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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
112/307

状況把握。

89回目の時間。

「俺は後何回死ねばいいんでしょうか?」

カムカが開幕早々にそう言っていた。


マリオンに何があったかを聞いたが、腕に襲われた後の記憶は無いそうだ。


フィルさんとムラサキさんに王の攻撃を防げたかを聞いてみたが、防げた気はしたが僕が死んで跳ばされたからよくわからないという事だった。


若干の手詰まりを感じる。

仮にフィルさんの防御で僕達が生き残れたとしても次の攻撃に耐えられる保証もなければ、連発されればフィルさんの後ろから出る事も出来ない。


この二回、色々な戦い方をした事で僕達の能力は上がったと思うが、何回戦っても今の王に届く気がしなかった。


「どうするよ?」

カムカが僕を見る。


「何が問題だか考えてみない?」

フィルさんが気を使って言ってくれた。


さっきの右腕を狙った時に感じた問題を僕は考えた。

「攻撃力不足だ」


フィルさんは防御専門で槍は持っているが殆ど使えない。

それに槍はアーティファクトではない。


カムカは筋肉と擬似アーティファクトでカサ増ししているが、アーティファクトはA級だ。


マリオンは亡霊騎士の鎧は確かに強力だが、擬似アーティファクトの塊…。

専門性のようなものが足りない。


だが、1番の問題は僕だ。

僕の剣は一の村を襲った兵隊から奪ったアーティファクトにガミガミ爺さんが毒竜の鱗で強化してくれただけの剣。

アーティファクトとしてはB級だ。

「火の指輪」にしても奪ったものでB級だ。



「僕の攻撃力が一番足りない」

そして今考えていた事を皆に話す。


「ならどうするんだよ?」


「もし、僕1人なら、毒竜や亡霊騎士と戦った時みたいに何回も跳び続けて勝つ為の何かが見つけられるかも知れない…」


「それはダメ!」

フィルさんが拒否をする。


「キョロくん、今まで何回跳んでいるの?」

「………はちじゅうきゅ…」


「そんなに跳んでる!ダメよ。たとえ跳んだとしても、もっと少ない回数で済むように考えよう」


「そうだぜ、な?王都を目指してみるとか、別の可能性を探すとか、S級の武器を授かった奴を探して仲間にするとか…」

カムカの言葉に僕は一つの可能性を見出した。


「それだ…」


「んあ?」


「聞いて、フィルさん、カムカ、マリオン」


「どうしたの?」


「僕は今から1日目まで跳ぶ。<成人の儀>で僕にはトキタマの他にアーティファクトを授かれる可能性があったんだ。もしかしたらその中には武器があるかも知れない」


無いかもしれないが、今確実なのは僕が強くなる事だ。


「別の土地に行ってS級の使い手を見つけるのも悪くないけど、今この段階で一の村の皆は手遅れになっているかも知れない。

ここに来るまでの5日間にS級の使い手を探す余裕は無かったから、今確実なのは<成人の儀>に跳んでもう一度授かる事だと思う」


「そんな事出来るのかよ?」


「わからない。でもやらないよりマシだし、何より、1日目から最短最速で城を目指せば王は兵隊のアーティファクトを吸収していないから今よりは弱いはずだから」


「確かにそうだけど、そんなに跳んで大丈夫なの?」


「大丈夫。今こそ跳ぶ時だよ」

僕はニコリと笑ってみせる。


「でも、一つだけ気になる事もあるんだ。カムカ、お願いを聞いてくれないかな?」


「おう!何でも言ってくれ」


「僕が1日目に跳ぶと言うことは、亡霊騎士…マリーとマリオンの事も、毒竜…フィルさんの事も解決前に戻ってしまうんだ。


僕は今まで通り、三の村、四の村の順番で進む。カムカは僕が<成人の儀>をしている間に少しでも先に進んで置いて欲しい。そして四の村で落ち合いたいんだ」


「おう!任せておけ」


毒竜の毒は炎で相殺できる事、亡霊騎士のアーティファクト砲も炎で跳ね返せる事を説明した。


「亡霊騎士は先に村長から制御球を取り返す方が良いかもしれない。

毒竜は角を必ず持ち帰って」

「わかった」


カムカと話し終わった僕はフィルさんを見つめる。

「キョロくん…」

「ごめんねフィルさん」


「ううん、仕方ない事だわ」

「それでもフィルさんにまた苦しい思いをさせてしまうのが嫌なんだ、だけど今はこれしか思いつかなくて…」


「何でも背追い込まないの。キョロくんは頑張ってくれている」

「ありがとう」


「申し訳ないと思うなら、カムカより先に私を助けに来て」

「出来るかな?」


「あら?自信ないの?」

「僕が<成人の儀>をしている間に、カムカは二の村から始められるからね」


「私はキョロくんなら出来る気がするわ」

「ありがとう。頑張るよ」

フィルさんは優しく微笑んでくれた。


僕は次にマリオンを見る。

「マリオン、ごめん」

「仕方ないって、今のままじゃ勝てないんだし、アンタが私を助けたんだからアンタの決めた通りに従うよ。ま、私としてはあの楽しげなアンタをもう一度見たかったけど、それすると危ないみたいだし。私もお姉ちゃんと一緒で待っているからさ。早く助けに来てよね」


「うん、わかった」



僕はじゃあ跳ぶよと声を掛けて跳ぶ

「トキタマ!」

「はーい!」


跳ぶ場所は勿論…

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