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1章

そこには卵がいた。


卵は性格の悪いヤツだった。

そいつは、学校に入ったら便所を覗き見したり給食に内容物をぶちまけてみたり問題起こしまくりのヤバいやつだった。

ある日、卵がいつものように歩いていると、自転車がやってきた。その自転車は妙に白っぽかった。

気にせず歩き出し、バス停に座り込む。そして、独り言。

「あの自転車…懐かしい。」

何故だか、みたこととないはずの自転車が懐かしく見えたのだ。卵にとって、人間の様にアドリブなんか存在しない。だから、本当にどこかでみたのだろう。

卵はバスに乗り込む。すると先ほどの自転車に追いつく。その自転車に乗っている人の顔はよく見えなかったが、中年男性だ。そのまま都会の方までバスは行く。卵は眠くなってくる。卵の寝る前の記憶はここまでだった。


起きると、暗いトンネルの中。もうバスには誰も乗っていなかった。

「寝過ごした!」

そんなことを思っても何にもならない。哀れな人ですね。

バスは緩やかにスピードを遅める。そして、バス停に停まり、卵は降りる。

「見覚えのない場所だな。」

卵はスマホを取り出し、妻に連絡しようとする。しかし、圏外だ。しかも、マップを開こうとしても地図が読み込まれない。そのまま歩いているとどこからか鈴の音。鈴の音は遠ざかっていく。

しかし妙だ。たった今聞こえたばっかりなのに何故遠ざかっていくのだろうか。だんだん大きくなっていくならわかるが…。

そんな疑問を抱えながら歩いていく。何故か人気もなければ光もない。ただ、夜空に輝く星や月の灯りしか此処を照らしてくれない。また歩いていく。さらに歩いていく。ずっと田舎の田んぼ道が続く。なにも進歩しない。何も変わらない。


すると、小屋らしきものが見えてくる。

そこに入っていいのだろうか。ネットに繋ごうと試みる。先ほどは圏外だったが、いまここは圏外ではなくなっている。しかし繋がらない。

卵はスマホの充電を見る。38%。地味に心配になってくる数字。勇気を出して小屋に入る。


小屋の中はシンプルな感じだ。でも、何故か内装は白色だった。すべて。何もかも。卵は呆れたように外に出ていく。

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