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澪と海の秘宝 〜海のスクリューのひみつ〜  作者: 蒼猫サン


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7/7

海のざわめき

夕暮れの海は、静かだった。


空がゆっくりと赤く染まり、

波は穏やかに揺れている。



「……ほんとに、何もないな」



ジェイクは海を見つめながら言った。



「嵐が来るとかじゃないのか?」



「うーん……」


澪は首をかしげる。



「違うと思う」



そのとき。



ルカの耳が、ぴくっと動いた。



「……来る」



低い声。



空気が変わる。



風が止まる。



海が――



ざわついた。



さっきまで穏やかだった水面が、

小さく波打ち始める。



「……なんだ?」



ジェイクが身構える。



次の瞬間。



バシャッ!!



水が跳ね上がる。



何かが、海から飛び出した。



黒い影。


鋭い形。



それは魚ではなかった。



「……っ!」



ジェイクが息を呑む。



影は、地面に落ちる。



ぬるりと動く体。



異様に長いヒレ。



そして――



赤く光る目。



「なに……これ……」



澪が後ずさる。



ルカが低くうなる。



「下のやつだ」



その言葉の意味は、分からない。



だが――



危険だということだけは分かる。



影が、ゆっくりと動く。



ジェイクの方へ向かう。



「来るぞ!」



ジェイクが叫ぶ。



だが足が動かない。




その瞬間――



ドクン



心臓の音が、響いた。



次の瞬間。



海が――



沈んだ。



波の音が消える。


風が止まる。


空気が、重くなる。



ジェイクの呼吸が止まる。



「……なにが……起きてる……」



澪の髪が揺れる。



黒い髪が、


ゆっくりと深い青へと染まる。



目が、光る。



右は金。


左は青。



オッドアイが、はっきりと輝いた。



首元の真珠が、強く光る。



蒼海の真珠。



それに呼応するように、



海全体が、淡く光り始めた。



まるで――



海そのものが、澪に応えている。



影が止まる。



動けない。



怯えている。



ジェイクが、かすれた声で言う。



「……なんだ……この子……」



澪は、小さく息を吐く。



「……来ないで」



その一言。



海が、命令を受けたように動いた。



水が、壁のように立ち上がる。



影を押し返す。



逃げ場を失った影が、もがく。



そのとき。



ルカが、動きを止めた。



「……おい」



低い声。



「それ……」



一瞬、言葉を失う。



ポセイドンが、ゆっくりと目を細める。



「……間違いない」



その声は、確信だった。



「海姫の力だ」



影が、耐えきれずに崩れる。



そのまま海へと引きずり込まれていく。



静寂。



波の音が戻る。



光が消える。



澪の体が、ふらつく。



「……あれ……?」



何も分かっていない顔。



ジェイクは、ただ見ていた。



「……ありえない……」



ポセイドンが、静かに言う。



「……始まったな」



その目は、澪を見ていた。



まっすぐに。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

蒼猫サンです


少しでも「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたら、

⭐評価やブックマークで応援していただけるととても励みになります。


次回もぜひ読みに来てください✨


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