1人だったんだ?


「おめえ、そりゃあ亡霊騎士が居て危ないからだよ」

「お爺ちゃん1人の方が危ないでしょ?」


なんかガミガミ爺さんの理由は苦しい言い訳に聞こえてくる。


ジチさんがガミガミ爺さんに助け舟を出す形で「ところでさあ」と話し始めた。


「ところでさあ、お姉さんはあの雲を撃ち抜いたアーティファクトが気になって居るんだけどさ、あれは何?」


「お、アレか!あれはな、俺がペックと一緒に作ったアーティファクト砲よ」


アーティファクト砲?

詳しく聞こうかと思ったが、これ幸いとフィルさんから逃げる為にガミガミ爺さんが勝手に話し始めた。


「メインは雷の擬似アーティファクトで、筒の中に雷の球を発生させるんだよ。

一個じゃ威力が弱いから4個使ってな」


「ふーん、雷ねえ…雷はなんでそんなにあるの?わざわざ用意したの?」

「まあ、ちょっと色々あって必要だったんだが、今はいらなくなったから使い道を考えて閃いたわけだ。それがあのアーティファクト砲よ。

4つ分の雷をな、風の擬似アーティファクトを6個で一気に打ち出すって寸法よ。

更にそれを一度の発動で全部行えるように制御する為の擬似アーティファクトを入れてな」


「へー、風のアーティファクトも何かに使ったの余りなの?」


「いや、アレは雷を飛ばしたくて考えついた」


「ひょっとしてお爺ちゃんは、それが楽しくてしょっ中来ていたの?」


「あ…ああ。バレちまったら仕方ない。そう言う事だな」


ガミガミ爺さんが嫌にあっさり認める。

そしてそれを見抜いていた人がいる。

ジチさんだ…


「おかしい」

ジチさんはジッとガミガミ爺さんを見つめてそう言った。


「何がだよ、姉ちゃんよお」


「お姉さんさぁ、さっきから気になってる事があるんだよね。

多分キヨロスくんもおかしいって顔していたから少し気付いていると思うんだ」


「え…キヨロ…キョロくんは変なとこあった?」

「俺は気になんなかったな」


「まあ、素直で疑わないフィルとカムカにはわからないかもね。キヨロスくんはさあ、最初に亡霊騎士の鎧を見たときに変な顔してたよね?

どうしてあんな顔していたんだい?」


「あれは、何故か見覚えがあって…」


「そう、お姉さんもそこが気になったんだよね。

てっきり既製品で良く出回っている物なのかとも思ったんだけどさ…

どうやら手作りみたいだしさ」


手作り?

……。


「あ!」


そうだ、見覚えがあるはずだ。


「僕の鎧にも似ているし、何よりフィルさんの鎧が色違いなんだ!!」


「そう、お姉さんも見た時に変だなーって思ってさ、そしたら亡霊騎士の使うアーティファクトもさっきのアーティファクト砲に似ていたし、そうやって考えるとガミガミ爺さんは妙に亡霊騎士について詳しくて…、フィルを連れて行かない理由まではわからないけど、確実にドフ爺さんが関わっているのはお姉さんにもわかってさ」


ガミガミ爺さんは「むぅ…」と困った声を出してたじろいでいる。


「さあ、ドフ爺さん。どういうことだい?」


「バレちゃっているなら言うしかないよ。ドフ」

そう言うと奥からペック爺さんが出てきた。

「マリーちゃんは?」


「マリーは、ここの所ちょっと気分が優れない日があってね。今も気分が優れないって言うから少し寝るように言ったんだよ」


「じゃあ、子供抜きで話が聞けるね」

ジチさんは全部聞く気だ。


全てを諦めたガミガミ爺さんはようやく口を開く。

「亡霊騎士は俺とペックの合作だ」

「僕はね、元々は義肢や人形を作る職人なんだ。僕のアーティファクトはA級で「命のヤスリ」って言ってね、それで削り出したものは本物そっくりに見えるし、命が与えられたように滑らかな動きをするんだ」

そう言うとペック爺さんは一本のヤスリを出してきた。


「俺は昔からよく四の村にも武器や防具のメンテナンスや販売に来ているから、その流れでペックとは付き合いもあってお互いに情報交換もしていた仲だったんだ」


「そのうち、僕が1つのことを研究し始めるんだ…。それがさっき話した擬似アーティファクト」

「そしてそれに俺の作った武器や防具を合わせて、全く新しいアーティファクトを作ろうと思った」


この先も2人が交互に話すので、僕がまとめると…

最初に作ったのはアーティファクト砲で、そもそもは電の力を使いたくて沢山作った雷の擬似アーティファクトが予想まで威力が出なかったので再利用として始めたらしい。

それはさっきのガミガミ爺さんの話と合致する。


そして、なぜそんなに雷の力を必要としていたのかと言う話だ、「かりそめの命」ペック爺さんの人形職人としての力で人間そっくりの人形兵士を作って国に頼ることなく村を守らせようと言う事になった。だが動くための力として雷の力を用意した物の、擬似アーティファクトの雷では何個組み合わせても力が発揮されずに人形は動きださなかったそうだ。


そこで出てくるのが「混沌の槌」に溜まる雷の力だ。

この力は相当なもので、毎月来てはアーティファクトで作った雷を貯めておく樽に力を蓄えていたそうだ。


そして人形兵士にめどが立ったが、人形兵士の身体はあまり頑丈ではなく、命を与える前に実験として腕と同じものを殴ったり剣で切りつけたり火を放ってみたが、あっという間に壊れてしまった。


そしてその打開策として、全身鎧が用意された。

全身鎧には無数のくぼみを用意して無数の擬似アーティファクトで重さが気にならないくらいの風のアーティファクトや身体強化に防御力を強化。さらには感覚を鋭敏にするアーティファクトを付ける事で人形兵士の能力を跳ね上げていく。


全身鎧だが、フィルさんのモノと決定的に違うのは、アーティファクトの数と腕の部分だそうだ。

擬似アーティファクトには唯一の欠点があって、他のアーティファクトのような注意点はないものの、使うと疲れてしまうと言うものがある。

なのでフィルさんの鎧には今まで他の擬似アーティファクトは装着されていなかったそうだ。

今回の身体強化は1個ならまだ大丈夫と言う判断と、亡霊騎士に敵わなかったと言う点からつける事にしたらしい。


腕の部分はフィルさんの鎧は普通の鎧だが、亡霊騎士は腕にアーティファクト砲を仕込み、更に噂で聞いたイーストにあると言う「勇者の腕輪」と言うアーティファクトを模した光の盾と光の剣が出せる擬似アーティファクトが付いていると言う事だ。


「そんな事が…それでも何で亡霊騎士になって人を襲っているの?」

フィルさんがガミガミ爺さんに聞いている。

「…」

ガミガミ爺さんは答えたくないようで黙ってしまった。

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