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穏やかな日々、桜

 ぽかぽかと午後の陽気が差し込むとある部屋。

 たくさんの本が詰まった棚に囲まれた中でドラグニカ様は机に向かい、私は紙の束を持って傍に立っていました。


「次はこちらです。ドラグニカ様」

「はい、よいしょっ……と」


 タンタン、タンッ。

 規則正しい感覚で響く木槌のような音。


「次です」

「はい、よいしょっ……と」


 タンタン、タンッ。


「次です」

「はい、よいしょっ……あぁ、ズレてしまいました」


 出来上がったものを見て、ドラグニカ様はしょんぼりと眉尻を下げました。

 ドラグニカ様が手にしているのは木製の印章で主に重要書類の署名代わりに使用しているものです。

 印章にはルシウス家の紋章はもちろん、ドラグニカ様の名前が刻まれています。

 色々小難しいことが書かれた紙に押された朱色の紋様は、残念なことに端のほうが擦れていました。


「せっかく良い感じにノっていたのに……やっぱり集中力が切れるとダメですねぇ」


 そう言ってドラグニカ様は机の端に溜まった書類の山を見やります。


 魔族を統べる者として魔族が生きる国を運営するため、あれやこれやと尽力するのは人の王と変わりません。

 魔王と言ってもただ世界征服を企むだけでは無いのです。

 魔界ネグロシエロの魔王城に住むことなくヴェルデガイアのシルフ領に移住しようとも、ドラグニカ様は魔王ですので毎日のように書類やらなんやらが届きます。

 言ってる傍から魔界の魔王城と繋がっているポストから紙が一枚、また一枚とひらひら舞い出ていきます。


 というわけで、今日は週に一度の溜まった書類を片づける日なのでした。

 朝食を終えた後から始めもうすぐ正午になろうとしているのを見ると、約三時間ほどお仕事していた事になります。

 ちらちらと私を窺うようなドラグニカ様の視線が刺さります。

 休憩がしたい、という要望でしょう。時間とドラグニカ様の視線を考えれば容易に分かること。


「あと二十枚ほど、頑張ってください。今週はいつもより量が多いので、この調子だと本日中に終わらせられるか分かりませんので」

「えー」


 当然の如く、ドラグニカ様からブーイングを受けました。

 だって本当に今週分は酷いのです。

 おそらく、城にいない事に対する嫌味でしょう。

 あれやこれやと報告書にまとめてきて……尤もらしく書かれてはいますが、料理場に出たモンスター――――ゴ〇〇〇の討伐報告書なんて普通要りません。


(……まあこうなるのも仕方ありませんが)


 魔王となった者は城へと居住を移すのが習わしなのですがドラグニカ様はそれをしませんでした。

 ヴェルデガイアに移り住み、ネグロシエロとヴェルデガイアを繋ぐ異界門(ゲート)に最も近いシルフ領にいながら治めることにしたのです。

 魔王がいない城なんて、ただの……魔王いない城です。


 本来であれば、城にいる魔王は幹部を集め今後の方針を話し合います。

 そして魔王の――魔界全体の野望となったヴェルデガイア征服を計画するのです。


 しかしドラグニカ様はヴェルデガイア征服を望んでいません。


 のほほんとしていてもドラグニカ様が魔王です。

 権力が絶対の魔界――なので、例えそれが許容できないものでも魔王が『しない』と言えばしないのです。


「ルジェラニア……僕、お腹が空きました」

「あともう少しですので頑張ってください」

「むー……」


 口を窄めて不満げなドラグニカ様です。

 こんな子供っぽい一面もありますが、何度言おうと魔王様です。

 ……もう少しそれらしい威厳があれば、幹部の孫が初めて魔法を使ったなんて報告書も読まなくて済むのですが。


「…………」

「……ドラグニカ様? 手が止まってますよ」

「…………」

「ドラグニカ様?」


 印章を手に持ったままのドラグニカ様は、ぽけーっとどこかに意識を向けてしまいました。

 そんなに疲れたのでしょうか。

 ……まあ確かにいい時間ですし、ちょっと私もお腹が空いたなーなんて思ったり思わなかったりですが。

 私は手に持っていた書類をペラペラと確認します。重要そうなのは……


「……ルジェラニア」

「はい、何でしょう?」


 すると、どこかに目を向けたままドラグニカ様が私を呼びました。

 私は書類から目を離し、ドラグニカ様を見ます。

 ドラグニカ様は見ていた方を指さし、振り向いて言いました。


「――――お花見しませんか?」


 花開いたような明るい笑顔のドラグニカ様が示したのは窓の向こう。

 ――――その先には桃色に染まった景色が広がっていました。


 季節は春。

 風に揺れる桜の木が、おいでおいでと誘っているように見えました。



 ◆



「わぁ……っ! 見てくださいルジェラニア! 満開ですよ!」

「ドラグニカ様、ちゃんと前を見てください。転びますよ」


 あちこちで満開の桜が咲き誇る丘。

 その頂上目掛けて真っ黒なマントを纏ったドラグニカ様が大はしゃぎで歩いていきます。

 隙あらばガーデニングばかりしている方なので、いつもの農民スタイルよりも魔王らしく見えます。

 ちなみに私はいつものメイド服です。

 以前ドラグニカ様が買ってくださったワンピースを着るよう言われたのですが、汚れたら勿体ないですしメイドですし、丁重にお断りしました。


 さてさて。

 結局、ドラグニカ様の素敵な笑顔にノーとは言えずお花見へとやって来てしまいました。


 私たち以外に人はいません。

 我が家の近くにある森を抜けた所にある丘ですし、町の方には有名な公園があるのでみんなそっちへ行っているのでしょう。


「さぁて……やっぱりここが一番のスポットですよね!」


 桜並木を通り抜け一番大きな木の下に辿り着くと、うきうきしているドラグニカ様がばさりとレジャーシートを広げます。

 私はその上に抱えていたバスケットを置きました。


「いやぁ今年も綺麗な桜が咲いてよかったですねぇ」

「ドラグニカ様、お召し上がりになる前に手を拭いてください」


 はしゃぎすぎなドラグニカ様はそうやってすぐ手も拭かずにサンドイッチに手を付けようとするので困ります。

 バスケットを開けてサンドイッチを取ろうとするところを止めて、私はおしぼりをドラグニカ様の手に押し付けました。

 小さくごめんなさいと謝る姿が幼い子供のようです。


「いただきます」


 しっかりと手を拭き、サンドイッチを食べ始めるドラグニカ様。

 採れたてのキャベツを千切りにしてマヨネーズ・酢・塩コショウ・砂糖と和え、蒸したチキンと一緒に挟んだサンドイッチ。

 キャベツのシャキシャキ感がとても良いと評判です(ドラグニカ様限定)。

 今回はしてませんが、トーストしてホットサンドにしても美味しいんですよ。私はそこにチーズを入れるのが好きなんです。


「……本当に綺麗ですね」


 私もサンドイッチを手に取り、目の前に広がる景色を眺めます。


 小高い丘の上にある見事な桜の木。

 見下ろせば今さっき通ってきた桜並木が見えます。

 さらさらと吹く穏やかな風が桜を揺らして緑色の絨毯に舞い落ちる桃色の花びらがとても幻想的で、まるで風景画の中にいるような気持ちになります。


「一年はあっという間ですね。今年もこうしてルジェラニアと桜が見れて幸せです」

「ええ……そうですね……」


 景色に見惚れていた私は当たり障りのない言葉を返します。

 なんとなくドラグニカ様が苦笑したような気配を感じましたが、綺麗な景色に釘付けだったので気づきませんでした。


 去年の今頃はシルフ領に引っ越してきたばかりで慌ただしく過ごしていました。

 屋敷がようやく完成し荷物を運び入れ終わった昼下がり……ちょっと辺りを散策しようと森に入ったところこの場所を見つけたのです。


「迷子にならなければここも見つけられませんでしたね」

「あー、そういえばそうでしたねぇ。確かルジェラニアが可愛いリスさんを追い掛けていっちゃって迷ったんですよねぇ」

「――なっ!? 違います! 私ではなくてドラグニカ様が森の中の植物にあっちこっち興味を示すからではないですか……!」


 そうでしたっけと、のんびり笑うドラグニカ様に私は顔を真っ赤にして反抗しました。


 確かにリスさんは可愛かったですが、ポケット図鑑を手にドラグニカ様は森の植物を見て回っていたのです。

 そして気づいたら夢中になったドラグニカ様がどんどん奥に行ってしまって……というのが迷子になった経緯なのですが。


『あぁっ、見てくださいルジェラニア! イチリンソウが咲いてます!』

『ドラグニカ様、可愛いリスさんがいますよ』

『こっちにはヒトリシズカ! あぁ、なんて可愛らしい……!』

『はっ、リスさんが行ってしまいます……!』

『ここは本当に自然豊かで……僕幸せです!』


 絶対に私のせいではありません! ……リスさんは可愛かったですが!


「ははっ、まあまあ。一年前の事ですし、どっちでもいいじゃないですかぁ」

「ははっ、ではないですよ……もうっ」


 私は小さな怒りをサンドイッチにぶつけました。……うん、美味しい。


 ――――まあ、それにしても。


「綺麗ですねぇ」

「ええ、綺麗ですねぇ」


 まるで古風な家の縁側でのほほんと庭を眺める老夫婦な雰囲気が醸し出されていますが、私たちはただ桜を愛でている桜人。

 シルフ領の桜は本当に綺麗です。


「ルジェラニアの作るサンドイッチ、それを食べながら見る桜はやはり格別ですねぇ」


 そう言いながらドラグニカ様が二個三個とサンドイッチを胃に収めていきます。

 そこへ私はバスケットの中に入れていた保温ポットを開けカップに中身を注ぎました。


 茶葉の匂いが香り立つカップ。それをドラグニカ様へ差し出します。


「ドラグニカ様、お茶は如何ですか?」

「あ、いただきます。……うーん、渋ぅ」


 受け取ったドラグニカ様が一口含んで、渋面。


 本日のお茶はシルフ領の特産茶です。

 私も一口頂きますが、独特な渋みと苦みが口の中に広がって……しかしこれがとても美味しいのです。

 うーん、おせんべいも一緒に持ってこれば良かった。


「ふぅ……」

「ふぅ……」


 食欲を満たし、二人そろってほっと一息。

 なんとも穏やかなひとときです。


 ……本当に落ち着きますね。


 綺麗な景色を落ち着いて眺める、背中を太い幹に預ければつい瞼が下りそうになります。

 去年は迷子の功労でここを見つけましたし、ただのお散歩のつもりで何の準備もありませんでしたから。

 こうしてちゃんと落ち着いてドラグニカ様とお花見するのは初めてです。


「……おや?」

「……あれは?」


 静かに春景色を楽しんでいると、舞う花びらの中に青色を見つけました。

 なんだろうと、ドラグニカ様が目を細めて凝視します。


 散る桜に混じってひらひらと飛ぶ花びらのような青。

 緩やかに吹く風に乗って青色が移動していきます。


「――――ハッ! もしかしてアレは……!」


 青色の正体が分かったようで、ドラグニカ様の目の色が変わりました。

 妖しい色合いの瞳が夢見る少年のようにきらきらしています。


「あ、あ、あれはまさか綺麗だと有名な……!?」

「……ドラグニカ様?」

「ル、ルジェラニア! ちょ、ちょっとみ、見に行ってきてもいいですか……!?」

「え、ええ……どうぞ。私はここで待っていますから」

「あありがとうございます! すぐ戻りますから……! 待っててくださいね!!」


 ……興奮式しきった様子のドラグニカ様に気おされ、ダメだとは言えませんでした。

 私の了承を得たことでテンションメーターが振り切ってしまわれたのか、さっそうと行ってしまいました……。

 紫色の長い髪を弾ませて桜舞い散る中を駆け降りていくドラグニカ様の後姿を見送り、数秒。


 ……あっという間に一人になってしまいました。

 そういえば、あまり遠くへ行かないようにと言いそびれてしまいましたが……まあ大丈夫でしょう。

 いえ、でも、また迷子になったり…………まあ、大丈夫でしょう……きっと。


 ――ざあっと強めの風が吹き、桜の木たちが一斉にざわざわと音を奏でます。

 太い幹に背を預けたままそれを聴いていると、なんだか心地よい音楽に聞こえるから不思議です。


 ドラグニカ様の事は心配ありません。

 迷子になるかもしれない不安は少々ありますが、一人の時に無茶はしないと信じていますから。


 木々が奏でる音楽に私は目を閉じました。

 そして耳を澄ませます。

 ざわめく音に体を預け、すると意識はあっという間に――――すとん、と落ちていきました。





 夢を、見ました。

 少しだけ懐かしい夢です。


 晴れ晴れとした青空が広がるヴェルデガイアの景色を前に、言葉を失うドラグニカ様と私がいます。


 魔界にも美しい所はありますが、それの比ではありません。

 ヴェルデガイアは世界そのものが美しいのだと痛感した瞬間。


 まるで絵画のような景色を前に、ドラグニカ様は言いました。


『……僕は、この世界を独り占めしたいなんて思いません』


 何故なら、ヴェルデガイアには美しい空がある。

 豊かな緑がある。

 可憐な花がある。

 魔界では見られない、宝石よりもきれいなものがたくさんある。


 欲深い魔族はこの魅力に惹かれ、ヴェルデガイアを欲しました。

 この地に住む者たちがこれまで必死に生きて築き上げたから、この景色があるというのに。


『実際に目にして、僕の心は決まりました。僕はこの美しい世界を――守りたい』


 ――――だから。


『ルジェラニア、僕と一緒にこの世界を守ってくれますか?』





「……ん……」


 頬を撫でる少し冷えた風にぶるりと小さく震えました。

 ゆっくりと瞼を持ち上げると、可憐な桃色にオレンジ色が混じり始めた景色が見えます。


「――――っ! 夕方……っ!?」


 オレンジは夕焼けの色です。

 記憶が定かなら、私が眠りに落ちたのは陽も少しずつ傾き始めた一四時頃のことでしょう。

 空に夕焼け色が滲み始めたということは軽く三時間は経っているはずです。


 ドラグニカ様は……!?

 戻って来ていないのでしょうか?

 それともまた迷子になってしまわれたのでしょうか?


 寝ぼけていた意識が一気に覚醒し、私はハッとなって体を起こしました。

 するとはらりと布のようなものが落ちました。


 上質な素材であることが窺える手触りに、光沢のある黒。

 ……これはドラグニカ様のマント?


「――――あぁ、お目覚めですか。ルジェラニア」


 毎日耳にする和やかな声。

 振り向くとそこにはドラグニカ様がいました。


 手にはお気に入りのポケット図鑑があります。

 今までそれを眺めていたようで、私の目覚めに気づきパタンと閉じました。


 その姿に私は大慌てです。


「ドラグニカ様……申し訳ございませんっ! つい、眠って……!」

「いえいえ。僕こそ起こさないですみません。気持ちよさそうに眠っていたので、つい」

「それにマントまで……っ! 本当、お気を遣わせてしまって……!」

「お気になさらず、ルジェラニアに風邪を引かせるわけにはいきませんから」

「私なんかより、ドラグニカ様が風邪を引いてしまう方が那由他以上によくありません……!」


 のほほんと微笑むドラグニカ様に対し、謝りっぱなしの私。


 ああ、本当に。

 ご主人様に気を遣わせてしまうとはメイド失格です!


「失礼します。今マントを……」


 体に掛けられていたマントを返そうと私はドラグニカ様の肩に触れました。


 マントの下に白いローブを着ていたドラグニカ様。

 大きな桜木の下にいるとはいえ、暖かな春です。

 日陰でもそれなりに暖かかったはずなのに、手に触れた布地は冷えていました。


「……ドラグニカ様、いつお戻りになられたのですか?」

「僕ですか? ……実はあの後すぐ戻って来てしまいました」


 てへっとなんてことはない風に言うドラグニカ様に私は言葉を失いかけました。


「約束したじゃないですか。――――ルジェラニアの傍を離れないって」


 一瞬忘れてしまいましたけど。

 そう付け足してドラグニカ様は微笑みます。


 太陽よりも明るく暖かい笑顔。

 黒金の瞳は妖しい輝きに見えても、とても……とても優しい眼差しが私に向けられていました。


 ドラグニカ様の言葉は、先ほどまで見ていた夢の続きでした。


『この命尽きるまで、ドラグニカ様に。――――ですが、一つだけ。私の傍を離れないと約束してくださいますか?』


 あれは夢ではなくて、記憶。

 ドラグニカ様が魔王となるほんの少し前の頃の。


 元々二人きりでしたが、この約束をしたことでドラグニカ様との間に確かな絆が芽生えたように思います。


「……そうでしたね」

「えぇ。だから、戻ってきたのです」


 ドラグニカ様は世界を、私はドラグニカ様を。

 傷つけないために、そして守るための約束です。


 私はすっと立ち上がってレジャーシートの上を見渡します。

 出されていたカップやナフキンなどは既に片づけられていました。

 きっと私が寝ている間にドラグニカ様がしてくださったのでしょう。


 気遣いは嬉しいのですが、ドラグニカ様の優しさに触れる度こそばゆい思いがします。


「……ドラグニカ様」

「はい、なんでしょう?」


 その時一陣の風が吹きました。

 ざわざわと葉擦れの音を鳴り響かせて、緑の上に落ちていた花びらを掬い上げるように通り過ぎていきます。


「――――帰りましょう、私たちの家に」


 ドラグニカ様は吹き抜けた風に瞬きすることもなく、手を差し出した私を見つめていました。

 どこか茫然と何かに目を奪われてしまったような、そんな表情です。

 しかしそれも一瞬のことで、風がやんだ後にはドラグニカ様はいつも通りほほんとした笑みを浮かべていました。


 ドラグニカ様が私の手を取って立ち上がりました。

 立ち上がった後も手は離されず、それどころか手のひらで包むようにぎゅっと握ってきます。

 その手の感覚に首を傾げる私へドラグニカ様が問いかけてきました。


「ルジェラニア、桜の花言葉を知っていますか?」

「花言葉、ですか? いえ……」

「桜の花言葉はですね、精神の美と……」



 ――――優美な女性。


 ドラグニカ様の意味ありげな回答に、思わず胸がどきりとしました。

 どうしていきなりそんなことを言い出したのか私には分からず、どこか機嫌よさげなドラグニカ様と共に丘を下りるのでした。


 来年もまたドラグニカ様と桜が見られたらいいなという願いを胸に秘めて。



「さて、残りの書類はあと三百枚ほどです。一晩で仕上げますよ」

「……僕、寝れるんでしょうか……」


 帰った後はもちろん仕事の山との再会です。

 お昼寝したから元気な私と、報告書を前に元気を無くすドラグニカ様。


 今日も平和に一日が終わりそうです。

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