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八十一





 「あなたは······」

 シングは、振り返るとライアットに近付く。

 「何で、国を父上を裏切ったんですか?」

 ライアットは、間を置いてから答えていく。

 「私を恨んで貰って構いません。裏切った事に変わりは有りませんから······」


 「答えになっていません! 父上は、あなたを信頼していたのに。僕だって······」

 「シング王子······申し訳あり······」

 不意にハハハッ! と笑い声が響き渡った。


 「これは、とんだ茶番ですな!」

 帝国の指揮官が近付いてくる。

 「あなたには、失望しましたよ! ライアット!」

 指揮官はそう声を上げ、剣でライアットの胴を貫いた。

 ミレイ達や王国側の者達は、余りの驚きに声がでない。


 帝国の指揮官は、剣を抜く。その刃からは血が滴っていた。

 ライアットは、前方へ倒れる。

 「お前!」

 シングは、帝国指揮官に突撃していく。

 「おっと、貴様の相手はこっちだ」

 下卑た笑みを浮かべ、自分の兵達に取り囲ませる。


 「くっ、邪魔だ!」

 シングは、槍で兵士達と戦う。


 程無く、帝国兵士達を倒すと、怒りを顕にする。

 その様子を見て、帝国指揮官は話し出す。「おー、怖い表情ですな。こんな話を知ってるかな? 一人の男が、家族のために王国を、一人の王を裏切った話を」

 シングは話を聞いて察する。

 「まさか、お前! あの人の家族を盾に······」

 「おいおい、勘違いして貰っては困るな? 弱い貴様らが悪いのだ!」

 帝国指揮官は、笑い声を上げる。


 その時。「シング······王子」

 ライアットの弱々しい声がした。

 シングはすぐさま駆け寄る。


 「もう喋らないで下さい······あなたは、裏切った訳じゃなかった」

 「いえ······私は家族を選んで······裏切ったんです」

 「いや、あなたは······心まで裏切っていなかった」

 シングは堪えていた涙を流す。


 「そ······れより、世界に危機······が迫っているのです······帝国は······五体目の······ディザスター、ウロボロス······を復活······させようと······。そうなれ······ば、最悪の厄災が······」

 ライアットはそこで、血反吐を吐いた。

 「分かりました······僕達に任せて下さい。止めて見せます」


 後方から神官達がくる。ライアットを治療するためだろう。


 ふと、異変が起こる。空が禍々しい黒い雲に覆われていく。

 「これは······!?」

 シングだけでなく、一同は空を仰ぎ見る。

 「急いで下さい······早く······!」

 ライアットはそこで、気絶したのだった。


 シングはミレイ達と一緒に、魔法使団長レナードへ駆け寄る。

 「お願いします。レナードさん」

 「あんたの出番よ、レナード」

 レナードは息を吐くと、そっと目を閉じ又開ける。

 「分かりました、良いでしょう。転移魔法を使います」


 「バカめ! 我らがそうさせると思うか!?」

 帝国指揮官は、剣を前へ掲げる。すると兵士達が、勢い良く押し寄せてきた。


 瞬間。「困っているようだね······」

 妖しさと艶やかさを感じる声が響いた。



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