表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
澪と海の秘宝 〜海のスクリューのひみつ〜  作者: 蒼猫サン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/7

海守の家

海凪町は、小さな海の島だ。


人口は数百人ほど。

古い漁港と、坂道と、海の風。


観光客もほとんど来ない。


静かで、どこか懐かしい島。

境界の狭間



その町の崖の上に、

**海守うみもり**と呼ばれる古い家がある。


海を見下ろすその家には、

昔から“変わった噂”があった。


――海に近すぎる家は、何かを呼ぶ。



「うーん……もうちょっとかな」


キッチンに、甘い香りが広がっている。


オーブンの前で腕を組んでいるのは、

この家に住む少女――澪。


水色とピンクのセーラー服。

肩までの黒い髪。


光の加減で、わずかに青く見える。



その肩には、黒い子猫が乗っていた。


青い瞳を持つ、小さな猫。


ルカ。



「まだ?」


ルカが不機嫌そうに言う。


澪は振り向かずに答える。


「まだだよ」


「待つの嫌い」


「猫でしょ?」


「猫でも嫌いなものは嫌い」



そのとき。


廊下の奥から声がする。


「焼けたか?」


澪のおじいちゃんだ。


大きな体に、日に焼けた顔。

見た目はまるで漁師だ。


でもこの人は、

海守の家の管理人。



「まだだよ!」


「少しくらいいいだろ」


「ダメ」



ルカがぼそっと言う。


「魚のほうがいい」


「またそれ?」



そのときだった。



ゴォォォォ……



低い音が、海の奥から響いた。


澪の手が止まる。


「……今の音」


ルカの耳がぴくっと動く。


青い瞳が、海のほうを向く。



ルカが、低く言う。


「……スクリューだ」



おじいちゃんが静かに言う。


「強いな……今日は」



海守の家の奥。


古びた木の扉。


その向こうには――



海の倉庫。



扉を開けた瞬間、

青い光が広がる。


そこは、海の中にある巨大な空間。


水が、空中で渦を巻いている。



海のスクリュー。



ぐるぐると回る水の中。


その奥で、何かが動いた。



次の瞬間。



バシャァァァ!!



水がはじける。


何かが、外へと飛び出した。



床に倒れ込む人影。


びしょ濡れの体。


見慣れない服。



澪が目を見開く。


「……人?」



男の頭には、青い帽子。


波と星のマーク。


胸の文字。



Ocean Stars



ルカが言う。


「人間だな」


澪が駆け寄る。


「大丈夫かな……」



そのとき。



水の中が、ゆらいだ。



ゆっくりと、何かが近づいてくる。



黒い髪。


静かな目。


海のような存在感。



現れたのは――



ポセイドン。



彼は男を見て、静かに言う。


「またスクリューか」



澪が聞く。


「この人、誰?」


ポセイドンは帽子を見て、少しだけ目を細める。



「……ジェイク・カーター」




「え?」



ポセイドンが言う。


「人間の世界では――」



一瞬、間があく。



「有名な男だ」



そのとき。


倒れていた男の指が、わずかに動いた。


やっと澪の物語が始まりました!


次回は人物紹介をしたいと思います!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ