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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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擬似アーティファクト。

村の人たちは日常茶飯事なのか、誰も亡霊騎士に危機感を持ったり驚いたりしないでいる。

ペック爺さんにお友達が無事で良かったねーと言うくらいで後は普通に挨拶をしている。


ペック爺さんの家に入ると小さな女の子が居た。

「お帰りなさい。おじいちゃん」

「あ、ドフおじいちゃん!いらっしゃい!」

女の子はガミガミ爺さんに気付くとペコリと頭を下げて挨拶をした。


「マリーちゃん?」

フィルさんがそう言うと女の子は「フィルおねえさん?」と言っている。

2人も顔見知りらしい。


「わあ、久し振り!2年半ぶりね」

「うん!」

そう言うとマリーはフィルに駆け寄った。


「マリーちゃんは今年13歳だったわよね?」

「そうだよ」


マリーは13歳にしては幼く、そして小さく見える。

それは服装のせいかもしれない。

青い大きなブローチが体の小ささを引き立たせていて、白いシャツにピンク色のフリフリのスカートを履いている為に10歳と言われても違和感がない。


「いてててて」

カムカは蹴り飛ばされた時に背中を打ったらしく背中をさすっている


「ケガしてるの?みせて!」

そう言うとマリーはカムカの背中を見て赤くなっている箇所に右手を当てる。


「やめなさい、マリー!」

「だいじょーぶ!【アーティファクト】!」

ペック爺さんの制止を無視してマリーは、アーティファクトを使った。

優しい光がマリーの右手にはめられた指輪から発せられた。


「これで大丈夫!」


確かに、カムカの背中にあった赤みは引いている。

「おっ!痛くねえ!ありがとうな!!」

「どういたしまして!」


変だ…

僕は今の出来事に違和感を覚えていた。



マリーの雰囲気?

カムカの傷?

治癒の指輪?

アーティファクト?


そうか…

「君は13歳なのに、なんでアーティファクトを持っているんだ?」


僕がそう言うとカムカとジチさんが「確かに!」と驚く。


「これはね、擬似アーティファクトなんだよ」

ペック爺さんが口を挟んでくる。


「四の村には「大地の核」と言う村が授かったアーティファクトがあるんだ。

まあ、逆だろうね。アーティファクトの傍に村を作ったが正しいかもね。

その核の側に居るとアーティファクトの威力が上がったりするんだけど、僕はこれを使って人の手でアーティファクトを再現出来ないかと思ってね。

もう10年くらい、ずっとコレの制作に没頭してるんだ」


擬似アーティファクト…それがあれば13歳でもアーティファクトを使う事が出来るのか…


「まあ、威力はまだまだで、さっきのアーティファクトもA級アーティファクトの力が出て欲しくて試行錯誤をしているんだけどね、Bに少し届かない感じかな?」


「アレがあれば私もアーティファクトを持てるのかい?」

ジチさんだ、ジチさんは自身のアーティファクトを国に取られた事。

元々のアーティファクトの能力をペック爺さんに事情を話す。


「それは大変だったね。

出来るよ。

前程ではないけどコレあげるよ」

そう言うと緑色の石が出て来た。


「これ、まだ装飾前のむき出しアーティファクトで今度はコレで何かを作ろうと思って居たんだよね。

風の力を「大地の核」から授かってあるから、以前持っていた「風の羽」りに近い能力が出るように調整しておくよ」


「本当かい?ありがとう!!」

そう言うとジチさんはペック爺さんに抱きついてしまった。


「悪い気はしないんだが、孫の前だと恥ずかしいね」


カムカもペック爺さんと話をしたそうだったが、ガミガミ爺さんが「とりあえず一度落ち着いて話をしようぜ?」と言う事でみんなテーブルを囲む事になった。


ガミガミ爺さんがまずは2ヶ月ぶりになってしまった理由を説明した。

「毒竜か?そりゃあ大変だったね。毎月きてくれていたドフが来ないから何かあったのかとは思ったけど毒竜だったとは…。

知っていたら何かアーティファクトを作って持って行ったんだけどね…」


「いや、俺こそ遅くなってすまねえな」

「まあ、こうして来てくれたからいいんだよ」


次に僕の経緯を説明するとペック爺さんは「国も亡霊騎士退治は難しいのか、ずっと放置しているから君に任せたのかもね」と言ってきた。


「それにしてもS級のアーティファクトが2つもあるなんて凄いね」

ペック爺さんは好奇心からトキタマをジロジロと見ている。


「僕の目的は亡霊騎士を倒す事だと思っています。ただ、今のままだとかなり厳しいですね。

せめて、今使っている「火の指輪」や「兵士の剣」の能力発動から次の発動までの間隔が正確になってくれれば少しは楽になるかも知れないのですが…」


「なるよ」

ペック爺さんはサラッと言ってのけた。

「要は視認…かな?わかればいいでしょ?」


「これあげる」と言って出てきたのは小指の爪サイズの透明な石だった。

ちょっと貸してと言い、剣と指輪に小さな穴を開けて今の石をはめ込む。


装飾が付いただけの剣と指輪にしか見えないが「持ってみてよ」と言われたので言われるままに装備をする。


ん?


剣に付けられた石が薄ぼんやりと光っているのがわかる。

「成功だね。発動が可能な時は光っているからね。後は…あー、家の中で剣は困るから指輪にしてね。かまどに向けて火の玉を放ってみてよ」


指輪も薄ぼんやりと光っている。


僕は言われた通り火の玉を出す。

すると指輪の石は光を失った。


「間隔が大体何秒か知っているの?」

「大体は20秒です。…もうすぐですね」


それから約10秒してから指輪から「カチッ」と音がして、また薄ぼんやりと光り始めた。


「うん、こっちも成功だね

これで音と光で発動が可能かどうかわかるようになったよ」


「凄いですね!ありがとうございます」

「いやいや、お安い御用さ。それ隠れたい時とかに邪魔だったら「つくな」「光るな」って念じれば大丈夫だから」


「俺にもなんかないですか!」

カムカがペック爺さんに詰め寄る。

2人でアレコレ話をした結果。


「君はこれだね。身体強化…大地の力を借りたアーティファクトの腕輪と火の指輪をあげるよ」

「本当ですか!ありがとう!!」


「これであの動きに少しでも対応できるし、「火の腕輪」に指輪の火力を上乗せしてA級以上、S級以下の火力を実現させよう。

他にも風のアーティファクトと併せて熱風攻撃とかでも良かったんだけど、熱風は仲間を巻き込みかねないからね」


当たり前のように話しているが、擬似アーティファクトの可能性は凄い。


「…いや、あえて水のアーティファクトとぶつけて水蒸気爆発でダメージとか…」

ペック爺さんは自分の世界に入り込んでしまう。


「おじいちゃん!!」

マリーの声でペック爺さんはハッと気がついた。

「危ないところだったよー。すぐに用意するから待っててね」


「ペック、身体強化は全部で3つだ」

ガミガミ爺さんがそう言う。


3つ?数を持てば効果が出るのか?

「それは…誰が使うんだい?」


「小僧、鎧を脱げ」

…?

僕は言われた通りに鎧を脱ぐ。

よく見ると鎧の内側、右胸の辺りに窪みがある。

「ここに1つを嵌めてくれ。もう1つは…フィル、お前も鎧を脱げ」


フィルさんの鎧の内側にも窪みが沢山あった。

「この窪みってこのためにあったの?」


「まあな」


「OK、OK。じゃあちょっと待っててね」

そう言うとペック爺さんはマリーと奥の部屋に行ってしまった。

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