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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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旅立ち。

[4日目]

起きたのは夜明け前。

トキタマにアーティファクトの反応を聞くと、位置は違うが前と同じ数が配置済みみたいだ。

そうだ、向こうは跳んだ事を知らないから同じく配置は済んでいるのだろう。


「そう言えばまた成長したのか?」とトキタマに聞くと持って跳べる記憶の数やアーティファクトの種類、アーティファクトの級が高くても装備可能になった事を言われた。

後、目新しい部分で「肉体の経験値」を持って跳べるようになったらしい。

今までは剣を100回振るっても跳んで戻れば僕の肉体上は0回になっていたが、今度からは100回の経験も体に残るらしい。

トキタマに言わせれば、それも沢山跳ぶようにしてくれたリーンのおかげらしい。


父さんと母さんは起きていた。

寝ていたら黙って出ていくつもりだったのが見透かされたのだろう。

昨日のリーンのお父さんの言葉を思い出す。

親というものは凄いな。


「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

「気をつけてな」

僕たちは3人で抱き合った。

右手に父さんの感覚、左手に母さんの感覚が伝わる。


少しだけ名残惜しい気持ちになったが約束の日の出までにフードの男を探さなければならない。

僕は家を出た。


前回見かけた場所にフードの男は居なかった。

おそらく父さんと母さんが起きて居た事と僕の心境の変化が影響したのだろう。

日の出までにフードの男を探す為に僕は走った。


このままでは総攻撃が始まってしまう…


結局フードの男は見つからずに総攻撃が始まってしまった。

まだ、誰も死んでいない。死んでしまったら僕は止まらなくなる。

僕はそう言い聞かせて跳ぶ事にした。



56回目の時間。

父さん母さんと抱き合ってすぐに家を飛び出した僕はフードの男を探す。


リーンの家の方も見たし、南の方も見た。

だが居なかった。

焦る僕をあざ笑うかのように時間は過ぎていく。


今度は日の出の少し前にフードの男を見つけることが出来た。

北の村はずれに居た。


フードの男はこちらを見ると全てを理解したようで「条件は総攻撃の中止か…」と、言った。


「そうだ、僕は約束を守ったのだからお前も約束を守れ」

僕はそう言うとフードの男は手を挙げた。


村の至る所に配置された兵隊がフードの男のところに集まる。

見た感じはこの前と編成が変わって居ない。

剣の兵隊が4人で、後は弓と剣を装備した兵隊が2人に火のアーティファクト使いが1人の3人編成が7組居た。


「探っているのか?」

「そうなりますね。あなた方がいつ僕を裏切るとも限らないですから」


「約束を守っている間は大丈夫だ、まあ10日以内に城に行かなければ兵士達には総攻撃をさせるがな」

10日…三の村と四の村で何をするのかわからないが、足りるのであろうか?


「ああ、もう一つ伝えておこう。良い話と悪い話だ、どちらから聞きたい?」

「どちらでも構いません」


「まあ、どちらも同じ事なのだがな。この兵士達は王のアーティファクト「支配の王錫」の力で意思を奪われている。話をするくらいは出来るが痛みなんか感じないで立ち向かってくる。だから良い話はお前の居ない間に村で何か悪さを行うと言うことはない。そして悪い話はいくら村の連中が情に訴えかけても命令があれば簡単に虐殺行為を行う」

確かに、良くも悪くもある話だ。

それにしても王のアーティファクトは「雷鳴の杖」では無かったのか?「支配の王錫」なんて聞いた事がない。


「お願いがあります」

「それが願う態度か?」


「言うことを聞いているだけでも十分だと思いますが?」

「まあいい、言ってみろ」


僕は村の備蓄を気にしていたので、狩りに出られるようにして欲しいこと、後は村の食料を必要以上に取らないで欲しいと言うことを伝えた。


「狩りはダメだ、兵士達は村から出るものを殺すように指示をする。その説明は村の連中にしてやる。

食料は安心しろ、この兵士達は食事も睡眠も不要だ。アーティファクトの能力でどちらも必要としない」


「…」

「不服か?それなら今すぐに総攻撃だがな」

どうしても立場が弱い僕は最後には従うしかない。


「わかりました」

「なら行け」



まずは二の村を目指す。

大人の足で半日と言われているので僕でも昼には着くだろう。


二の村まではトラブルと言うトラブルもなく順調に街道を進んでいく。


昼を過ぎた頃に二の村に着いた。

二の村の規模は僕の住む村とあまり変わらない。

その村が焼け落ちている。

これが僕たちの村の未来だ、そうならない為にも早く行かねばならない。

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