第040話 極振りヒーラー、神獣の戦い2
「一旦、作戦を立て直すよ!」
ヒマワリが叫ぶ。
「ヒマワリちゃん、どうする!?」
「私は機動力を生かして、ヒットアンドアウェイで攪乱する!
ノエルさんは大剣で大技をできるだけそらして!
リリアさんはサポートメイン、私は何とかして避けるからノエルさんを守ってあげて!
ステラは回復に専念して、隙があれば《不死鳥》で攻撃!」
「わかった!」
「了解!」
「任せて!」
三人が頷き、再び戦闘態勢を整えた。
ヒマワリは《加速》と《跳躍》を組み合わせ、三次元的な高速移動を開始する。
床を蹴り、壁を蹴り、空中で身を翻す。
その動きは、まるで重力から解放されたと思わせるほど軽やかだった。
「《ウィンドスラッシュ》!」
風を纏った斬撃が、フルグラウスの横腹を切り裂く。
フルグラウスが咆哮を上げ、爪を振るうが――ヒマワリは既にその場にいない。
「《サンダーラッシュ》!」
今度は背後から、雷の三連撃が叩き込まれる。
フルグラウスが振り向くが、ヒマワリは再び跳躍して距離を取る。
「《ブレイクスラッシュ》!」
ノエルが大剣を振り下ろし、フルグラウスの前脚を狙う。
フルグラウスが前脚で反撃しようとするが――
「《バインド・チャーム》!」
リリアの魔導チャームが、フルグラウスの動きを一瞬だけ拘束する。
「今だ!」
ノエルの大剣がフルグラウスの前脚に命中し、体勢を崩させる。
「《ディバイン・シールド》!」
リリアがノエルにバリアを展開し、防御を固める。
フルグラウスが再び雷翼を展開し、ノエルへと突進してくる。
「くっ……!」
ノエルは大剣で突進の軌道を逸らし、強引に弾き返す。
しかし威力までは受け流しきれない。
バリアは砕け、HPが大きく削られた。
「《ヒール》!」
ステラの回復魔法が、ノエルのHPを戻す。
「助かった!」
ヒマワリは再び跳躍し、フルグラウスの背後に回り込む。
「《ウィンドスラッシュ》!」
風を纏った斬撃が、フルグラウスの背中を切り裂く。
少しずつ――だが確実に、HPバーが削られていく。
だが――
フルグラウスが天を仰ぎ、咆哮を上げた。
次の瞬間、フルグラウスの体から全方位に雷撃が走った。
「――ッ!?」
ヒマワリは咄嗟に《加速》を最大まで上げ、雷撃の合間を縫うように跳躍する。
紙一重で雷撃を避け、壁を蹴って体勢を立て直す。
「《フェニクス・フレア》!」
ステラが不死鳥の炎を放ち、雷撃を相殺しようとする。
だが――雷撃の威力が勝り、炎を押し切って《リストア・ヴェール》を叩く。
「きゃっ!」
バリアが衝撃を吸収するが、ステラのHPが削られる。
「ステラ!」
「大丈夫……!《ヒール》!」
ステラは自分自身を回復し、再びバリアを展開する。
フルグラウスが再び雷翼を展開した。
「また来る!」
今度はヒマワリを狙い、雷のような速度で突進してくる。
「《跳躍》!」
ヒマワリは大きく跳び上がり、上空へと回避する。
だが――フルグラウスは即座に方向を変え、着地点を狙って再び突進してくる。
空中では避けられない――
「させるか!《タワースイング》!」
ノエルが大剣を縦に振り抜き、フルグラウスの軌道に割り込んだ。
大剣がフルグラウスの体を叩き、攻撃の軌道を逸らす。
だが――
「ぐあっ!?」
衝撃を押し殺すことができず、ノエルが吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。
「《ヒール》!」
「《ディバイン・シールド》!」
リリアとステラが同時に魔法を唱え、ノエルを回復し、バリアで守る。
「……ありがとう……でも、きつい……」
ノエルが立ち上がるが、その表情には疲労の色が浮かんでいた。
ヒマワリは地面に着地し、再びフルグラウスへと斬りかかる。
「《サンダーラッシュ》!《ソニック・ブレイク》!」
雷の三連撃と、素早い二連撃が次々と叩き込まれる。
派手さはないが、その一撃一撃が確実にHPを削っていた。
だが――HPが減るにつれて、フルグラウスの攻撃頻度が上がってきた。
雷撃、突進、爪撃――次々と繰り出される攻撃に、四人は対応に追われる。
「くっ……!まだ半分も削れてない……!」
ヒマワリが叫ぶ。
その時――フルグラウスが再び雷翼を展開し、ステラへと突進してきた。
「ステラ!」
「《ヒール》《再生の祝炎》」
ステラはバリアを展開し直すが――間に合わない。
フルグラウスの突進が、《リストア・ヴェール》を叩き――
バリアが粉々に砕け散る。
だが――《リフレクト・ヴェール》の効果で、ダメージが反射される。
フルグラウスのHPバーが、わずかに削れた。
「……!」
ステラが目を見開く。
反射ダメージ――今までの攻撃よりも、明らかに効率よくHPが削れた。
「もしかして……、ヒマワリちゃん!」
「何!?」
「試したいことがあるから、時間を稼いで!」
「え……?わかった!任せて!」
ヒマワリが頷き、再びフルグラウスへと斬りかかる。
「リリアさん!回復とサポート、お願いしても大丈夫?」
「わかった!MPポーションはまだあるから大丈夫、任せて!」
リリアが頷き、ポーションを飲んでMPを回復する。
ステラは杖を握りしめ――何かを試そうとしていた。
強すぎるボス相手にステラが思いついた秘策とは?
次は2/14 21時投稿予定
お楽しみに!




