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いちめんのぴんく
ピンク。それが彼女の全て。
ピンクしか選ばない。ピンクはほぼ制覇。そんな彼女。
彼女は同級生。そんな彼女と新生活を始める。
「食器はどういうのがいい?」
“ピンク!”
「冷蔵庫は?」
“ピンク!”
「ベッドは?」
“ピンク!”
「なにか欲しいものある?」
“ワンピース。もちろんピンク!”
新生活の記念にステーキを食べに来た。
「焼き方はどうしようか?」
“ピンク!”
彼女の可愛さだけでもチカチカする。なのに彼女の周りにはピンクしかない。
部屋中がピンクになる。そんなの無理かもしれない。
“同棲の誓いのキスしよ?”
彼女のピンクの唇が僕に触れた。
頬が熱を帯びていく。頬が綺麗に染まっていく。
“ピンクの頬も、好きっ”