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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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マリオンとペック。

79回目の時間。

僕はペック爺さんの家に入った時にした。

目の前には小さな女の子、マリオンが居た。

「お帰りなさい。おじいちゃん」

「あ、ドフおじいちゃん!いらっしゃい!」

マリオンはガミガミ爺さんに気付くとペコリと頭を下げて挨拶をした。


マリオン…マリオンも跳ばしてみたが、なんだかうまく行っていない感じがする。

「マリオン」


「え?お兄さん、私の事知っているの?」

「うん、このブローチを付けてくれないかな?」


そう言っている僕達の所にペック爺さんが来た。

「ドフ!あの秘密を喋ったのか!!」


ペック爺さんは怖い顔でガミガミ爺さんを睨む。


「話したのはお前だ。今から説明してやるから黙って見ていろ」


「おやおや?もしかしてお姉さんは置いてこられた感じかな?話が見えないよ」

「ごめんなさいジチ。後で話すから見てて」

ジチさんはフィルさんの説明に納得してくれた。


僕は改めてマリオンにブローチを渡す。

「え?とりかえるの?」


「そうして」と頼む。


「なんでブローチが二個もあるんだ?ドフ!!」

「うるせえな!小僧が何とかしてくれるから黙ってみてろ!」

ガミガミ爺さんとペック爺さんが怒鳴りあいを始めてしまった。


僕は2人のやり取りを無視してマリオンにブローチを付ける事を促した。

「うん、わかった。」


そうして着けかえたマリオンが倒れこむ。

僕は慌ててそれを受け止める。

ものの数秒でマリオンは目を覚ます。


「ああ、アンタかい?約束を守ってくれたんだね。」

そう言ってマリオンは顔をこちらに向けてきた。


「これから次の次を始めるよ」

「なんか悪いね。全部知ったんだろ?」


「マリオンって名前なのも知ったよ」

「じゃあ全部だね」


「そうなるかな?僕は今から村の外のマリーを助けてくるよ」

「よろしく頼むよ。一回前はどうだった?」


「助けられたけど失敗もした。それを踏まえて今回は成功させるから大丈夫」

「そっか、じゃあ私はここで待っているよ」


僕は外に出る。

例の6人が遠目でこちらを見ているのがわかった。


「カムカ」

「どうした?」


「あの6人が居る」

「!!?アイツら!!」

カムカは怒気を含めた声で6人を見てしまう。

「バレるよカムカ」

「かまうもんか」


確かに今考えたが構わない。


「カムカ、あの6人をフィルさんと2人で捕まえておいてよ」

「いいけど、何をするんだ?」


「村長に連絡をさせないんだ」

「そういう事か、わかった」


僕はカムカに鎖をガミガミ爺さんに渡すように言った。


「キヨロスが倒すまでには戻ってくるぜ?」

「それでも何が起きるかわからないから」


そう言って鎖をガミガミ爺さんに持って貰う。


「行ってくるよ」

「小僧、すまないな」


ガミガミ爺さんが見送ってくる中、僕は振り返らずに村の外に向けて歩いていく。




村の外には亡霊騎士…マリーが佇んでいる。

陽の光を浴びて回復しているのだろう。


「マリー」

僕が声をかけてもマリーは反応できない。

「悪夢の兜」がある限り仕方がない。

剣を抜いてマリーに向き合う。


今回はあまり距離を離さないで戦おう。

万一跳ね返したアーティファクト砲が当たる事は避けねばならない。


額の制御球が緑から黒に変わった。

もうすぐ赤に変わる。


先制攻撃も考えはしたが、万一身体に悪影響が出ても良いことはない。

大人しく赤に変わるタイミングを待つ。


マリーがいつも通り咆哮をあげる。

さあ、マリーを助けよう。

僕は後遺症の残らなそうな部分を重点的に叩くことにした。



頭は目が見えなくなったり、首に後遺症が残っても困る。

肩は腕が上がらなくなっても困る。

手は指に障害が出ても、足は歩行に障害が…

そう思うと狙える部分が人体にはほとんどない事に気づかされる。


頭を切り替えてダメだったらまた跳ぶ事にしようと思う。


「マリー、ごめん!!」

僕は一応謝ってから全力でマリーを攻撃する。

鎧を着こんでいる間はダメージの程が見えないのが問題だ。

脱いでから実は折れていましたと言う話になるのが厳しい。


僕は続けて攻撃を当てる。

距離を取ろうと離れれば近づいて滅多打ちにする。


しばらくするとマリーが膝をつく。


「【アーティファクト】!」

僕はその隙を見逃さずに思い切り振り抜く。


マリーは動かなくなった。


「鎖を!!」

そう言って鎖を持って出てきたのはガミガミ爺さんだった。


「カムカは?」

「何か1人逃したとかで追っかけてる」


逃げた1人か…あまり問題はないかもしれないが用心に越したことはないな。

僕達は大急ぎでペック爺さんの家にマリーを連れ込む。

途中5人を連れたカムカ達に会う。

「これ、どうするんだ?」


「また手足をへし折って何もできなくする?」

僕の提案に5人は怯え切っている。


「とりあえず鎖に縛って木にでも吊るしておこうぜ」

まあ、カムカの提案が一番もっともだ。


「じゃあ、カムカ頼める?」

「おう、すぐに終わらせて合流するぜ」


ペック爺さんの家ではペック爺さんはマリオンから説明を受けていた。

にわかには信じられなそうだったが、担ぎ込まれたマリーを見て「本当に君が倒したのかい?」と正直に驚いてくれていた。


「でも、せっかく行動不能にしてくれても制御球が無いとマリーは…」


「はいガミガミ爺さん」

僕はそう言って制御球を出す。


「ペック、やるんだ」

ガミガミ爺さんがその制御球をペック爺さんに渡す。


「これは?どうして…」

「だから言ったでしょ?コイツが前の時間に村長の所から取ってきてくれたんだって」


「ほら、ペック早くしろ!」

「う…うん。全アーティファクトの機能を停止」

ペック爺さんは制御球に声をかける。

亡霊騎士の威圧感が消えた。


後は俺たちがやると、ガミガミ爺さんを筆頭にマリオンとフィルさん、合流したカムカが鎧を脱がせ始める。


「そういえば」

そう言って僕がペック爺さんに聞く。


「なんだい?」

「もし戦闘前にアーティファクトの機能を停止していたらマリーはどうなっていたの?」


「鎧の重みや、仮に動いていれば急停止した影響で、全身大けがで骨がバラバラになっていたかもしれない」

「止める手順ってあったの?」


「まずは、制御球で「大地の核」からの供給を停止して、動けなくなるまで数日放っておいて、弱ったところで機能を停止して鎖で縛りあげる」


それを元々はマリオンにやらせようとしていたのか…

結果はうまく行ったが、もし僕たちが居なければどの道マリオンが色々なものの犠牲になっていたのかと思うとあまり気分は良くない。


「キョロくん。外れたわ」

僕はフィルさんに呼ばれマリーの元に向かう。


マリーに主だった外傷は見当たらない。

数時間の違いからなのか、顔色も先ほどよりも良く感じる。

ただ、先ほどと同じで起きる気配はない。


「マリー、良かった。アンタ本当に凄いね。ありがとう」

そう言ってマリオンが感謝を述べてくる。


「マリー、ああ良かった。」

ペック爺さんが泣きながら抱き着いている。

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