ようやく会えた唯一の君の為に俺は動く
イラっとする奴です。本人に悪気はないのでタチが悪いです。
ご注意下さい。
何処に行っていたんだ、こんな時に!!
凄い騒ぎなんだぞ
いや、
ちょっと位、足下が崩れただけのことだ
被害はない
なのに、人間たちが地上に降ろせと五月蝿くしている
俺としては、あんな煩い奴等さっさと放り出せばいいが
人間たちを地上と行き来させていた風の精霊達がいないんだ。
こんな時に、
アリシアが泣いているのに。
怖がっているんだよ
悲しんでいるんだよ
風に属するのなら、アリシアを慰める以上に大切なことなんてないはずだろ?
なんで、誰もこない!!!
はぁ
訳のわからないことを
そんなことより、崩れたあそこをどうにかすることこそ大切なことだろう?
あそこにはアリシアが大好きだった庭園があったのに
それをむざむざ壊して
お前もお前だ。
地はお前の管轄だろ!
なんで、崩れてしまうのを止めなかった!
風どもも何をしている、さっさと庭園を綺麗に戻せよ
可哀想な、アリシア。
せっかく俺たちの同胞になってくれたのに
やはり、あの女の配下だった奴らは使えない。
ムカつくが
アリシアをたった一人で慰め励ましている第五位くらいだな、使えるのは。
あの女?
相変わらずだな、お前。
俺たちのことを馬鹿にしていた奴なんて、あの女で十分だろう。
それに、あの女。
人間に呼ぶことを許していた名前を俺が使ってやったのっていうのに、俺のことをぶっ飛ばしやがった。
まぁ、やり返してやったがな。
覚えていないか?
一回、この島の表面が黒こげになったこと。
そう。
あれだよ。
空をウロウロして人間どもを見て回るくらいしか能のない風の、
その上に踏ん反りかえって御高く止まっているだけの女が俺に歯向かうなんて、仕置きが必要だろう?
はぁ?
馬鹿を言うなよ。
お前がそんな冗談を言うなんて珍しいな。
アリシアにそんなことを思うわけないじゃないか
アリシアはあの女とは違うさ。
俺や、ムカつくが水のことを尊敬してくれている。
『人々が苦しまぬよう、困難に立ち向かえるように
惜しみなく力を貸すなんて、なんて優しく、強い方たちなのでしょう』
そう言ったんだぜ、アリシアは。
くれくれと言うだけで感謝もおなざりで、自分たちの都合が悪くなると他の奴らに縋りつくような、愚図な人間どもとは大違いだ。
何だ。
何が悪いって?
おいおい、お前まであの女みたいなことを言うなよ。
与えろっていうから与えてやっているんだ。
なんで、俺が考えてやらなきゃいけない
多かろうが、少なかろうが、与えた時点で俺の管轄ではないな。
好きにすればいいだろ。
ほら、
くだらないこと言ってないで、お前もアリシアの所に行くぞ。
かわいそうに
不安で震えているんだ。
くやしいが、アリシアの故郷はお前の加護の内なんだろ。
そのせいか、お前の傍にいるとなんだか落ち着くって言ってたからな。
アリシアの仲間たちも、傍にいて慰めてるところだ。
可哀想だ。
風の奴らがろくでもない奴らばっかりなせいで、しなくもいい苦労を押付けられている。
奴ら、見つけ出したらアリシアの前で謝らせて・・・
いや、アリシアの目にいれるのもなんだな。
俺の力で消滅させてやる。
どうせ、精霊王がいれば代えなんてすぐに生まれるからな。
今度は、アリシアの為に動く、優しくて、美しい、女ばかりにすればいい。
そうすれば、世界はまた穏やかになるさ。
それまではアリシアのことは俺たちが守ってやらないとな。
なんたって大切な同胞だ。
は?
何言ってる。
人間なんて、また勝手に増えるだろう?
闇の精霊王は何処かに行きました。
彼のことが大嫌いなので。
ヒロインも闇は怖いので平気そうに装って怯えるので、闇は近づくと火や水に睨まれます。
ヒロインが呼んでいたのは地の精霊王だけです。