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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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ジチ理論。

「ごめーん!遅くなったー」

そう言ってジチさんが入ってきた。

僕を見て「起きてる!大丈夫?」と聞いてきた。


「のぼせてしまいました」

「あれ、のぼせていたの?

もう、お姉さん心配したのよ」

僕は一体どんな醜態を晒したんだろう?


「みんなで服を着せてあげて、ドフ爺さんに運んで貰って、それにしても軽かったってドフ爺さんが言っていたけど若いんだからちゃんと食べなきゃダメよ〜」

みんなで服を着せた?

とても恥ずかしい事をサラッと言われたが、突っ込むとドロ沼のように抜け出せなくなるかも知れないから僕は聞き流すことにした。


「確かに申し訳ないですけど、ジチさんも壁を外すなんてやり過ぎですよ。僕だって男なんですから、恥ずかしいですからね」


「あら、お姉さん達の裸でのぼせちゃったの?若いわね〜って…ここ暗くない?」

ようやく一通り喋るとみんなの空気が重くなっている事にジチさんが気付く。


「僕のせいです」


「小僧だけが悪いわけじゃない。壁を外した姉ちゃんも、止められなかった俺も、いつまでも恥ずかしがっているフィルも悪い」


「え?お姉さんが一番悪くなるのはわかるけど、なんでフィルとキヨロスくんも悪くなるの?」


ガミガミ爺さんが、恥ずかしがるフィルさんの為に僕が跳ぶって話したこと、風呂でのぼせて気を失うような人がそんな事をする必要は無いとみんなで怒った事を説明した。


「あー、それはお姉さんの次にキヨロスくんが悪いわねー」


「ジチ!」


「フィルは黙っててね。

だって跳んでおしまいじゃないんでしょ?私たちは忘れてもキヨロスくんは私の裸もフィルの裸も忘れないんでしょ?」


「それはそうだけど、跳べばフィルさんは恥ずかしくないかなって思って…」


「いやらしいな〜、キヨロスくんは」


「え?」

「それで私達が知らないのをいい事に1人で私達の事を見るたびに裸を思い出してニヤニヤするんでしょ?」


「あ…」

フィルさんが真っ赤になって僕を見る。


「そんな事はしないです!」

僕はムキになって言う。


「だから、そんな事をしないのなら今のままでいいの」


フィルさんは人差し指で僕の鼻をつつきながら笑ってそう言った。


「はい」

跳ぶ事はフェアではない時があるんだなと改めて気付かされた。


「でー、お姉さんの裸はどうだった?綺麗だった?」

…どうしてこの人は余計な事を言うのだろう?

黙っていればすごくいい話だったのに…


「フィルの方が綺麗だったかな?やっぱりお姉さんもフィルには勝てないわよねー。悔しいとすら思わないのよね」


「ジチ、やめてよ!」

「おい姉ちゃん…」


2人とも呆れている。


「フィルさんはお湯の中に居たから肩から上しか見てないし、ジチさんは仁王立ちして居たところは見えたけど…」


「えー?フィルはそれで照れているの!?と言うかキヨロスくんはそこからのぼせて居たの?」


ジチさんは僕とフィルさんに「純情ねぇ」としみじみ言っている。

僕からすれば都から来た人はどれだけスレているんだ?と言う話になる。


「小僧、落ち着いたか?」

ガミガミ爺さんがそう言った。

空気を悪くした張本人は出て行けと言うのだろう。


「うん。ガミガミ爺さん、フィルさん、ムラサキさん、お邪魔しました。ジチさんもおじさんの所に行ったりしてくれてありがとう。

3人ともお風呂ではのぼせてごめんなさい。

じゃあ、お邪魔しました」


僕はトキタマに行こうと声をかけて荷物を持つ。

「必ず明日の朝には鎧を受け取りに来いよな」

ガミガミ爺さんに言われる。


「はい」


僕はそう言うとガミガミ爺さんの家を離れておじさんの家に向かう。

おじさん達はお風呂でのぼせた事を心配してくれて水とかお茶とかが沢山出てきた。


ジチさんの事もそうだが、おじさん達は子供を病気で亡くしているらしく今も子供が居たらと言って色々してくれる。

病気で亡くした後も子供が欲しかったらしいが命の絶対数の影響なのか子供が授かれなかった事を悔やんでいる事を話していた。


この人達ならジチさんやあの10人が三の村に来ても良くしてくれそうだ。

良かったと思いながら僕は眠る事にした。

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