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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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悪魔。

「まずは殴ってみる!」

カムカが殴りかかり、マリオンもそれに合わせる。


王は後ずさることなく平然としている。

とてもダメージを受けているようには感じない。


「それならアーティファクトだ!」


「「【アーティファクト】」」


カムカがアーティファクトで殴りつけ、マリオンがタイミングを合わせてアーティファクト砲を撃ちこむ。


「ぐぅっ…」

アーティファクトの一撃なら多少は効果があるようで王がひるむ。


「これならいける!?」

僕も剣で切りつけようとした時、国王が立ち尽くした状態で口を開いた。


「【アーティファクト】」


その瞬間、部屋は眩しい光で何も見えなくなり僕たちは吹き飛ばされていた。



88回目の時間。

「死んだわ、俺絶対に死んでいたわ」

カムカの開幕死にました宣言で始まった。

場所は城に入る前、門番が見えるか見えないかの位置に居た。


多分、僕たちは死んだ。

死んでトキタマが安全だと思われた場所に跳ばされたのだろう。


「ムラサキさん」

フィルさんがムラサキさんを呼ぶ。


「はい?」

「ムラサキさんは跳べた?」


「そうですね、私も跳んでいますね」

何と、今まで跳べなかったムラサキさんも跳んでいた。

まだ90回に届いていないのになんでだろう?


「お父さんが沢山跳んで僕を成長させてくれたからですからね!エッヘン!」

トキタマが胸を張っている。


案外、トキタマのカウントは適当なのかも知れない。


「ムラサキさん、あの王ってなんなの?」

僕がムラサキさんに聞く。


「恐らく、アーティファクトを無理矢理複数持ちして人間を辞めてしまった存在でしょう。

本人は人間のままで限界を超えたと思っているのだと思います。それを指摘されたりすると…」

「記憶を改ざんしてでも誤魔化すのね」

フィルさんがそう言った。


「どうすれば勝てるかな?」

僕の質問にムラサキさんが非常に困った顔をした。


「タイミングが非常に悪いです。

恐らく、兵隊を何人も殺してアーティファクトを取り込んだでしょう。

あの一撃も何かのアーティファクトの力ではなく、純粋に取り込んだアーティファクトの力を放出しただけです」


「何かS級の力ではなく?」

「そうです。C級やB級でも数を取り込んだアーティファクトの力です」


「質より量かよ…」

カムカが困ったように言っている。


「恐らく、もう少し早ければ…兵士のアーティファクトを取り込む前なら力はまだ弱かったと思います。後、勝算があるとすれば、あの右腕「龍の顎」を王から切り離すのです。そして完全に破壊をする。そうすればあのような姿になる事は無いと思います。

まあ、あくまで過程の話です」


それならと僕たちは右腕を集中攻撃して、僕とマリオンが右手を切断する係、カムカが胴体の足止めをしようと言う話になった。


そして万一悪魔化した時にはあの一撃をフィルさんのアーティファクトで防げるか検証をしようと言う話にした。

無論、フィルさんは検証について反対したが「ここは跳び時だよ」と言うと諦めてくれた。



門番に言ってフードの男を呼び寄せる。


「遅かったな」

「それはもういい、いいから奥に通せ」


「そうか、もう一度王に負けて跳んだのか、諦めて「時のタマゴ」を渡したらどうだ?」

「いいから奥に通せ」


王との邂逅。

最早こちらから何も語ることはない。

王とフードの男のやり取りが終わるのを待つ。

会話の終了にあわせて足場が片付いた瞬間に斬り込む。

僕の先制攻撃は王の右腕を見事に切断した。


「カムカ!」


「よっしゃあ!!」

カムカが勢いをつけて大きく振りかぶる。


「【アーティファクト】!」


次の瞬間、王の身体は炎に焼かれながら遠く壁際に吹き飛ばされた。


「マリオン!」

「わかってる!」


「【アーティファクト】!」


僕は「兵士の剣」でとにかく切り刻む。

マリオンも光の剣で一緒になって右腕を刺し続ける。


しばらく攻撃を続けたが、右腕が千切れる様子も細切れになる様子もない。


「おい!まだかよ!!」

カムカが苦しそうな声を出している。


「カムカ!?どうした?フィルさん!!」

僕とマリオンは右腕から目を離せないのでフィルさんに聞く。


「王の身体がダメージを受けている感じが無くて、一直線に右腕に向かって進もうとしているのをカムカが必死に止めているの!!」


今王に来られると困る。

「アンタはあっち行って、私がやってみるから」

マリオンが僕に王の方へ行けと言う。


僕は走りながら王の足を狙う。

「【アーティファクト】!」


僕の剣劇が王の右足を切断する。

王は転がったが、次の瞬間にはまた右足が生えて右腕の所に向かおうとしていた。


「なんなんだよコイツは…」

カムカが情けない声を出しながら王を殴り続ける。


「マリオンが頑張っていくれているから僕たちは足止めに徹しよう」


そう話していると後ろから爆発音が聞こえる。

マリオンがアーティファクト砲を放ったのだろう。


「ダメ!破壊できない!!」


「マリオンがこっちに!カムカが向こうに!!」

僕が指示を出すと「そういう事なら!」とカムカは王を壁際に蹴飛ばしてから右腕の所に向かう。


変わってマリオンが「お待たせ」と言いながらこちらに来た。


先ほどからずっと攻撃を食らわせているが、王の身体も右腕もダメージを負っている風にはとても見えない。


「私が足止めするからアンタはあっち行って」

マリオンがそう言うと光の剣を王の口に突き立てて壁まで走り括り付けた。


確かにこれなら時間は稼げるだろう。


「キヨロス!焼いてみよう!!」

カムカの呼び声で僕は火を纏わせた剣を、カムカはアーティファクトと擬似アーティファクトを両方解放した拳を用意した。


「行くぜ!【アーティファクト】!!」


物凄い熱気と熱量が王の右腕を襲う。

これで倒せないと手詰まりだ…


とりあえず燃えている間は手が出せないので見守る事にする。


燃えた腕を見ているとグニャリと変形し始めた。

溶けるのか?

そう思ったのもつかの間、腕は生き物のように飛び跳ねて一目散に胴体を目指す。


「マリオン、剣を仕舞うんだ!」

「え?」


マリオンの反応が一瞬遅れ、王の腕に飲み込まれた。


「マリオン!!」

マリオンの返事はない。

多分、王に飲み込まれた。


そして王はまた姿を変え、あの悪魔の姿に変わってしまう。


前回は状況の理解から始まったが、いきなり僕達を睨みつけた王がアーティファクトの能力を解放した。


閃光と衝撃に僕はまたなす術なく吹き飛ばされた。

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