表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
17/307

壊滅。

「あ、…あ…あぁ…」

そこには変わり果てたリーンとナックの姿があった。

リーンがナックに覆いかぶさる形で倒れている。2人の身体を一本の剣がつなげていた。

そしてその傍らには2人の兵隊の死体が転がっていた。

1人は僕を殴り飛ばした兵隊だった。


これは想像でしかないが、僕が殴り飛ばされた後にリーンは飛ばされた僕を案じて川に近づいた。

それを兵隊が捕まえようとしたのだと思う。

事切れたと思われたナックが力を振り絞って兵隊を倒してリーンを守る。

しかし、次の瞬間には新たな兵隊が現れてナックに剣を向けた。

リーンはナックを庇い2人まとめて剣で串刺しにされ、ナックも最後の力で兵隊と刺し違えた。

多分、そう言うことが行われた感じだった。


僕が川に落とされた時、ナックの胸に突き刺さっていた剣はアーティファクトであったからかどこを見てもなかった。

そしてナックのアーティファクトも無くなっていた。


僕は酷く後悔をした。

もっと考えながら戦っていればこんな結末にはならなかったかも知れない。

もっと力を持っていればナックやリーンを救えたのではないか?

激しい後悔が僕を襲う。

産まれた時から一緒だった2人の死体が目の前にある。

それも無残な姿でだ、その事実が僕の胃を激しく揺さぶった。

そして僕は吐いた。


口から出てくるのは先程食べた母さん達が作ってくれていたご馳走だ…それを無駄にしてしまったショックからまたさらに吐いた。


そうだ、村のみんな…

これ以上は見たくない気持ちと、見なければならない気持ちがごちゃごちゃになっていたが僕は村に向けて歩いた。


村が近づくと焦げた嫌な臭いが鼻につく。

その臭いから嫌な予感がどんどんと増しているが、もしかしたらと言う甘い希望で何とか前へ歩く事が出来る。


しかしその希望も一瞬で崩れ去る。

火を放たれたあの後、追い打ちでかなりの量の矢も放たれたのだろう。

生きている人間は誰も居なかった。

家々もアーティファクトを求めて荒らされた跡がある。


「何なんだよこれ?どうしてこんな…こんな…」

村長、村の人たち…誰1人として欠けて欲しくない。


ナック…何事も勢いが凄くていつも楽しい奴で、これからもずっと一緒に大人になって、僕が狩りをしてナックは木を切ったり、村にきたモンスターや動物を倒して。そうして生きていくと思っていたのに…。


リーン…いつも優しく気を使ってくれていた。僕はその気持ちに報いるためにも彼女を守ってあげなければと思っていた。将来は他の村に嫁ぐのか、ナックと結婚するのかは分からなかったけれど、絶対に今ここで死んでいい人では無かった。


父さん、母さん…もっと色々な話をしたかった。産まれたトキタマを見て喜んで貰いたかった。僕は父さんと母さんの喜んだ顔が見たかった。


…トキタマ……

そうだ、僕にはトキタマが居る。

こんな結末は変えればいい。

村のみんなが生き残る結末になるまで何度でも何度でもやり直せばいい!


「トキタマ!」

「ここに居ますよお父さん。どうしましたお父さん?」


「トキタマ…?」

何かトキタマから違和感がする。何か変なものを感じる。

口調はいつものトキタマだが、何かまとわりつくような、絡まってくるような何かを今のトキタマから感じる。


「どうしましたお父さん?僕の力が必要ですか?」

だが今の僕はそんな事はどうでも良かった。

「トキタマ、僕は跳ぶ!」


トキタマがニヤリと笑った気がした。

「でもお父さんは起きた事件をやり直したくても、どうしたら解決できるかを知って居ないから跳んでもまた同じ結果になるかもですよ」


「それでも僕は跳ぶ!解決策?そんなものは奴らを全部やっつければ終わる!跳ぶんだ!」

僕は声を荒げていた。


「了解ですー」

「【アーティファクト】!」

そう言うと僕はトキタマの羽根に包まれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ