表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
116/307

更に成人の儀へ。

光が収まると目の前には心配そうなリーンと神の使いが居た。

「キョロお帰り」

「ただいま」


「良く戻りました。キヨロス。しかもまさか鬼と対峙して剣を得るとは思いませんでした」


剣…そうだ。剣だ。

僕の掌に金色の立派な剣があった。


「S級アーティファクト「革命の剣」ですね」


「キョロ!またS級なの?」

リーンが驚きの目で僕を見る。


「この剣なら王に届くかな…。でもこの剣を手に入れるために僕は今までの剣を…」


「見ていましたよ。あのアーティファクトはまた神の元に帰ります。そこで「記す者」が今までの戦いを記し元の姿に戻します。その後は次の<成人の儀>で新しい使い手に授けられる日を待っています。アーティファクトは終わりません。大丈夫です。」


僕は神の使いの言葉に救われた。

ちょっと涙目になってしまった所をリーンに見られて「よしよし」と頭をなでられた。


「キヨロス、その剣は威力だけではありません。剣が言っていたように「兵士の剣」の能力も覚えました。そして最大の能力は12本の光の剣を飛ばして攻撃できるところにあります」


それで鬼が12匹居たのか…


「良かったねキョロ、これで今度は勝てるね!!」

リーンが嬉しそうに喜んでくれた。


「まだ駄目なんだ」

「え…キョロ?」


「もう一度行きます。全てのアーティファクトを取らせてください」

僕は神の使いにそう告げた。


「キヨロス、貴方はS級のアーティファクトを二個も授かったのです。それを振るえているだけでも奇跡に近いのですよ」

神の使いも驚く。


「ねえ、キョロやめて?無理しないで」

「大丈夫だから、ね。明後日の話になっちゃったけど、僕はまた綺麗なリーンに会いたいから大丈夫だから」

涙を浮かべるリーンに僕は笑ってみた。

「止めてもダメなんだね」

「大丈夫だから」


そう言って神の使いを見る。


「僕の可能性、その全てのアーティファクトを授ける事は権限外の行動ですか?」

僕は神の使いに詰め寄る。


「いえ…そんな事は…」


「ではお願いします。僕に全てのアーティファクトを授けてください。」

しばらくの沈黙。


「…わかりました。それでは行きなさい」

「はい」


そうして僕は光に吸い込まれて行った…。


今度は闇…どこまでも続く闇。

無音の世界。

僕の雪を踏みしめる足音だけが聞こえる世界だった。


今回も分かれ道は上り坂を進む。


そして前回同様に下り坂になり、目の前に崖が広がる。


ここだ、ここで万一僕が落水していたらどうなっていたのだろう?

どんなアーティファクトを授かれたのだろう。


僕はそう思いながら飛び込んだ。


中の水は冷たくて流れも強い。

何回か腹と背中に岩が当たったがガミガミ爺さんの鎧が僕の身体を守ってくれた。


しばらくして息が続かなくなり流れが弱くなったころ僕は浮上する。


浮上した所は庭園の池と言った感じの穏やかな場所だった。

池の中心に光を放つ祭壇が見えたので僕はお泳ぎ進めて上陸をする。

上陸の際に、先ほどの激流で鎧が壊れていたのだろう。

中に仕込んでもらった身体強化のアーティファクトごとガミガミ爺さんの鎧が水中に沈んで行ってしまった。


回収に向かう事も考えたのだが、水の底はとても深そうで僕ではとても底には行けそうもない。

これはまたガミガミ爺さんに作ってもらうしかない。

…怒られそうと言うより、がっかりされそうで申し訳ない。


とりあえず今は新しいアーティファクトを授かる事にしよう。

僕は光に手をかざし「アーティファクト」と唱えた。


光が収まると目の前にはリーンと神の使いが居た。

「キョロお帰…うわ、ビショビショだよ」

「ただいま」


「お帰りなさいキヨロス。まさかあの水に飛び込むとは思っていませんでした」

神の使いもそこまでやるのか?と言う顔をしている。


「僕の鎧…」

「あの鎧は後で神様に献上をします。そこで神様がお認めになれば新たなアーティファクトとして再生されます」


ああ、返ってはこないのか…

そう言えば、今回は何を授かったのだろう。

僕は掌を見るが何もない。


馬鹿には見えない何かとかだと困る。

「もう、着ていますよ」

神の使いがそう言うと僕の身体を指さしてきた。


…僕の身体には銀色の鎧が着いていた。

形はガミガミ爺さんが作ってくれた鎧に酷似していて、新しい鎧を着けている事すら気づかなかった。

「その鎧はS級アーティファクト「万能の鎧」です。」

「万能って…私の?」


「そうです。リーンと同じ万能系のアーティファクトです」


「ただ、S級なので、「万能の柄」と違うのはイメージした物を具現化するのではなくイメージした効力を鎧に付与する事になります」


「イメージした効力…」

「効果と取ってもらっても構いません。基本的に防御力は「紫水晶の盾」に近いので防御力よりも別の事に力を使った方が良いでしょう。前の鎧に着いていた「身体強化」の効果を付与してみてはどうでしょう?」


僕は擬似アーティファクトを使った時の感覚を思い出しながら【アーティファクト】と唱えた。鎧が一瞬光った。


「成功ですね。この要領で後2つほど恒常的に付与できます」


僕はムラサキさんの防御を思い浮かべた自動防御と自動反撃を付与してみた。

自動反撃は試せていないが。自動防御はリーンの投石を問題なく防いでくれた。



「もうこれで終わりかな?キョロは…今日はこのまま村に居るんでしょ?」

リーンが僕を見つめてくる。


「ううん、まだ道があるから行かなきゃ」

「そうですね。あと一つ。最後のアーティファクトがあります」


ああ、あっちの道は分かれ道になっていないのか…

じゃあ、本当に僕は自分で大変な道を選んでいたんだな、なんだかそう思うとおかしくなってしまった。


「まだあるの?」

「うん。だからもう一度行ってこないと。」

そう言って僕は神の使いの方を見る。


「これが最後です。それでは行きなさい」

「わかりました」


そうして僕は光に吸い込まれて行った…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ