表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

いざ、大学へ 2

 つぎの(しゅう)()(よう)()

 学校(がっこう)がおわると、翔真(しょうま)たちはサッカーチャンネル〈アルコ・イリス〉のメンバーが運転(うんてん)する(くるま)にのって、風吹(かざぶき)イノベーション(だい)(がく)にやってきた。


 (ごう)(どう)(れん)(しゅう)がスタートしたのは午後ごご()だった。

 (れん)(しゅう)メニューはパス、ヘディング、シュート(れん)(しゅう)、ゲーム(ミニ()(あい))など、翔真(しょうま)たちがしているものとおなじだった。

 だが、いくらメニューがおなじでも、(だい)(がく)(せい)のパワーは小学生(しょうがくせい)とはレベルがちがう。

「やっぱり(だい)(がく)(せい)のシュートはすごいよ。いまでも()がジンジンするんだ」

 練習(れんしゅう)のあと、シャワールームで()(くも)がみんなに()(ぶん)()をみせた。

 (かれ)(りょう)()は、めんたいこみたいに(あか)くふくれあがっていた。

(からだ)のつよさだって小学生(しょうがくせい)とはぜんぜんちがうもんな。おれ、ちょっとぶつかっただけで、ふきとばされそうになったもん」

 陽介(ようすけ)が、よろめくマネをする。

「そうだ。キャプテン、ぼく、おもしろいことを()いたんだ」

 5ねんせい葦切よしきり正晴(まさはる)というがいった。

(きゅう)(けい)のときにメンバーのひとりにいわれたんだ。『きみたち、隈取(くまどり)をしてサッカーするなら、(せん)(じゅつ)にも歌舞伎(かぶき)(よう)()をとりいれてみたら、どう?』って」

歌舞伎(かぶき)(よう)()?」

「うん。たとえば歌舞伎(かぶき)のお(はなし)で『お(はつ)(とく)()()』ってのがあるんだけど、これはお(はつ)っていう(おんな)(ひと)と、(とく)()()っていう(おとこ)(ひと)(いち)()(こい)のお(はなし)なんだ」

「それとサッカーと、どういう関係(かんけい)があるんだ?」

「サッカーで、ひとりの(あい)()にひとりの(せん)(しゅ)がつきっきりでマーク(()()り)することをマンツーマンっていうよね」

「ああ」

「ひとりの(あい)()をひとりの(せん)(しゅ)がずっとマークすることと、お(はつ)(とく)()()がおたがいのことを、ずっと(おも)いつづけることをかけて、マンツーマンのことをオハツってよべばいいんじゃないかって、そのメンバーがおしえてくれたんだ」

「つまり、歌舞伎(かぶき)(はなし)内容(ないよう)をサッカーの戦術(せんじゅつ)にとりいれるってことか?」

「そういうこと。そうすれば、歌舞伎(かぶき)とサッカーの関係(かんけい)(せい)が、もっとふかまるんじゃないかな?」

「なるほど……」

 翔真(しょうま)(かんが)えた。

 まえにりた()()()()(かん)には、歌舞伎(かぶき)有名(ゆうめい)(はなし)がたくさんのっていた。

 あれをしらべれば、オハツ()(がい)にも戦術(せんじゅつ)のヒントになりそうな(はなし)があるかもしれない。

「よし、歌舞伎(かぶき)(はなし)をサッカーの戦術(せんじゅつ)にとりいれてみよう」

「ありがとう、キャプテン」

 正晴(まさはる)がうれしそうにわらった。


 *   *   *   *   *


 それから1か(げつ)()

 合同(ごうどう)練習(れんしゅう)(せい)()()(あい)でぞんぶんに(はっ)()された。

「ウソだろ。あれがほんとうに中浦(なかうら)かよ」

 (あい)()(せん)(しゅ)がそういうのも、むりはない。

 パスの正確(せいかく)さ。

 シュートのつよさ。

 たかいレベルの戦術(せんじゅつ)

 中浦(なかうら)FC(エフシー)(せん)(しゅ)ひとりひとりのうごきが、いままでとまったくちがう。


 その()(れん)(しゅう)()(あい)をくんだ戸上(とのえ)ウイングスの()(あい)は4―1で中浦(なかうら)FC(エフシー)(しょう)()

 強豪(きょうごう)チームといわれる下村(しもむら)ハレルーヤにも、2―2のひきわけという(けっ)()だった。

「ありがとう。たのしかったよ」

 ()(あい)終了(しゅうりょう)()に、ハレルーヤのキャプテンが翔真(しょうま)握手あくしゅをもとめた。

「バカにしてごめんよ。おまえら、むちゃくちゃ、つよくなってるよ」

「ありがとう」

「でもさ、()(あい)(ちゅう)にいってたゴニンオトコとかオハツとか、あれいったいなんなんだ?」

()()()()(かん)をみれば、わかるよ」

 そういって、翔真(しょうま)はハレルーヤのキャプテンのをにぎった。


(つづく)



更新は毎日おこなう予定です。

※このあと20時に『いざ、大学へ 3』を投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ