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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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復讐。

僕達は足早に村を後にする。

今回は亡霊騎士を心配しないでいいだけ気が楽だ。


道中、フィルさんが僕に質問をしてきた。

質問はどうしてマリーに鎧を近づけたのかと言うものだ。

「仮定の話で、もしも制御球が二つある事で機能停止が完全じゃなかった時、無理矢理外されたマリーがどうなるかを考えてみたんだ。もしも、まだマリーと鎧が繋がっていれば手足が思い通りに動かない事も想像がつくし、そうなら近づければ何かしらの反応をすると思ってやってみたんだ」


「そう言う事だったのね、でもそれなら言ってくれれば私は協力したのに」


「ごめんね、あの場で理由を話して試そうなんて言えばペック爺さんが何を言うかわからないし、また良くない事を言う気がしたんだ」


「そう…かもね」


僕達の話は話をそこそこに山を登り、村長の家が見えてきた。


「ん…!?」

突如マリオンが声を上げる。


「マリオン?」

「なんか、鎧の違和感が強くなってきた。どうしよう?私も暴走しちゃうのかな?」


「大丈夫、暴走状態にならないようにガミガミ爺さんに調整させたから」

「本当?良かった…みんなを襲わないで済む」


そう言ってマリオンは泣いた。

こうして見ていると彼女が人形と言うのが信じられなくなる。


そろそろ村長の家なのでマリオンに兜も装備してもらう。


門が見えた。

「カムカ」

僕が声をかけるとカムカが「よしきた!」と前にでる。


「ちょっと待って」


マリオンが「私が壊してみたい」と言いながらアーティファクト砲の発射体制に入る。


「え!?俺が…」


「【アーティファクト】!」


「うぉっ!?」

カムカが大急ぎでかわす。


門は何とか吹き飛んだが、マリーが着ていた時ほどの効果は出ていない。


「こんなもんか、まだマリーと繋がっているからかな?」

マリオンがつまらなそうにそう言う。


「お、おい。身体大丈夫か?倒れたりしないか?」

カムカがマリオンに詰め寄る。


「うん、平気だね」

「その鎧が力を補充してくれるってガミガミ爺さんが言っていたからかな」


「じゃあ、この鎧があれば私は自由なんだ」

マリオンは少し嬉しそうだ。


「ただ、あまり「大地の核」からは離れると効果が弱まるみたいだよ」


「なんだー、行けても三の村とかお城くらいかなー」

マリオンがガッカリした声を出している。

三の村ならガミガミ爺さんやフィルさん、それにジチさんも居るから安心して暮らせる話をするとマリオンは「私迷惑じゃないかな?」と言いフィルさんとカムカが「そんな訳無いだろ?」と言った。


村長の家に入る。

慣れた手つきで村長の像を破壊するカムカ。

毒の部屋の毒はフィルさんが無効化した。


マリオンが先頭を歩くと言うので任せる。

本当はフィルさんを前にするべきなのだが、村長を驚かせたいらしい。


「亡霊騎士の走り方ってこうだったかしら?」

と言って走り始めるマリオン。


いきなり最高速から始まる亡霊騎士の真似がマリオンにできるのであろうか?


「行くよ!…きゃっ!?」


ゴツッと言う鈍い音と共に勢い余ったマリオンは壁に激突した。


「きたのか…」

その音を聞いて村長がボウガンを構えて現れる。


「制御球を渡してください」

僕がそう言うと村長は胸元から制御球を取り出して僕達の目の前で床に落とした。


床に落ちた制御球はガチャンと言う音を立てて砕けた。


「どうだ!壊してやったぞ!!」

そう言って村長は下卑た笑いをする。


「ありがとう。村長さん。


マリオン?」


「うん、感覚が変わった。

多分マリーは大丈夫だと思う。」


「な…何を言っている?もう制御球は無いんだぞ!もうそいつは止まらないんだぞ!」


「そう…止まらないから」

そう言ってマリオンは最高速で村長の前に出て村長を殴り飛ばす。


2回目で最高速の動きに合わせられるのは人形兵士の所以なのかも知れない。


「ぶべっ!?」

殴り飛ばされた村長が奥の部屋の扉にぶつかりグッタリする。

マリオンは手を止めずアーティファクト砲の発射体制に入る。


「私はあんたを殺すまで止まらない」


「マリオンちゃん!」

「お…おい…」


「この村長は生きていてもまたマリー達を苦しめるんじゃないかな?」

そう言うと2人はハッとした顔をする。


「確かに…そうだけどさ…」

「でもマリオンちゃんが村長を…」


「僕はマリオンを見届けてあげたいんだ」

僕がフィルさんとカムカにここはマリオンに任せたいと言うと2人は言葉を詰まらせる。


「アンタ、いい奴だよな」

マリオンはそう言うと改めて村長を見据える。


「ひぃっ!!?やめてくれ!助けてくれ!」

村長は朦朧とする意識から今がどう言う状況かわかったようでマリオンに命乞いをする。


「お前はマリーを、お爺ちゃんを…。やめてと言った皆を笑いながら無視した。マリーを亡霊騎士にした。お爺ちゃんを狂わせた」


「村を裕福にする為に必要だっただけで、やりたかった訳じゃ…」


「嘘だ!私は今も覚えている。お前がお爺ちゃんに『人形と余生を過ごすのは嫌だろう?もっと優れた人形兵士を作って孫を助け出せばいい』と言った時のあの顔を」


「ご…ごめん…なさい……許して…」


「【アーティファクト】」


マリオンの左腕からアーティファクト砲が発射され、瞬く間に村長の体を奥の部屋ごと吹き飛ばした。

威力は先程門に試した時よりも上がっていた。

恐らく村長が制御球を壊したからだろう。


カムカとフィルさんは幼いマリオンの手が汚れた事を良しとは思っていない顔をしていた。


マリオンはやり遂げた空気を出している。

これで良かったのだろう。


だが、僕の心は晴れなかった。

「トキタマ」

「りょうかいでーす」

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