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神聖具と厄災の力を持つ怪物  作者: 志一 ゆもも
三体目のディザスター 襲来
70/102

六十九





 ミレイは突然の事に驚く。

 「何······?」

 次に段々と、彼女の意識が遠のいていくのだった。




 ──ミ······さ······ん······!


 ミレイは、自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。「んっ······」

 彼女は、ソッと目を開けていく。

 すると。

 「ミレイさん! 大丈夫ですか!?」

 「リア······?」

 そこでミレイは、目を見開き上体を起こす。続けて両足に視線を向けた。

 ミレイは安堵の表情を浮かべる。


 「さっきのは······? それに黒い空間は······」

 「ミレイ······大丈夫? 顔色が悪いよ」シングは、気にかけた。

 「······」

 ミレイは一瞬、放心した表情で彼を見つめる。

 「······何でもないわよ! それより、シングも顔色良くないと思うけど?」

 「ハハッ、アジ・ダハーカに幻を見せられてたからね」

 シングは、片手を後頭部に当てながら言葉を返した。


 「あんたも? さっきのは、幻だったのね」

 「うん、しかも二つ目の厄災の力だよ」

 「そうゆう事だったのね」

 「でも、安心だよ。こちらには、あれがあるからね」

 「『あれ』? 一体何よ?」

 シングはそこでリアに呼び掛ける。

 「リア」


 すると、リアは得意気な表情で、間をためる。

 「リア、何よ。その顔······」

 「ミレイさん! 驚かないでほしいのです!」

 「う、うん、分かったわ。いいから何なのよ?」

 「それはこれなのです!」

 リアは、後ろに隠していた何かをミレイの眼前に突きだした。


 「それって······救済の杯じゃない!」

 「なのです! 陛下が後方の隊に預けていたみたいです」

 「じゃあ、安心ね。リア、任せたわよ」

 「只······」

 リアは顔を俯かせる。

 「何か、あるの?」


 「なのです······。この神聖具は、厄災の力を狙って打ち消しますが、一日に限りがあるのですよ」

 「限り?」

 「はい、この杯の器の底に、黒いのが溜まってますよね?」

 「確かに······黒い何かがちょっとあるわね」

 「これは、打ち消した厄災の力なのです。つまり、器一杯になると、その日は神聖具を使えなくなるのです」


 ミレイは、顔を下に向け考えた。


 程無くして、発言する。

 「つまり、いかに速く倒すかって事ね」

 「はい······でも、リアは不安です。まだ、ディザスターが厄災の力を隠している気がして······そんな気がするのです」


 リアの言葉を受けて、ミレイは立ち上がる。

 「大丈夫よ、リア。あんたは、打ち消す事だけに専念しなさい。あとは、あたしとシングがやるわ」


 「はい······分かったのです」

 不思議とリアの表情が和らいだ。それも、ミレイが何とかしてくれそうな感じがしたからだろう。

 「そうだよ、リア。攻撃は僕らに任せてほしい」

 シングもそう言うと、ミレイは──。


 「じゃあ、行くわよ!」と二人に声を掛けた。

 三人は歩き出すのだった。



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