表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
澪と海の秘宝 〜海のスクリューのひみつ〜  作者: 蒼猫サン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/7

この町の普通

朝の海は、静かだった。


まるで何もなかったかのように、

穏やかな波が揺れている。



「……変な感じだな」



ジェイクは、ぽつりとつぶやいた。



「昨日のことが、夢みたいだ」



海守の家の前。


澪が隣に立っている。



「夢じゃないよ」



その声は、少しだけ真剣だった。



ジェイクは苦笑する。


「だろうな。猫が喋る時点で現実じゃない」



「聞こえてるぞ」



ルカが肩の上で言う。



「……慣れないな」



そのとき。


遠くから声がした。



「おーい、澪ー!」



手を振りながら走ってくる少年。



黒髪の短髪。

日に焼けた肌。



「海斗」


澪が小さくつぶやく。



海斗は二人の前で止まる。



「おはよ。って……誰?」



ジェイクを見る。



「昨日、流れてきた人」



「……また?」



海斗は少しだけ眉をひそめた。



すぐに、いつもの顔に戻る。



「まあいいか」



ジェイクが言う。


「いやよくないだろ」



海斗は笑う。



「この町、そういうのあるんだよ」



「“そういうの”ってなんだ」



「うーん……」



海斗は少し考えて、言った。



「深く考えない方がいいやつ」



ルカがぼそっと言う。


「雑だな」



「だろ?」


海斗は笑う。



そのとき。


近くの港から声が聞こえる。



「海斗ー!準備できてるぞ!」



海斗が振り返る。



「今行く!」



そしてジェイクを見る。



「ま、とりあえず」



「ここでは普通にしてればいい」



「普通……?」



海斗は少しだけ真面目な顔になる。



「そう」



「この町のやつらはさ」



少し間をおいて、言う。



「見ないふりして生きてるから」



風が吹く。



ジェイクの背中に、少し冷たいものが走る。



「……見ないふり?」



澪が小さく言う。



「うん」



「それが、この町の普通」



沈黙。



波の音だけが響く。



海斗は、ふっと笑う。



「でもさ」



「悪い町じゃないよ」



そう言って、走っていく。



ジェイクは、その背中を見る。



「……なんなんだ、この場所」



そのとき。



海が、わずかに揺れた。



ほんの一瞬。



だが確かに、


何かが“下”で動いた。



ポセイドンの声が、静かに響く。



「……気づいたか」



ジェイクが振り返る。



ポセイドンは、海を見ていた。



「まだ、始まったばかりだ」



その言葉は、静かだった。



だが――



確かに、不穏だった。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

蒼猫サンです


少しでも「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたら、

⭐評価やブックマークで応援していただけるととても励みになります。


次回もぜひ読みに来てください✨


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ