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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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笑顔で解決。

「本当にいいの?」

「いいって、それこそあんな奴の為にアンタの命が削れる方が嫌だって」


「そう…、マリオンがいいならいいけど」

そう言って皆で背を向けた時だった。


「おい!お前も手伝え!!」

村長がそう言うと、扉の向こうから居なくなっていた6人目の協力者がアーティファクト砲を構えて出てきた。

そして村長と2人で3個のアーティファクト砲を構えている。


「死ね!!」

そう言うと3個のアーティファクト砲から3色の光が飛び出してくる。


「下がって!【アーティファクト】!!」

フィルさんがムラサキさんを構えて壁を作る。


「やはり殺したおいた方がいい人間だったんだ…」

僕がボソっと呟いた時、マリオンが村長に向けて走り出し殴り飛ばす。

扉の向こう側、壁に激突して今度こそ気絶する村長。

6人目はあまりの出来事に驚いて尻もちをついている。


「アンタも死ね」

そう言いながら殴ろうとするマリオンをカムカが制止した。


「もういい、お前が手を汚すことはない」

「どうして!?」


俺が罰を下す。

そう言うと、村長と6人目の両足を殴り折るカムカ。

村長を起こすと改めてこう言った。


「毒の部屋は開けておく。そのうち毒が充満するだろう。その前に逃げられて村に帰ってこられたら今日までの事は許してやる」

「そんな!この足で逃げられるわけがない」


「そんな事、俺は知らない。もし生き残れたとして、村に帰ってこようがどこか別の地で生きようが構わないが、また俺たちに危害を加えるようなら今度は許さない。以上だ」


「おい、お前私を助けろ!!」

村長が6人目に無茶な事を言う。


「あ、5人に連絡してもいいけど、鎖につながれているからどうにもならないだろうよ」

カムカが追い打ちをかける。

その言葉を聞いた村長はがっくりとうなだれる。


「さ、皆村に帰ろうぜ」

カムカが仕切る形になって先に進む。

村長達の助けを求める声を無視して家を出るころには助けを求める声は罵倒に変わっていた。

その声を聴きながら僕はマリオンに話しかける。


「マリオン、本当にいいの?」

「いいよ。ありがとう」


そう言ってマリオンは先に進む。

カムカが「肩車してやろうか?」とマリオンに言うと「おぶって最高速で走ってあげようか?」と逆に言われていた。

2人は笑いながら手でも繋ぐか?と言って先に行ってしまった。


僕はひとまずめでたしかな?と思ったのだが、背筋に冷たいものが走る。

背後に居るフィルさんが怖い目で僕を睨みつけている。

美人は怒っていても美人だが、怖いものは怖い。

無視をしたい気持ちもあったのだが、無視で済むわけもないのでフィルさんを見る。


「キョロくん」

「ごめんね」

僕は素直に謝る事にした。


「ダメ。許しません」

「凄く怒っている?」

珍しくフィルさんの口調がキツい。

僕は怒っているかの確認をする。


「当たり前でしょう?何だと思っているの!」

「短距離だし、跳んだのもマリオンと村長だから大丈夫かなって…」


「そういう事じゃなくて、もっと自分を大事にして!」

「しているよ」


「していません。で、何回跳んだの?」

「え?言わなきゃダメかな?」


「ダメ」

「言ったら怒るよね。怒らない?」


「怒る……ってそんなに跳んだの?」

怒り口調から呆れ口調に変わる。


「7回…」


「7回も!!何で!?」

「マリオンが可哀想で…。それに僕も頭にきていて…」


言い終わる前にフィルさんが僕に抱き着いてきた。

「優しいのも知っている。でも本当に自分を大事にして。悲しくなるようなことをしないで」

「フィルさん…ごめんね」


「謝るならしないで!」

そう言ってフィルさんが抱き着いたまま泣いてしまった。

僕は泣かれるとまでは思っていなかったのでちょっと困った。


「もう行こうよ」

「ダメ」


そう言ってフィルさんは僕を離さない。

「暗くなると亡霊騎士が出てくるよ」

「それは解決したでしょ」


そんな会話をしているうちにフィルさんの機嫌が直ったようで一緒に村に向かって歩き始める。


しばらくすると亡霊騎士…マリオンが迎えに来る。

亡霊騎士の格好で走ってこられるとちょっと驚く。

「遅いよ、どうしたの?」

「ごめんね、マリオンちゃん。ちょっとキョロくんにお説教してたの」


「ふーん、そうなんだ。さ、早く帰ろう!!」


カムカは律義に村の入り口で待っていた。

「四人で入らないと意味ないからよ」


そう言って4人で村に帰る。



ペック爺さんの家の前。

マリオンの緊張感が伝わってくる。

「マリオン、僕たちが居るから」

僕が言い、カムカとフィルさんも口々に大丈夫とマリオンを励ます。


「ありがとう」

そう言ってマリオンは扉を開ける。


「おかえりなさい!!」

明るい声が出迎えてくれた。

声の主はマリーだ。


「マリー!!」

「マリオン!!」


マリーとマリオンが向かい合っている。


「ついさっき目覚めたら手も足も動いてこの通りだ」

ガミガミ爺さんも嬉しそうに言う。


「マリオンちゃん、鎧を脱ぎましょう」

「うん」


「あ、ガミガミ爺さん、機能停止して」

「そうだったな」

そう言ってガミガミ爺さんが制御球を出して機能を停止させる。


鎧を脱いだマリオンはマリーの前に立つ。

「久しぶり…」

「うん、久しぶりだね。マリオン!!」

よく似た姉妹にしか見えない。


「あれ?ジチさんとペック爺さんは?」

「奥で姉ちゃんがペックの事を説教しているよ」


そう言うとしょんぼりした顔のペック爺さんが奥の部屋からやってきた。

「マリオン…」

「お爺ちゃん」


正直、僕は何か変な事を言おうものならペック爺さんを思い切り殴って跳んで無かった事にしてやろうと思った。


だが、ペック爺さんは目に涙をためてマリオンに謝った。


「マリオン、済まなかった。僕は気が動転していたんだ」

「いいよ、仕方ないよ。私はあくまで人形だから」


「こら!そんな言い方しないの!お姉さんは君をそんな風に観てないわよ」

奥からジチさんが現れてマリオンをたしなめる。


「でも、そう言わないとお爺ちゃんに裏切られた時に辛いのもお姉さんはわかっているからさ、仕方ないってのもわかるよ」

「お姉さん…」


「さて!夕飯にするよ!!今日はイノシシで沢山ご飯を作ります!」

「あ、そのイノシシって…」


「そうですー。キヨロスくん達が出かけた後、村の外まで二往復して私が回収してきたイノシシです」

しまった、朝から亡霊騎士のことばかりで村の入り口に置きっぱなしにしてきたイノシシの事を忘れていた。


「さ、キヨロスくんは解体。お姉さんとフィルは料理。お爺ちゃんたちは片付け」

「俺は?」

カムカが口を挟む。


「カムカは近所に行って食器を分けてもらう係!後は外の5人を解放する係!」

「よーし!任せとけ!!」


そう言うとカムカは走って行ってしまった。

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