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澪と海の秘宝 〜海のスクリューのひみつ〜  作者: 蒼猫サン


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1/7

プロローグ

はじめまして。蒼猫サンです。

この物語は、海と人をつなぐ少女の物語です。

ゆっくり楽しんでいただけたら嬉しいです。



海が、泣いていた。


月の光に照らされた海は、静かなはずなのに――

その夜だけは違った。


波が荒れ、

水が渦を巻き、

まるで何かを拒むようにうねっている。



その海の奥。


誰も知らない王国がある。


アクアリア王国。


人魚たちが暮らす、青い海の国。



「見つけたぞ」


低い声が、海を震わせた。


巨大な影。


鋭い牙。


そして、サメのような目を持つ男。


ゼルガ。



「海の秘宝――」


その視線の先にいるのは、


ひとりの人魚。


長い髪を揺らし、

赤ん坊を抱いている。



その隣に、男が立つ。


海を渡る者。


船乗り。



「この子には、触れさせない」


男は前に出る。


だが――


ゼルガは笑った。


「人間ごときが」



次の瞬間。


海が裂けた。



衝撃。


波。


そして、静寂。



男は倒れ、

海の中に沈んでいく。


赤い色が、ゆっくりと広がった。



人魚は、震える手で赤ん坊を抱く。


そして、ひとつの真珠を取り出す。


淡く光る、青い宝石。


蒼海の真珠。



「ルカ」


足元に、小さな黒猫が現れる。


青い瞳。


震えるほど小さな体。



人魚は、優しく撫でる。


「この子を守って」


その声は、とても静かだった。



光があふれる。


真珠の力が、猫へと流れ込む。



そして人魚は、


赤ん坊を強く抱きしめる。



「澪」



その名前を、


最後に呼んだ。



海が、大きく揺れる。


すべてが、飲み込まれていく。



そして――


静寂。



それから、十六年。


海凪町。


小さな黒猫が、少女の肩に乗っていた。



物語は、ここから始まる。


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