中学生編 第2話 生徒会
―――――――数日後、いつの間にか俺は学内戦で優勝していた。
初戦で当たったセレナ生徒会長はこの前の優勝者で格の違いを
見せつけていたらしい。そんな相手に勝って、他の試合は降参や不戦勝が
メインになって、気づいたら優勝していた。
そして、俺は今朝礼台にいる。
いわゆる、表彰式ということだ。たくさんの生徒の視線の重さを感じる。
結構緊張するものなんだな。
「えー、それでは優勝者の発表です。ケイ・エインズワーク君
前に出てきてください。皆さん拍手をお願いします。」
俺は返事をして、朝礼台に行く。
「今回、学内戦において中等部の異例の選手入り、また、さらに優勝という栄誉を称え
これを称します。ケイ・エインズワーク君おめでとう。」
俺はセレナ生徒会長に記念の盾をもらい受ける。重量感のある盾は、
学園で優勝したことの重さを感じさせた。
「ありがとうございます。」
俺は淡々答える。冷静さを欠いてはいけない。
「そこで生徒会から新提案があります。この成績を見てみなさんも
わかると思いますが、エインズワーク君は優秀な生徒です。
なので、彼の中等部生の生徒会入りを提案します。」
「をーーー、いいぞーーーー。」
なぜか歓声が大いに響き渡る。普通、決闘を見たなら怖がるんだけど...。
「彼の生徒会入りを支持するものは拍手お願いします。」
拍手の音が朝礼上を包み込む。
これ、一種の脅迫だろ....。
「それでは、決定ということで、異論はありませんか?
ないみたいですね。それでは以上です。」
これが俺の生徒会入りの理由だった。
――――――生徒会室
「今日から君は生徒会書記として我々の一員になる、心しておくように!
僕は、会計を担当しているカールだ。よろしくな、
わー、この人めっちゃ熱血系の人間だわーーー。
もう、オーラからしてなんか違う。
「すみません。僕の席はどこですか?」
「ここよ。」
流石、セレナ先輩気が利く。
「ありがとうございます。」
「敬語はいいのよ。」
「でも、一応先輩は生徒会長でこの帝国の皇女じゃないですか。
敬語は当たり前です。」
「約束忘れたの?ケイは私の友達よ。」
「わかりま、、分かったよ。」
「素直でよろしい。」
そっと、微笑む姿が実に可愛らしい。だが、その小悪魔的表情に
困るんだよな...。
―――――――ひと通り自己紹介が終わると、俺の試合について生徒会の役員が
質問攻めしてくる。うざい・・・・。
「そういえばケイ、あの時二回連続で転移しなかった?ふつう、
連続転移なんて不可能なんだけど。」
やはり、セレナにはばれていたのか、、、。流石、皇女。
「連続転移、、、。そんなことできるわけないじゃないか。」
「ほんとにー?」
「はい。」
納得がいかない様子のセレナさん、そんな怪訝そうな眼でみないで、、、、。
「おかしいなー。まぁ、いいでしょう。それと今回の集まりは
重要案件について話し合うためなんです。」
話題を変えるセレナ、助かった、、、。
「今度、この学園に帝国の貴族たちがいらして、ダンスパーティーが
催される予定なの、そこで生徒会役員は会場の警護を任されているの。
私は、帝国の大臣の人たちと話さなければいけなくて、手が離せない
から、皆に任せたいと思うんだけど..。」
―――――――結局、生徒会は警護に着く予定になった。
だが、俺だけはセレナ先輩の護衛を任された。