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神聖具と厄災の力を持つ怪物  作者: 志野 ゆもも
救済の杯と先導の騎士
54/102

五十三





 「魔法で姿を消してるのは分かってんだ。とっとと、姿を現しやがれ!」

 ヴェルストがそう言うと、相手の姿が足から顕になっていく。

 「魔法を使ってるのまで見破るとは······流石だな、ヴェルスト・ハーディ」


 姿が完全に見えるようになった時、そこにいたのは、スレンダーな二十代前半の女性だった。


 腰には剣を携えており、顔立ちは美人の部類に入るといっていいだろう。

 前髪は長く、左の目元を隠したヘアースタイルをしている。


 「あっ? てめぇ何で、オレを知ってやがる?」

 「ワタシが王国に在籍しているからだ。キサマの事は、何年も前から知っている。かつての魔法使団長の弟子だった事もな」

 そう言われると、ヴェルストの顔色が変わる。

 「それ以上言うんじゃねぇ!」

 「ほぉ? やはり、触れられたくなかったかな?」


 「ヴェルスト、どうゆう事よ?」

 「そうなのです! かつての魔法使団長の弟子だったとは?」

 ミレイとリアは問う。

 ヴェルストは舌打ちをし、仕方なく答え始めた。

 「当時の魔法使団長が、オレの師匠だったってだけだ」

 「でも、あんた······魔法曲芸士の一座にもいたじゃない······?」

 「輝炎の一座にいたのは、それより後の事だ」

 「一体、何があったのよ······?」

 ミレイは疑問に思い、つい問うように呟く。


 すると、女性は不敵に笑った。

 「知りたいか? ならワタシが教えてやろうか?」

 「てめぇ、それ以上喋るんじゃねぇ!」

 「そいつの師匠はな、死んだんだ。正確には、何者かに毒殺されたのさ」

 その言葉を聞き、一同の表情が険しいものに変わる。


 中でもヴェルストは、不快さと怒りを顕にしていた。



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