メアリーとの出会い。
そこには町が広がっていた。
ここはどこだ?マップでもあればいいが、
「把握しました。脳内マップを展開します、成功しました。」
うお!こりゃ凄いな、GoGo!マップみたいだ。
使いやすく、前世のものとなんら変わらない。これは自分の記憶が関係しているのか。
どうやらここはクロノス王国と言うらしい。町で色々試したいことがある。
言葉通じると良いが……まずは挨拶だ。
「こんにちは」
取り敢えずお姉さんに話しかけてみる。
「こんにちは、どうしたの?」
言葉通じた!!助かった。一安心だ。
「実は、遠い国から来たものでして」
話しを合わせよう。臨機応変に、落ち着いていこう。
「そうだったの!もしかしてディアモス王国?」
きた!新しい言葉、マップを展開して、ディアモス王国と検索する。
ー解ー ディアモス王国とは、最も発達している王国で、武力も優れています。
なるほど、確かにここからはかなり遠いようだ。行ってみたいな。
「そこです」
嘘つくなよ!!と思うかもしれないが、そこは気にしないで貰いたい。
せっかくだし、町を回るのも良いな。
それよりせっかく異世界に来たんだから、
可愛い女の子は?魔法は?チートは?可愛い女の子は?
大事なことなので2回言いました。
ー解ー 魔法はディアモス王国にて素質を持っている人のみ習得可能です。
ビンゴ!ディアモス王国には行ってみようと思っていたんだ。丁度いい。
『ドン!!』
「どこ見て歩いてんだコラァ!!」
やべえぞ、いきなりピンチ到来だ。変なチンピラに絡まれた。
どんな世界でもこんな奴はいるんだな。
ここは1回痛い思いにさせてやるか、
どんなラノベでも、転生者は強いっていう決まりだろ!
『ボン!』
殴ってみた、かなり手応えはあった。
う、嘘……だろ……
チンピラは、“ふっとんで”いた。
強過ぎん?俺、やばすぎだろ流石に。
さっきのお姉さんも、野次馬に加わり呆然としている。
俺は落ち着いて、脳に語りかける。
俺のステータスを出してくれ。
ー解ーレベル 3
HP 12800
MP 5670
攻撃力 98700
基準がわからないので何とも言えないが、先ほどの事を考えると、高い方なのだろう。
そういえばディアモス王国にはどうやっていけばいいんだ?
ー解ー 他の王国への移動は、移動の紋章が埋められている場所に行けばいいです。
ちなみにここから最も近い紋章はクロノス城にあります。
ナルホド、便利だな!!紋章。
確認するために一応場所を聞いてみる。
馬車らしきものに乗っているお姉さんに聞いてみた。
「すいません、ここからクロノス城へはどうすればいけますか?」
「私も今クロノス城へ行くとこだったの、良かったら乗っていく?」
ラッキー!そういう系キター。やっぱり俺はついてるぜ!!
「恩にきるぜ!ありがとう!」
「いえいえ。ところで名前はなんていうのですか?」
このお姉さん、よく見るとめっちゃ可愛い。
「初対面なのにいやらしい目で見られてる。どうしよう私」
困っている顔は赤く染まっており、やはり可愛い。
「リクト、俺の名前はリクトだ。」
「よろしく!リクトさん。私の事はメアリーと呼んでください」
微笑んでこっちを見ている。この世界でも友達とか、できると良いが……
移動は快適なものだった。
移動中聞いた話によると、この世界は大きな王国が10個あり、
他の小国も合わせて成り立っているらしい。
王国は10国傑と呼ばれクロノス王国も10国傑に参加しているとの事だった。
「メアリーは魔法とか使えるのか?」
「使えるよ、簡単なものだったらたとえば、ほら!」
そういうと彼女は手を一回横に振った。呪文らしきものを唱えて、
「ほら!!」
彼女の手には中くらいの剣が握られていた。これで小魔法というので
メアリーは実は結構すごかったりするのでは?と思ってしまう。
出発から1時間くらい経った。
クロノス城に到着した。かなりでかい。言葉が出ない。
「凄ぇ……」
「凄いでしょ!?」
自分が作ったわけでもないのに、自信満々に言うから可愛い。
「これがクロノス城か……」
「行きましょ」
城の門からはいって行く。城は洋風のものだった。館といった感じだ。
城の中では、門番がいた。
「メアリー様、何の用でしょうか?」
門番に知られているとは、流石メアリー。
やはり凄腕の魔法使いなのだろうか。
「ちょっとディアモスまで行きたくて」
「それは良いのですが、あの、後ろの方はどちら様でしょうか?」
「俺の名前はリクト、リクトだ。」
びっくりした。まさか自分に話しかけてくるとは。
やはりこのジャージ目立つよな。また町に行ったら新しい服でも買おう。
「わかりました、では、こちらへ」
通された部屋はかなり厳重になっていて、
壁には紋章らしきものが埋め込まれていた。
「これが紋章よ、10国傑を行き来できるわ」
そしてメアリーと俺が紋章を触れた瞬間に、あの暗い空間に閉じ込められた。
隣には、メアリーがいる。聞いてみるとこの空間は、正確には、
サラディアと言うらしく多分現実での、三途の川的な感じだろうか。
視界が開けるとディアモスの町が広がっていた。




