勉強会 その1。
「相変わらずキョロはタイミングがいいよな」
「本当「何でかわかる」って言うのは本当なのよね」
僕達は<降り立つ川>に来た。
まずはアーティファクトの成長について知って居る人間が村には居ないからだ、村にいないなら神の使いに聞けないかと思い祭壇まで来た。
「もしもーし!入ってますかー?聞こえますかー?」
ナックが祭壇をノックしながら声をかける。
「そんな、トイレじゃないんだから…」
リーンが呆れている。
本当なら同じアーティファクトのトキタマが詳しく話してくれればいいのだが、やはり他のアーティファクトには興味が無いようで言おうとしない。
僕はそれ以外に何故僕だけ二種類のアーティファクトを使えているのかを知りたかった。
「ダメだな」
ナックがノックに飽きて諦めている。
「そう言えば、キョロはその剣を持って跳ぶまでは私のアーティファクトを使っていたんだよね?どう言うものを精製したの?」
リーンが僕に聞いてきた。
日常を取り戻せたらそれの指南をしようと思っていたのだった。
「そうだ、その話もしたかったんだ。
僕が精製出来たのは、ナイフ、釘を大きく太くしたような杭、後は刃の飛び出るナイフ、それと鞭。失敗したのはダガーナイフかな」
ダガーナイフ…この<降り立つ川>で失敗して2人を助けることが出来なかった…
嫌な事を思い出した。
今2人はここに居るんだ、嫌な事は忘れよう。
「凄いね。ねえ?キョロ、見本…見せてくれないかな?」
「お、いいなそれ!見たい見たい」
「え?…でも…」
今僕はトキタマと「兵士の剣」を持っている。
ここで3つ目に手を出すのはどうなんだろう?
ナックの言っていた例の静電気が起きるかもしれない。
「いや、静電気が…」
「静電気?何言ってんだ?」
ナックが不思議そうな顔をしている。
「昨日、ナックがリーンのアーティファクトを試してみようとして…」
「俺、そんな事してないぜ?」
「あ!」
僕は気が付いた。僕が跳んで来た後でナックはリーンのアーティファクトを使おうとしていたんだ。
そこに僕が跳んできて兵隊との戦闘に巻き込んだんだ。
そうだ、この時間のナックは何も知らないんだ。
「リーン、「万能の柄」を貸して」
「え?ええ、いいわよ」
僕はリーンから「万能の柄」を借りてそのままナックに渡す。
「な、なんだよ?」
「ナック、ナイフを精製してみてくれないかな?」
「別にいいけど、へへへ…昨日から興味があったんだー。【アーティファクト】!」
バチッ!!
一瞬静電気が起きてナックの手から「万能の柄」は離れた。
離れたと言うより弾かれたと言った方が的確かも知れない。
「いってぇぇぇ!?」
「ナック、大丈夫!?」
リーンがナックを心配そうに見ている。
「なんだよこれ?キョロはこうなるって知っていたのか?」
ナックが怒り気味に僕を見ている。
「知っていたと言うか、昨日ナックが試して教えてくれたんだよ。
それでナックがダメだったから僕にも試してみろって「万能の柄」を持たせてきたんだ、結果僕は精製出来てそのおかげで今があるんだけどね」
「なんだよそれ…ずるいなぁ」
ナックはもう怒ってはいない。ちょっと不服そうな顔をしている。
「だから、僕ももう「兵士の剣」を持っているから持たない方がいいかなってさ」
「大丈夫だと思いますよ〜」
トキタマが突然言い出した。
「お、トキタマが言うなら行けるんじゃないか?」
「ねえ、キョロ、やってみてよ」
静電気は怖いけどこうも期待をされると断るのも勇気がいる。
「仕方ない、やってみるよ」
僕はリーンの「万能の柄」を手に取った。
「まずはナイフ、【アーティファクト】!」
「凄い!」
リーンが驚いている。
内心、僕も静電気が来なかったことに驚いている。
そのまま僕は刃の飛び出るナイフにして十歩先の石に当てた。
「わ!?わ!?本当に刃が飛んだ!凄い!」
僕は段々と気を良くなり、実演をしながら杭と鞭を見せた。
「リーン、君のアーティファクトはイメージを形にするのが基本なんだけど、逆にこうあって欲しいと言うのを柄に送り込む事でも精製が出来るんだ。僕が出した杭も兵隊の鎧を貫くためにイメージしたら出来たんだ」
「そうなんだ!そうなんだ!!」
凄い凄いとリーンが喜ぶ。




