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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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毒竜戦三度。

61回目の時間。

僕の目の前にガミガミ爺さんがいる。

「ん?ここは…朝?」

ガミガミ爺さんは何が起きたのかわからないと言う顔をしている。


「トキタマの力で跳んだんですよ。これから僕は毒竜退治に向かう所です」

そう言うとガミガミ爺さんは状況の理解をした。


「では、トンカチとツルハシとロープに杭をお願いします」


「それで覚えておけなんて言ったのか。

待っていろ」

ガミガミ爺さんが道具を用意してくれている間に、僕は小屋の裏手に回り洞窟の入り口を探す。


「こっちに来るならそう言えよ」

ガミガミ爺さんが呆れ顔で来た。

僕はガミガミ爺さんから道具を受け取ると「行ってきます」と言ってツルハシで埋もれている壁を砕き現れた穴に入っていく。


「小僧!よろしく頼むぜ!!」

ガミガミ爺さんの声が洞窟にこだましてちょっとうるさい。

それだけフィルさんが大事なのだろう。


僕は記憶を頼りに元来た道を戻る。

途中二箇所ほど間違えたが最期の登りを抜けて今は壁の前にいる。


さて、ここからが大事だ。

僕は受け取ったロープを腰に巻き、反対側を杭に巻きつけてロープと身体の間に差し込む。


ツルハシを持って、あまり大きな音を立てないように壁を壊す。


壁はあっという間に壊れて眩しい光が差し込む。


僕は松明がわりの火球を剣に纏わせて、現状1番攻撃力のある状態にする。


落ち着け…

この一撃が肝心だ。


まずはこの一撃が入らないと話にならない。


僕は音を立てずに山肌から下を見る。

音に気づかなかったのか、興味がないのか、毒竜は落ち着いた感じで休んでいる。


これからの自分の動きを三回イメージしてから僕は飛び出した!!


「【アーティファクト】!」


山肌から飛んだ勢いと「兵士の剣」の能力を合わせることで1番攻撃力のある技になると思う。

問題は飛びながら能力を使った事がなかった事と毒竜にかわされてしまう事だ。


「手首に力を入れて…」

ガミガミ爺さんの言葉を思い出して剣を振り下ろす。


僕の剣は見事に毒竜の背中を切り裂いてそのまま刺さった。


僕はすぐさま右手で剣を抑えて体勢を崩さないようにする。


毒竜は突然の激痛に混乱をして咆哮を上げながら走り出した。

ここで振り落とされたら元も子もない。

僕は左手で杭を持ち、切り口から毒竜の体内に杭を打ち込む。


振り落とされないように気をつけながら剣で器用に傷口を広げて杭を打ち込みやすくする。

手を離しても杭が抜けない事を確認したら次はトンカチだ。

左手でトンカチを持って一心不乱に杭を叩き続ける。


今までに感じたことのない激痛なのだろう。

毒竜は今までのどの咆哮よりも苦しそうに吠える。

毒竜の中に杭が打ち込まれ、杭自体が見えなくなった事を確認した僕はようやく剣を抜いて立ち上がる。


足場はかなり不安定だが、僕の腰のロープはしっかりと毒竜の背中に打ち込まれた杭に繋がっていて落ちる心配はない。


僕が狙うのは…翼だ!

杭を打ち込む為に時間が経っていたのですぐさま「兵士の剣」の能力を使う。


「【アーティファクト】!」

一瞬で毒竜の翼に切り込む。

出来ることなら根元から切り落としたいので根元を狙った。

だが、骨まで切ることは出来ずに剣が翼の途中で止まる。

これは作戦を変えるしかない。

僕は手当たり次第翼膜を狙うことにした。

翼膜は今まで斬ってきたどの部位よりも柔らかく、狙い通りに斬る事ができた。


毒竜は走って僕を振り落とそうと必死だが僕は落ちない。

走るたびに毒竜の傷口から血が吹き出すのが見える。

これはかなり効いている。


そうしている間にも右の翼膜はボロボロになっていく。

剣の届く範囲の翼膜はあらかたボロボロにし尽くした。


「【アーティファクト】!」

左の翼膜に行く為に「兵士の剣」で切り込む。

もしかしたらとついつい翼を狙ったが、こちらも骨で剣が止まる。


毒竜は走る事を辞めた。

多分、次の攻撃は尻尾からの毒霧だろう。

尻尾は薙ぎ払いではなく打ち下ろしだった。

僕は打ち下ろしに対し、威力の少なそうな尻尾の根元側に向かう。そして剣を毒竜に突き立てる形で受け止める。



今までに無いほど深々と剣が毒竜に突き刺さる。


毒竜がまたあの目になった。

しかし今回は攻撃の手段は限られている。

毒霧は「火の指輪」で相殺する。


勝てる!


そう思ったのだが、刺さった剣が抜けない。


しまった…



僕が必死に剣を抜こうとした時、毒竜は猫が地面に背中を擦り付けてノミ取りを行うような動作に入った。


まずい、剣は毒竜の背中に突き刺さっていてロープを切り離せない。

僕はそのまま毒竜に押しつぶされて下敷きにされた。

ボキボキと全身の骨が折れるのがわかった。

このまま死ぬとどのタイミングに戻されるのかわからない。

だから今この瞬間に僕は跳ぶ。


トキタマ!

「はいはーい」


僕は着地の瞬間を今までに無いほど強くイメージした。

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