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神聖具と厄災の力を持つ怪物  作者: 志一 ゆもも
三体目のディザスター 襲来
67/102

六十六





 その近付く何かは、ヴェルストだった。彼は、シングの真下まで来ると、受け止める。

 あとは、宙を旋回しつつ下降し、着地した。ヴェルストはシングを下ろす。

 「シング、大丈夫!?」

 ミレイは近付き、声を掛けた。

 「ああ、何とかね」


 「んな事より、あれを見てみろ······お前の攻撃、効いたみてぇだ」

 ヴェルストは上へ顔を向ける。

 ミレイとシングも、その方向を仰ぎ見た。すると、アジ・ダハーカの右側の頭部は項垂れている。

 瞳の光も失われていた。


 「あんた、やったじゃない!」

 ミレイはシングの背中を叩く。

 「うん······だけどまだ、倒した訳じゃない。僕の読みだと、これでさっきの厄災の力は使えないと思うけど」

 「そう······じゃあ行くわよ!」

 ミレイは先に駆け出し、アジ・ダハーカの前肢を、垂直に勢い良く足で伝う。

 ついでに断罪の大斧を下段に持ち、切りつけていく。

 駆け切りつけ、肩に到達すると更に、背中を横断するように大斧で切っていった。


 反対の肩まで達し、するとミレイは飛び降りる。

 続けて代わるように、シングがアジ・ダハーカの胴体の真下に来ていた。

 彼は、鋭光の槍を上へ掲げ、叫ぶ。

 「貫け!」

 その言葉と同時に、武器の先端から光子状の棘が伸び生えていく。

 光子状の棘は、胴体に刺さっていって、背中をも貫いた。

 だがまだ、終わらない。

 「咲け!」

 更に、無数の棘が内部から生え貫く。


 アジ・ダハーカは、怒りを感じさせる咆哮を上げた。

 どうやら、これだけでは倒せないらしい。その真ん中の頭部の両目が、紫色に光り変わる。



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